400年前より現代に蘇った戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組。
今回の“出陣”は、豊臣秀吉、前田慶次、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)です。
本日は『太閤さんの猿芝居』の模様をお届けします。
織田信長から“猿”と呼ばれた太閤・豊臣秀吉が、人の心を掴む演技力を披露するコーナー。
今日もリスナーから秀吉に言ってもらいたいセリフがたくさん送られてきました。
まず選ばれたのはこちらの2つ。
【1】「これ、バイブス上がるー!」
【2】「み~んなの視線を、頂き太閤っ♪」
これらのセリフを、会話の中でさりげなく秀吉が織り込むことができれば成功。童謡『アイアイ』の曲が流れます。
ちなみに、クリアすればセリフがその都度新たに追加されます。
ここで、セリフの補足説明をしましょう。
【1】は、若者言葉で「気分が高揚する」という意味です。
【2】は、AKB48・渡辺麻友の自己紹介「み~んなの目線を、いただきまゆゆ~」をもじったもの。
では、何かお題を決めて会話を進めていきましょう。最初のトークテーマは「傾奇御免状(かぶきごめんじょう)」。
かつて前田慶次は、奇抜な行動をおこす“傾奇者(かぶきもの)”として、京の都で好き放題、自由に過ごしていました。
その噂を耳にした秀吉は面白がり、どんな奇行をしても許される「傾奇御免状」を慶次に与えました。
しかし慶次は「人から許されてするのは傾奇者ではない」と、その御免状を破り捨てたのです。
その経緯を慶次が説明していると、秀吉が話し始めました。
「本当に慶次はすごくてな、いろいろ面白いイタズラなどをするんじゃ」
慶次「そうですな。例えば、鼻毛が伸びとる者を見つけて『もっと鼻毛を伸ばせるか?』と聞いたら、『伸ばせる』と言ってきた。しかし鼻毛なんてそんなに早くは伸びんのじゃな。後日会った時、『伸びておらんではないか。これで伸ばせ!』と言ってわしは糞を顔面にボーンとぶつけてやったんじゃ。糞は肥料になるでな。代わりに金もちゃんとやったぞ」
秀吉「おお、そうか!今、その糞をわしの顔につけてちょ!」
慶次「ええんですか?本気でやりますよ?」
秀吉「来い!来い!来い!」
慶次「えーい、ダーッ!」
秀吉「うほーっ!これ、バイブス上がるー!」(♪アイアイ)
流れ的にはキレイに決まりましたが、内容的にはあまりキレイではないような…。
これでバイブス上がってる秀吉の方が、よっぽど傾奇者の感じもしますが。
その後、ほぼ誘導尋問で踊舞に「そのお心遣いで、わしは秀吉様の虜にござりまする」と言わせる秀吉。
「これが人たらしの術じゃな。こうやって、人の心を掴むことにより、わしが思ったことは、『み~んなの視線を、頂き太閤っ!』」(♪アイアイ)
すっかり悦に入る秀吉ですが、「言えばいいと思っておりませんか?自然な流れで言ってくだされ」と慶次がクギを刺します。
“こなしてる感”を指摘された秀吉、これまでのはちょっとした序章だと、気合を見せるのでした。
続いてのセリフです。
【3】「ぎゃんかわじゃなー!」
【4】「やめて!わしのために争わないで!」
ぎゃんかわとは、若者言葉で「とてもかわいい」という意味。
トークテーマは「ロマンスの日」です。
この日6月19日は「ロ(6)マンチ(1)ック(9)」の語呂合わせから、本当に大切な人と極上の1日を過ごす日とされているそう。
慶次「ほぉー!かような日に秀吉様と出陣できて、わしは幸せにございまする」
踊舞「いやいや、拙者の方が秀吉様を好いておりますよ!どの武将様よりも民を思ってくださりまする!」
慶次「わしも民のことを思うておるぞ!民の笑顔のために戦っておる!」
秀吉「やめてーっ!わしのために争わないでーっ!」(♪アイアイ)
今度は、わざわざ慶次・踊舞から秀吉に寄せていきました。茶番に付き合うとはまさにこのこと。
しかし、相変わらずのわざとらしい演技に、踊舞が一案投じます。
「秀吉様、焦って汗もかいて表情も硬くなっておりますで、拙者がほぐして柔らかくして差し上げましょう」
ギュウゥゥゥゥ~ッ!
