招き猫にご利益がある理由

丹野みどりのよりどりっ! / カルチャー

家の棚に招き猫が昔から飾ってあるというAさん。
そんな招き猫を見ていてAさんは、ふとこんなことを思ったそうです。

「どうして手招きしている『猫』にご利益があるの?」

ということで12月25日の『丹野みどりのよりどりっ!』では、招き猫についてのキニナルを調査しました。

今回の回答者

「どうして招き猫にはご利益があるの?」というキニナルについて、招き猫ミュージアム 学芸員の井上美香さんにお答えいただきました。

招き猫ミュージアムは、招き猫愛好家が集まる「日本招猫倶楽部」という組織の世話役をつとめる板東寛司・荒川千尋夫妻の個人コレクション数千点を展示する、日本最大の招き猫専門博物館です。

もともとは群馬県吾妻郡嬬恋村にあったのですが、1996年から「来る福招き猫まつりin瀬戸」の開催に取り組んできた愛知県瀬戸市に2005年3月に移転されました。
 

招き猫にご利益がある理由

早速、どうして招き猫にご利益があるのか伺ってみました。

井上さん「中国の唐の時代の文献に、猫が顔を洗うポーズが『客を招く』という記載が残っています。その顔を洗うポーズが転じて、猫が手を挙げてまるで招いているようなポーズにご利益があるとされ、現在の招き猫の形になったとされています」

丹野「もともとは顔を洗うポーズだったわけですね!」

顔を洗う姿が転じて、今の形になったというのは面白い話ですね。
 

挙げている手の違い

招き猫をよく見ると、挙げている手が異なっています。どんな違いがあるのか聞いてみました。

井上さん「左手は人を招き、右手はお金を招くとされています。
招き猫ができた当初は左手を挙げている猫が主流でしたが、徐々に右手を挙げている招き猫が増えていきました。

当時の商人は和服を着ており、左手の袂(たもと)にお金を入れ、右手でそのお金を数えていたことから、右手=お金となりました。そして、人がもっとお店に来れば福になるということで、左手=人となりました」

丹野「右利きの人にとっては、右手でお金を数えて、左手の袂に入れたくなりますもんね」

井上さん「最近では、一挙両得ということで両手を挙げているものもありますよ!」

丹野「確かにありますね!バンザイしている招き猫をよく見かけます」

実は手によって違うご利益があるということで、挙げている手を確認して買わないといけませんね。
 

招き猫の歴史

招き猫はどこでいつからできたのか伺ってみました。

井上さん「江戸後期に江戸の街中でできたとされています。江戸の中でも浅草界隈で生まれたという話もありますし、世田谷区の豪徳寺が発祥なのではないかという説もあります。ちなみに、豪徳寺には右手を上げている招き猫が多いです。

歴史をたどると、もともと招き猫は低温で焼かれた土人形や、土を固めて色をつけたものが多く、当時も縁起物として販売されていました。

明治30年ごろに京都の伏見稲荷の門前で商売をしていた人が招き猫を大量に必要とし、その際にあたったのが愛知県瀬戸市で、それがきっかけで瀬戸市は日本で最初に招き猫を大量生産した産地となりました。
その50年後、戦後になって愛知県常滑市で小判を持った招き猫が作られるようになりました」

丹野「小判を持っている招き猫は常滑が発祥なんですね!」

井上さん「そうなんです。現在でも瀬戸市、常滑市、石川県南部が招き猫の主な産地ではありますが、日本各地の陶磁器の産地や海外でも招き猫は作られていますし、最近では"キャットアーティスト"という招き猫を芸術品として制作している人もいます」

日本生まれのものだったわけですね。また、キャットアーティストという方がいらっしゃるというのは、驚きでした。
 

招き猫の種類や色

挙げている手だけでなく、色や形などにも違いがあるのか伺ってみました。

井上さん「もともと招き猫は白色が多かったのですが、その白地に装飾をしたり、絵を書いたものも昔から多くありました。

瀬戸市だと『染付』という白地に青のデザインを施す技術があり、そのデザインのものもあります。
常滑で生まれた、小判を持った招き猫は黒と茶色の楕円形の柄が重なった三毛猫が多いですし、他にも『魔よけ』の意味合いがある黒色の黒猫、『病よけ』の意味合いがある赤色の猫もいました。

最近では、風水占いのブームでピンクやみどり、黄色、青、金色といった招き猫もおり、模様や色によってもそれぞれの招き猫のご利益は異なっています」

受けたいご利益によって招き猫は選ぶべし、ということですね。
新しい1年が始まるこの時期に、福を呼ぶために招き猫を飾ってみるのも良いかもしれません。
(おきな)
 

 
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2018年12月25日16時38分~抜粋

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