400年前より蘇りし戦国武将が、文明の利器・ラジオでおしゃべりする、ファンタジーに満ち溢れた番組。
今回の布陣(出演メンバー)は、徳川家康、加藤清正、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)です。
さて、この日は『伝令合わせ』という新企画が行なわれました。
伝令と言っても、監督の指示を伝えるためにベンチからマウンドへ駆け寄ってくる、高校野球のアレではありません。
戦国時代、戦場での情報を大将に報告する、大切な役割のこと。
この伝令に対し、大将がいかに冷静かつ的確な対応をするかによって、戦局はガラッと変わります。
もちろん、戦国時代にその名を馳せた家康と清正なら、どんなに珍妙な伝令であっても、うろたえず善処することでしょう。
ムチャブリ伝令を切り返す
そこで、この企画ではまず、「誰が」「どこで」「何をした」という3種類の札(カード)を用意。
それらが積まれた3つのカードの山から、1枚ずつ無作為に引き、組み合わせてひとつの文を作ります。これを伝令文とします。
いわゆる“5W1Hゲーム”という言葉遊びを取り入れているのですね。
当然「お尻ふりふり小僧が」「南極で」「ゴジラを倒しました」という訳の分からない電波系の文もできあがってしまいます。
さあ、はたしてどんな見事な返しを聞かせてくれるのでしょう。
「今川軍が」「浜辺で」「カニを食べながらマシンガントークを繰り広げておりまする!」
「信長さまが」「スケートリンクで」「マヨネーズを直飲みしておりまする!」
こんなムチャブリ伝令に対し、即座に的確な采配を振る家康。
さすが、天下を取ったのがうなずける鮮やかさです。
しかしその一方。
シュールをシュールで潰す
「マイケル・ジャクソンが」「家電量販店のテレビ売り場で」「祝い酒を振舞っておりまする!」
これに対し、清正がこう答えます。
「ようし、一緒にムーンウォークじゃ!ポーゥ!」
時が止まるスタジオ内。
どうやら清正、企画の趣旨を理解してないようです。自分がマイケルになったつもりで言ってしまったのでした。
反省したかと思いきや、更に、
「前田慶次様が」「夕暮れの街角で」「ネイルサロンを開業しました!」
これにも
「ようし、ツケは全部、前田利家様じゃ!」
と答えます。
前田利家と前田慶次は、叔父と甥との関係です。
「叔父である利家に料金を払わせるから、どんどん店に来て繁盛させてくれ」という慶次目線での発言。
またもや、登場人物に成り代わってしまう清正なのでした。
カンフー映画を観た後に、自分が強くなった気になってしまうタイプですね。
肥後国を発展させ、今では熊本の英雄と呼ばれている清正ですから、戦国時代ではきっとこんなボケはかまさなかったと、現世の平和を謳歌しているのだなと、ここは信じてあげるべきではないでしょうか。
(岡戸孝宏)
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