秀吉「痛ったぁーっ!バカ、痛い痛い!イタタタタタ!」
慶次「今、踊舞が秀吉様の頬をつねって、左右に引っ張って表情筋を鍛えておる!これによって深層筋(インナーマッスル)にまで行き渡るから、ほうれい線も無くなる!美容にも良いでな」
なんかそれっぽい解説をする慶次。「秀吉様、これで笑顔の魅力が増しております」
「まこと?」なんとなく納得する秀吉。
「脂汗がベッタベタで…」手ぬぐいで秀吉の顔汗を拭き取る踊舞。
うっかり失礼な言動をしたお詫びをしつつ、次のセリフを紹介します。
【5】「初めて人を好きになりました。結婚します」
【6】「ポロリもあるよ」
補足ですが、【5】は、最近大舞台で結婚宣言した人のセリフですね。
トークテーマは「ボーナス」。戦国時代にはボーナスという考え方はあったのでしょうか?
慶次が話します。
「近いモノはあったわな。臨時の戦で功を立てれば、付加価値のある褒美をもらうということで。秀吉様はボーナスをもらったことはござりまするか?」
秀吉「おね、おね。ちょっと来やあ、こっちに。」
慶次「えっ?あの、ボーナスもらったことござりますか?」
秀吉「おね。わし、あのな…」
なんと、会話を放棄して、独り芝居を始めたではありませんか!
ちなみに「おね」とは、秀吉と恋愛結婚した正室です。
「ちょっと待ってくれ、おね。おぬしは、わしが見た中で一番美しい女子(おなご)じゃ。ここで宣言しよう。初めて人を好きになりました。結婚します。…ポロリもあるよ」
しーん。
ついに、ムリヤリ消化しにいってしまった秀吉。再び、踊舞に顔をグイングインつねられます。
もみほぐされ、老廃物が流れて小顔になり、滑舌もよくなった(かもしれない)秀吉。最後の挑戦です。
【7】「じっちゃんの名にかけて」
「わしな、今朝、アゴが少し抜けそうになったんじゃ。これは誰の仕業かなと思い、布団から出て言ったんじゃ。じっちゃんの名にかけて!」(♪アイアイ)
金田一少年のような設定を作ろうとするも、うまく捉えられず。慶次が嘆きます。
「酷い…。後半からは会話じゃなく、秀吉様のただの独り言になっておりましたぞ!」
「そんなわしは、ぎゃんかわじゃなー!」(♪アイアイ)
ストーリーの収拾がつかなくなって、伏線の回収ができないまま最終回を迎える海外ドラマみたいな、強引な幕引き。
しかし、必死でセリフを使おうと汗ビッショリの姿は、確かにぎゃんかわな秀吉なのでした。
(岡戸孝宏)
今回の“出陣”は、豊臣秀吉、前田慶次、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)です。
本日は『太閤さんの猿芝居』の模様をお届けします。
織田信長から“猿”と呼ばれた太閤・豊臣秀吉が、人の心を掴む演技力を披露するコーナー。
今日もリスナーから秀吉に言ってもらいたいセリフがたくさん送られてきました。
バイブス上がる天下人
まず選ばれたのはこちらの2つ。
【1】「これ、バイブス上がるー!」
【2】「み~んなの視線を、頂き太閤っ♪」
これらのセリフを、会話の中でさりげなく秀吉が織り込むことができれば成功。童謡『アイアイ』の曲が流れます。
ちなみに、クリアすればセリフがその都度新たに追加されます。
ここで、セリフの補足説明をしましょう。
【1】は、若者言葉で「気分が高揚する」という意味です。
【2】は、AKB48・渡辺麻友の自己紹介「み~んなの目線を、いただきまゆゆ~」をもじったもの。
では、何かお題を決めて会話を進めていきましょう。最初のトークテーマは「傾奇御免状(かぶきごめんじょう)」。
かつて前田慶次は、奇抜な行動をおこす“傾奇者(かぶきもの)”として、京の都で好き放題、自由に過ごしていました。
その噂を耳にした秀吉は面白がり、どんな奇行をしても許される「傾奇御免状」を慶次に与えました。
しかし慶次は「人から許されてするのは傾奇者ではない」と、その御免状を破り捨てたのです。
普通ならテンションガタ落ちだけど
その経緯を慶次が説明していると、秀吉が話し始めました。
「本当に慶次はすごくてな、いろいろ面白いイタズラなどをするんじゃ」
慶次「そうですな。例えば、鼻毛が伸びとる者を見つけて『もっと鼻毛を伸ばせるか?』と聞いたら、『伸ばせる』と言ってきた。しかし鼻毛なんてそんなに早くは伸びんのじゃな。後日会った時、『伸びておらんではないか。これで伸ばせ!』と言ってわしは糞を顔面にボーンとぶつけてやったんじゃ。糞は肥料になるでな。代わりに金もちゃんとやったぞ」
秀吉「おお、そうか!今、その糞をわしの顔につけてちょ!」
