名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

嗚呼、げに素晴らしき前田愛。

400年前より蘇りし戦国武将が、めくるめく現代の変化に適応していく姿を見届ける、歴史アドベンチャー番組。
今宵の“出陣”は、前田利家、前田慶次、陣笠隊の足軽・なつです。

前田慶次はかつての戦国時代、前田利久という武将の養子でした。
その利久の弟が、前田利家。つまり利家と慶次は、義理の叔父と甥。
今回お届けするのは、そんな関係をテーマにした企画です。

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おじきぃーッ!


映画『仁義なき戦い』のテーマ曲に乗せて、重厚な雰囲気で始まりました前田家共同企画『おじき!』。
慶次にとって利家は、尊敬すべき叔父貴。いつも「おじき」と呼んで慕っています。現世では木村拓哉が明石家さんまをこう呼んでますね。

慶次にとっての利家のように、尊敬すべき身近な人物や、頼りになる兄貴的存在をリスナーから矢文(メール)で募集。その“おじき指数”を慶次が判定していきます。
ちなみに利家本人のおじき指数は、100点満点とした場合どのくらいなのでしょう?当然100点だと思いきや、慶次の答えは「50点」。ひ、低い…。

「わしに憧れとるんではないのかぁーっ!」
すかさず“仁義なき戦いモード”に入り、すごんでみせる利家。
波乱万丈の幕開けです。

ジンタカモード炸裂


最初の矢文は主婦の方から。
「私にとってのおじきは、息子です。私の帰宅が遅くなる時はいつも夕食とお風呂の支度をしてくれます」

判定は、慶次が「おじき!」と叫ぶその言い方によって、おじき指数の違いを表していきます。(※指数といっても、途中から数字は言わなくなっちゃうので、言い方をご想像の上でお楽しみ下さい)

果たしてこの息子のおじき指数は…?
「おじきっ!」(元気のいい感じ)

点数にすれば70点と、なかなかの高得点。家族思いのところが、利家と相通ずるためと言う慶次。間接的におだてられた利家もご満悦。

続いての矢文です。
「私にとってのおじきは、美容師のお姉さんです。自分で切りすぎた前髪や、どうしてもハネてしまう部分を、いい感じに整えてくれます」

判定は…?
「おじき」(小さめの声)

イマイチ響かなかったようです。その理由は、
「我が叔父上は、そのように髪結い師などには頼らず、全部自分でやるんじゃ。何でもできる力量がござる。人に任す事をしない」

今度は思いっきりヨイショをする慶次。さぞかし利家も鼻高々だと思いきや…
利家「慶次ィィィィィーッ!!」

慶次「えええええーッ!?」

なんと、またもや仁義なき戦いモード、略してジンタカモードに突入したのです。その怒気はまるでスーパーサイヤ人のよう。今のどこに怒る要素があるのでしょう?

自慢大好き前田利家


「でたらめを言うでない!わしは大大名じゃよ。わざわざ自分でせんでも、周りが何でもやってくれるわ!おぬし、そこの贅沢な暮らしを見とらんからそういう事を言えるんじゃ。(自分でやっていた)若い頃の話はやめよ!無粋じゃ。晩年はな、わしが座っただけで何でも出てくる世の中になっとったんじゃ」

迫力あるドスの利いた声で言うので、なんとなく説得力があるように聞こえますが、ただの金持ち自慢ですね。こうして文字にしてみると、そのえげつなさが際立ちます。

そんな理不尽な逆ギレに対し慶次は「(贅沢ができたのは、当時の主君の)秀吉様のおかげ」とからかうのでした。

自慢の次は自虐


その後、「私の大事なものは、バリトンサックスです。とても大きい木管楽器で愛用している、友達のような存在です」という矢文にこう答える慶次。

「がっき!…これはおじきではなく、楽器ですぞ」
こういう変化球パターンもあるのですね。

そして最後の矢文。
「私のおじきは、会社のコーヒーマシンです。仕事で落ち込んだ時に、無料で温かいカフェラテをそっと提供してくれます」
これに慶次が出したおじき指数は、

「あずき!」

「小豆?珈琲豆じゃろ?」怪訝そうに聞く利家。

「え?小豆を入れるのではないのですか?」



利家、ジンタカモード、スイッチオン!
「わしら、現世に蘇って8年経つんじゃぞ!いい加減、現世の仕組みに慣れよ!珈琲豆知っとるじゃろ?大体、お前の目の前におるわしが、珈琲豆のような顔しとるじゃろ!」

前田利家は戦国時代、容姿端麗で色白だったと言われています。しかし、現世に蘇った利家は、400年の歳月の間に体質の変化があったのでしょうか。顔認証カメラが認識できないほど、色黒なのです。まさしく珈琲豆です。

「小豆は黒さに赤みがかかっとるから、わしがちょっと恥ずかしがってる顔みたいになっとる…ってやめよ!言わせるな!」
つい自虐ネタに走ってしまう利家なのでした。

ちなみに、名古屋が本拠地のコメダ珈琲店では、コーヒーに小倉あんを入れた『小豆小町』というメニューがあります。ちょっと惜しかったですね。

からかい上手とイジられ上手


このコーナーでは、利家の尊敬すべきエピソードを、慶次が紹介するというシメ方になっています。

1570年、石山本願寺との間に起こった、淀川近辺での『春日井堤(かすがいつつみ)の戦い』。そこで利家は、味方を逃がすためひとりで堤に留まり、300人もの敵を倒したと話します。その勇姿は“堤の上の槍”と称えられました。

マンガや小説で見かける「ここは俺に任せてお前たちは先に行け!(キリッ)」状態ですよ。かっこいいですね。

ただここで、300人という法外な数字に疑問を抱く慶次。熱血硬派くにおくんでも一度に相手にできないレベル。問い詰められた利家は答えます。
「戦ってる最中にいちいち相手の数など確認はできん。300人くらいに見えたんじゃ」

それを聞いて慶次、嬉々として足軽・なつに話しかけます。



「なつ、知っておるか?臆病者は、相手の数が多くみえるんじゃよ。実際は30人くらいじゃな!」

「おい!それは信長様のお言葉ではないか!」

“臆病者の目には、敵は常に大軍に見える”
織田信長の残した名言で、からかう慶次。

そして、からかわれながらも、怨恨を残さず受け入れてしまう利家。

いい具合にボケとツッコミが機能した、素敵な関係ではないでしょうか。
慶次の利家に対する思いは、尊敬とかいう堅苦しい言葉より、この言葉がピッタリです。

「だぁいすき!」
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2017年04月24日21時41分~抜粋

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