丹野みどりのよりどりっ!

クリスマスにもお正月にも大活躍!「のし鶏」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

12月のテーマは「一挙両得!冬のおもてなし料理」。
今回は、「のし鶏」です。

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鶏の和風ハンバーグ

「“のし鶏”と聞いて、私は思い浮かびませんが」

丹野みどりと同じように、首をかしげたリスナーも多いでしょう。
いったいどんなメニューなのでしょうか?

「あのね、和風ハンバーグみたいなものと思ってください」

挽肉をすりつぶして、オーブンで焼いたり蒸したりします。
とっても簡単で、いろんな場面で使えます。
重宝すること間違いなし。
さっそく作り方です。

分量は4人でも6人でも食べられる量です。
鶏の挽肉を700g。たっぷり使います。
というのも、今回は焼くときに、12cm角くらいの正方形のケースに入れて焼くからです。
部位は胸がいいでしょう。さっぱりと食べられます。

ほかに用意するのは、小さめの卵を2個。
砂糖を大さじ4~6、うすくち醤油も大さじ4~6。
この幅の理由はのちほどご紹介いたしましょう。
みりんを大さじ2。
材料は、これだけです。

「で、ちょっとヒントがあって」

よくハンバーグを焼くと、お肉が小さく縮んでしまうこと、ありませんか?
生のお肉を焼くと、どうしても縮んでしまいますが、今回はきれいな正方形に焼き上げたい!
さて、どうしたらよいのでしょうか?

「半分を空炒りするの。先に」
 

半炒り半生

「これ、ちょっとテクニックです」

何も引かないフライパンに、挽肉を半分だけ入れて、空炒りして火を通します。
その挽肉と、生の挽肉を合わせて、調理するのです。

火を通せば、油が出るし、かさも減ります。
ただし、全部のお肉に火を通してしまうと、パサついてしまいます。
そこで、生のお肉と火の通ったお肉をドッキングしてから、あらためてオーブンで焼くことで、しっとり感もありつつ、目減りせずにキチッとした正方形に焼くことができます。
しかも、半分火が通っているので、早く焼けます。

そうして、挽肉の半分を空炒りしました。

「そして、やっぱし私、お正月とかおもてなしのときは、すり鉢を使いたくなるもんで」
「ま、私はあんまりすり鉢は使いたくなりませんけどね」

攻防を繰り広げる関先生と丹野みどり。
そういえば、この構図、昨年「七福なます」を教わったときを思い出します。
“する”のではなく、“あたる”と言うと縁起がいいとか。

すり鉢に、生の鶏挽肉と空炒りした挽肉、それに、卵や砂糖、うすくち醤油、みりんを入れて、ゴリゴリゴリゴリよくすり合わせます。
それをアルミの四角いケースに入れて焼き上げます。
そんなケースなんて持ってないわ、という方は、百均でパウンドケーキ型などを買ってきてください。
焼き型にお肉を詰めたら、200℃のオーブンで20分。
放っておけば、完成です。

「忙しい時ってね、ガス台だけを使うんじゃなくて、オーブンを使うと、1時間に2品もできちゃうじゃないですか」

オーブン料理をひとつでも覚えれば、ぐっと時短に繋がりますよ。
 

お正月にも、クリスマスにも

出来上がった、のし鶏。
そのまま切って食べても、もちろんおいしいのですが、せっかくなら盛り付けも工夫してみましょう。

「お正月バージョンにしたい時は、市松柄にするんです」

市松柄といえば、正方形が交互にずらっと並んだ模様です。
これをお料理で作ろうとすると、かなり大変な作業になる気がしますが、関先生の市松柄ならあっという間にできてしまいます。

色違いを作るために、上から青のりと芥子の実を振りかけます。
正方形になるように振りかけるのではありません。
それぞれ一直線になるように振りかければいいんです。

「切って交互に置いてけば、誰だって市松柄になるんです」
「確かに!」

他にも正月バージョンの盛り付け方として、羽子板の形に切るというのも、いいですね。

それでは、これをクリスマスバージョンにするには?

「ランダムに切ってもらっていいわけ。で、リースみたいに置く」

その周りに、緑のレタスやキュウリを散りばめて、トマトを飾り付ければ、赤白緑のクリスマスカラーに。

「器の盛り方次第で、和風にも洋風にもなるということですね!」

驚くのはまだ早いです、丹野さん。

先に砂糖と醤油の分量を、大さじ4~6とぼかした言い方をしましたよね?

実は、クリスマス用に作るときには、砂糖と醤油は少なめの大さじ4と4。
お正月用に作る時には、濃い目の大さじ6・6で作ります。

というのも、クリスマス料理はいっぺんに食べきってしまうことが多いので、薄味に。
逆にお正月は三が日、ちょっとずつちょっとずつ残しながら食べていくので、日持ちもするように濃い味にします。

「でも、これ、元は一緒の料理」

クリスマスにもお正月にも使える。一挙両得でしょ?
 

ふわっと、しっとり

それでは、気になるお味。

箸で掴むと、そのふわっとした感触にまず驚きます。
鶏の挽肉を焼き固めたもの。非常に淡い白っぽいハンバーグのような感じになっています。

「これくらい薄い色のほうが、いろんなお料理にアレンジできるんですよ」

満を持して、いただきます。

「おいしいっ!」

三色丼の鶏そぼろのような、甘じょっぱい味。
うすくち醤油なので、黒々とすることなく、お味はしっかり付いています。

火が通っているのに、非常にしっとりとしていて、ほろほろと崩れる感じ。
しかしながらお肉のうまみ、存在感はしっかり主張しています。

「すり鉢ですね」

半炒り半生を合わせているから、オーブンでたった20分で焼きあがります。
焼き過ぎないから、ふわっとしっとり食感のお肉になります。

「最初の一手間が最後に効いてくるんですね!」

クリスマスにも、お正月にも、もちろん普段の夕食でも使える“おいしい”メニュー。
ぜひお試しあれ。
 

材料とレシピ

【材料】4~6人分

・鶏ひき肉(胸)700g
・卵(小)2個
 A・砂糖 大さじ4(お正月:大さじ6)
  ・淡口醤油 大さじ4(お正月:大さじ6)
  ・みりん 大さじ2

・アルミホイル
 ・油

 *盛り付け用
・レタス
 ・キュウリ
 ・ミニトマト 
  など

*お正月用の場合
・芥子の実
・青のりの粉

【作り方】
①鶏の胸ひき肉700gのうち、半分だけを何も引いていないフライパンに入れて、空炒りする。
②空炒りした挽肉と生の挽肉をすり鉢に入れ、小さめの卵2個をとき、2~3回に分けて加える。さらにすりまぜ、砂糖大さじ4~6、淡口醤油大さじ4~6、みりん大さじ2を入れてすり合わせる。
③12cm角の四角いアルミケース、又は百均のパウンドケーキケースを用意する。なければアルミホイルを2枚重ねボックスを作る。内側に油をうすく塗り、肉を入れる。
④200℃のオーブンで20分焼いて出来上がり。
⑤焼きあがった鶏肉は冷まし食べやすい大きさに切り分ける。
⑥クリスマス用には、焼きあがった鶏肉をランダムに切り分けリースの輪を作るように皿に盛りつける。周りをレタスやキュウリで飾り、ミニトマトを乗せる。
お正月用には、羽子板の形に切って手で持つための棒を差したり、半分に青のり、もう半分に芥子の実を直線状に上から振りかける。切り分けて交互に並べ替えることで市松柄に見せる。
(榊原)
 
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年12月06日16時37分~抜粋

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