はるか400年前より現代に蘇った戦国武将が、ラジオでおしゃべりの戦いを繰り広げるという、時代錯誤を楽しむ番組。本日の“出陣”は、徳川家康、加藤清正、陣笠隊の足軽・一之助です。
名物企画として、現代の言葉を戦国時代っぽく変える『武士語変換』というコーナーがあります。毎回一つのお題に対して、出演者の3名がそれぞれ独自の武士語に変換。その中でどれがMBG(最も素晴らしい・武士・語)にふさわしいのかを、リスナーからの投票で選ぶのです。
例えば、「コンパ」なら「出会い茶会」、「クールビズ」なら「ふんどし一丁」。最近名古屋にオープンした「レゴランド」なら「築城遊戯国」という具合に。築城は石垣をレゴブロックのように積み上げていくもの。そして武将隊ではディズニーランドを「ねずみ遊戯国」と呼んでいるため、この言葉となりました。
しかし今回は、ちょっと趣向が変わります。
戦国武将のプロポーズ大作戦
武士プロポーズ変換
前日、お笑いコンビのアンジャッシュ・渡部建が、女優の佐々木希との結婚を発表しました。その際、大きく話題になったのが渡部のプロポーズの言葉。
「必ず長生きしますので、結婚してください」
渡部が15歳年上のため、このような言葉になったそうです。
いつもなら、このセリフか、プロポーズという言葉自体を変換していくのですが、今回は“戦国時代っぽいプロポーズのセリフ”を考えようということになりました。
3名それぞれがひねり出した求婚に対し、どれが一番キュンときたかをリスナーが投票。見事1位に選ばれたセリフは『MVP』(最も・素晴らしい・プロポーズ)となるのです。
MBGのムリヤリ感に比べたら、はるかにしっくりくる称号ですね。
愛の告白も三者三様
まずは一之助が先陣を切ります。
「わしは祭りが大好きじゃ。おぬしと全国津々浦々のお祭りを巡りたい。わしに輿入れ(こしいれ)してくれんかの」
輿とは、人を乗せて人力で持ち上げる乗り物のこと。祭りで使う神輿(みこし)もその一種です。昔は嫁を乗せた輿を、婿の家に担ぎ入れたので、嫁入りのことを輿入れと言います。お祭り大好きを公言する一之助らしいプロポーズですね。
ただ彼は以前、「嫁や子どもを放ったらかしてでも祭りに行く」と発言しているので、このプロポーズを真に受けても大丈夫なのか、不安は残りますが…。
続いては清正が発表します。
「わしがそばにいて心の支えになろう。嬉しい時、悲しい時、全ての時を共に過ごしたい。この槍にておぬしを守ると約束する。じゃから、わしの妻になってくれ」
思わず耳が真っ赤になる清正。かなりの照れ屋さんのようです。
最後は家康がトリを務めます。
「関ヶ原より帰ったれば、必ずおぬしを迎えにいく。共に老いるまで、いようぞ」
大きな勝負に勝って、結果を出してからプロポーズするのが、男の美学であると。格好いいですね。
ひとつ間違えれば「俺、この戦いが終わったら、彼女と結婚するんだ…」という、死亡フラグが立ちそうですが、家康はその後きっちり天下を取っていますから。そんなのは関係ないのでしょう。
ただ、関ヶ原の戦いの時には家康は57歳。「もっと若いうちにプロポーズしてほしい」という、リスナーからの声が聞こえてきそうですが、これはあくまでも家康テイストで戦国時代っぽく言い換えただけの言葉遊び。素直にキュンキュンしたほうが得ですよ。
ちなみに、実際に家康が正室の築山殿と結婚したのは14歳の頃と言われています。
清正のおでこはラジエーター
こうして3つ揃ったところで、各自のセリフを再び読み上げる展開に。ここで清正が「二度言わせるな」と照れくさそうにつぶやいたのが、リスナーの乙女心をくすぐったのでしょうか。番組エンディングで発表された投票結果はこうなりました。
家康:94票
清正:150票
一之助:38票
栄冠の座を勝ち取ったのを受けて、またまたプロポーズを言わされる清正。
耳どころか体中がほてって真っ赤です。罰ゲームかと思えるくらい。
頭にかぶった烏帽子(えぼし)が後方にどんどんズレていく清正。体表面を広げることにより、放熱・冷却を促すんですね。おでこがラジエーターだという、清正の生態がよくわかる放送でした。
(岡戸孝宏)
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