慶次「ええんですか?本気でやりますよ?」
秀吉「来い!来い!来い!」
慶次「えーい、ダーッ!」
秀吉「うほーっ!これ、バイブス上がるー!」(♪アイアイ)
流れ的にはキレイに決まりましたが、内容的にはあまりキレイではないような…。
これでバイブス上がってる秀吉の方が、よっぽど傾奇者の感じもしますが。
ロマンチックは結構強引な語呂合わせ
その後、ほぼ誘導尋問で踊舞に「そのお心遣いで、わしは秀吉様の虜にござりまする」と言わせる秀吉。
「これが人たらしの術じゃな。こうやって、人の心を掴むことにより、わしが思ったことは、『み~んなの視線を、頂き太閤っ!』」(♪アイアイ)
すっかり悦に入る秀吉ですが、「言えばいいと思っておりませんか?自然な流れで言ってくだされ」と慶次がクギを刺します。
“こなしてる感”を指摘された秀吉、これまでのはちょっとした序章だと、気合を見せるのでした。
続いてのセリフです。
【3】「ぎゃんかわじゃなー!」
【4】「やめて!わしのために争わないで!」
ぎゃんかわとは、若者言葉で「とてもかわいい」という意味。
トークテーマは「ロマンスの日」です。
この日6月19日は「ロ(6)マンチ(1)ック(9)」の語呂合わせから、本当に大切な人と極上の1日を過ごす日とされているそう。
慶次「ほぉー!かような日に秀吉様と出陣できて、わしは幸せにございまする」
踊舞「いやいや、拙者の方が秀吉様を好いておりますよ!どの武将様よりも民を思ってくださりまする!」
慶次「わしも民のことを思うておるぞ!民の笑顔のために戦っておる!」
秀吉「やめてーっ!わしのために争わないでーっ!」(♪アイアイ)
良い演技は良い表情から
今度は、わざわざ慶次・踊舞から秀吉に寄せていきました。茶番に付き合うとはまさにこのこと。
しかし、相変わらずのわざとらしい演技に、踊舞が一案投じます。
「秀吉様、焦って汗もかいて表情も硬くなっておりますで、拙者がほぐして柔らかくして差し上げましょう」
ギュウゥゥゥゥ~ッ!
秀吉「痛ったぁーっ!バカ、痛い痛い!イタタタタタ!」
慶次「今、踊舞が秀吉様の頬をつねって、左右に引っ張って表情筋を鍛えておる!これによって深層筋(インナーマッスル)にまで行き渡るから、ほうれい線も無くなる!美容にも良いでな」
なんかそれっぽい解説をする慶次。「秀吉様、これで笑顔の魅力が増しております」
「まこと?」なんとなく納得する秀吉。
「脂汗がベッタベタで…」手ぬぐいで秀吉の顔汗を拭き取る踊舞。
うっかり失礼な言動をしたお詫びをしつつ、次のセリフを紹介します。
もう周りには合わせない!
【5】「初めて人を好きになりました。結婚します」
【6】「ポロリもあるよ」
補足ですが、【5】は、最近大舞台で結婚宣言した人のセリフですね。
トークテーマは「ボーナス」。戦国時代にはボーナスという考え方はあったのでしょうか?
慶次が話します。
「近いモノはあったわな。臨時の戦で功を立てれば、付加価値のある褒美をもらうということで。秀吉様はボーナスをもらったことはござりまするか?」
秀吉「おね、おね。ちょっと来やあ、こっちに。」
慶次「えっ?あの、ボーナスもらったことござりますか?」
秀吉「おね。わし、あのな…」
なんと、会話を放棄して、独り芝居を始めたではありませんか!
ちなみに「おね」とは、秀吉と恋愛結婚した正室です。
「ちょっと待ってくれ、おね。おぬしは、わしが見た中で一番美しい女子(おなご)じゃ。ここで宣言しよう。初めて人を好きになりました。結婚します。…ポロリもあるよ」
しーん。
ついに、ムリヤリ消化しにいってしまった秀吉。再び、踊舞に顔をグイングインつねられます。
もみほぐされ、老廃物が流れて小顔になり、滑舌もよくなった(かもしれない)秀吉。最後の挑戦です。
ぎゃんかわ秀吉に癒されます
【7】「じっちゃんの名にかけて」
「わしな、今朝、アゴが少し抜けそうになったんじゃ。これは誰の仕業かなと思い、布団から出て言ったんじゃ。じっちゃんの名にかけて!」(♪アイアイ)
金田一少年のような設定を作ろうとするも、うまく捉えられず。慶次が嘆きます。
「酷い…。後半からは会話じゃなく、秀吉様のただの独り言になっておりましたぞ!」
「そんなわしは、ぎゃんかわじゃなー!」(♪アイアイ)
ストーリーの収拾がつかなくなって、伏線の回収ができないまま最終回を迎える海外ドラマみたいな、強引な幕引き。
しかし、必死でセリフを使おうと汗ビッショリの姿は、確かにぎゃんかわな秀吉なのでした。
(岡戸孝宏)