400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組。
8/21の“出陣”は、徳川家康、加藤清正、陣笠隊の足軽・哉太郎(やたろう)です。
今回は、徳川家康による新企画「イエス!家康、聞きに行く!」の模様をお届けします。
これは、天下泰平の世を築き、264年もの長きに渡って続いた江戸幕府を開いた家康が、現世の民の小さな悩みや争い事を直接聞いて解決するというもの。
徳川家康の新企画「イエス!家康、聞きに行く!」
あのCMのパロディ
権力者が民衆の中に入っていき、悩みを解決する。言わば『遠山の金さん』のようなコーナーです。
さて、この「イエス!家康、聞きに行く!」というコーナータイトル。どこかで聞いたようだなと思った方もいるのではないでしょうか。
それもそのはず、これは某美容外科・高○クリニックのCMを思いっきり意識しているからです。
むしろタイトル先行で、内容を後からムリヤリ考えたと言っても過言ではありません。内容はラジオの企画でよくある悩み相談ですから。
コーナーのテーマ曲も、10年程前にCMソングで使われていた、郷ひろみの「もういいの?」。
CMの最後に流れる「高○、クリニック♪」というフレーズをマネして、家康・清正・哉太郎の3人で「いえやすぅ、ききにぃく♪」と声を合わせたものを、わざわざ事前収録するほどの凝りよう。
でも考えてみれば、家康は現在の愛知県岡崎市出身、高○クリニックの院長は愛知県西尾市出身と、同じ三河生まれ。縁がないこともないので、生まれるべくして生まれた企画なのかもしれません。
これもまた、一興。
それでは、えまきー(戦国音絵巻リスナー)から送られてきた悩みを、解決していきましょう。
まずはAさんからの相談です。
「最近、香草に関する資格の勉強をしていますが、なかなか効率よく勉強できません」
これに対して家康はこう応じます。
「香草というのは、当世ではいわゆるハーブなるものじゃな。日の本(ひのもと)伝来の香草と言えばシソであったり。異国から参りしもの…例えばイタリア国であればバジルであったりのう。それから、タイ王国であったら…アレじゃな?」
そこで清正が答えます。「シナモン」
「シナモンは違うじゃろ!?」思わず吹き出す家康。
「あっ、パクチーですなあ!あっはっはっはっは!…これもまた、一興」
自分のミスをユーモアにすり替えようとする清正。なかなか便利な決めゼリフです。
ちなみにシナモンは香草ではなく、香辛料の部類に入る植物。
原産地は中国南部からベトナム辺りにかけてと推測されていますが、熱帯各地で幅広く栽培されているため、特定の国名があがるものではないようです。
いえやすぅ、ききにぃく♪
Aさんの相談に戻り、こんこんと話す家康。
「勉強というのはのう、目的に合わせた致し方があるんじゃ。試験に受かるために集中してする勉強。あるいは自分の知識にしたいためにじっくりする勉強。その目的に合わせて緩急付けるのが良いと思うぞ。
この者は資格のためということじゃな。おそらく普段の生活に加え勉強も致さんといかん。十分に計画した上で、ダラダラせず時間内に集中して行え」
そう言って家康は、遠山の金さん風にまとめに入ります。
が、これが何やらシュールなやりとりへと…。
家康「では、この者に裁きを申し渡す!緩急を付けて、勉学に励め!」
(郷ひろみの曲が流れる)
家康「これにて一件落着!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪が流れる)
哉太郎「ありがとうございます!それでは家康様、続いてのえまきーの相談に乗って頂きたいと思いますが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
哉太郎「ありがとうございます!では、読み上げて参りまする」
家康から誕生日プレゼント
この、文字では表しにくい独特な世界観のやりとりに、清正も思わず「これ、何じゃて?(笑)」と戸惑うばかり。
そんな中、続いてはBさんからの相談です。
「今日、誕生日なのですが、付き合って1ヶ月の彼氏からまだプレゼントをもらっていません。LINEで『今日は誕生日なの』と送っても、プレゼントの話題は一切出てこないんです。もう諦めた方がいいのでしょうか?」
家康「では、この者に裁きを申し渡す!わしが、くれてやる!」
(郷ひろみの曲)
家康「Bよ、輝ける1年を過ごすがよい。わしからのこの言葉を、贈り物として受け取れ。これにて、一件落着!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
哉太郎「ありがとうございます。それでは家康様、続いてのえまきーの相談に乗って頂きたいと思いますが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
哉太郎「ありがとうございます。では、読み上げて参りまする」
クセになりそう?
“この一連のくだり、必要なのか?”という空気がスタジオ内に広まる中、次はCさんの相談です。
「セミの鳴き声の変化や朝晩の涼しさに、夏の終わりをじわじわと感じて、ものすごく寂しくなっております。夏が好き過ぎて、夏の終わりを受け入れたくありません。どうしたらスッと気持ちを切り替えられるでしょうか?」
家康「では、裁きを申し渡す!秋もええぞ」
(郷ひろみの曲)
家康「夏の良さというのは、『夏が終わって寂しい』という思いもあってこそじゃ!ずっと夏であったら価値がなくなり楽しめん。秋が来ることが良いわけじゃ。これにて一件落着!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
哉太郎「ありがとうございます(笑)。それでは家康様(笑)、続いてのえまきーの相談に乗って頂きたいと思いますが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
哉太郎「ありがとうございます(笑)。では、読み上げて参りまする」
“なにゆえ拙者はこんな機械的な受け答えをやっておるのだろう?”という、自分へのツッコミが頭をよぎったのでしょうか。ついに笑いをこらえきれなくなってしまう哉太郎なのでした。
もう、しばらくは哉太郎たちやリスナーの耳に、「いえやすぅ、ききにぃく♪」がこびりついて離れなくなりそうですね。
(岡戸孝宏)
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