木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。
10月のテーマは「新米をおいしくいただくおかずたち」。
今回は「イカ団子」です。
手間なし美味しいロールイカ
肉団子、は肉を丸めたもの。
ということは、イカ団子、はイカを丸めたもの!
「でもイカっていうのは、スルメイカを買ってくると、皮を剥いたり大変じゃないですか」
関先生、よくご存知で。
イカって調理の下ごしらえがすごいハードルなんですよね。
「でもそれをちょっと置いておいて、今日は冷凍のロールイカを買ってください!」
白い部分だけがくるっと巻いて売られている冷凍ロールイカ。
これでわずらわしい下ごしらえの手間が省けます。
ロールイカの皮も気になる人は取ってください。
ついていていい人はそのまま、細かく叩いてミンチにします。
「先週は絶対に包丁を使って、と言いましたが」
思い出す長いもそうめん。
手で切らないとおいしくならないのでしたよね。
「イカ団子は、フードプロセッサーでジャッとかけていただいて、大丈夫」
そこも手間を省いていいなんて、忙しい主婦にぴったり!と目を輝かせる丹野みどり。
「でもやっぱり包丁はなんでもおいしくなるので、トントントーンと叩いて」
あくまでも包丁推しの関先生です。
普段の料理に慈姑を加えて
ミンチにしたイカができました。
「ちょっと変わったものを加えるんですよ」
関先生が取り出したのは、真っ白でころんとした小さな塊。
「くわいって言ってね、お正月料理に入っている」
炊き合わせとか、煮物とかにしてありますよね。
ちょっとシャリッとした独特の歯触りのお野菜。
苦を食わない、という意味からお正月料理によく使われるのですが、普段の料理でも勿論おいしくいただけます。
「中国の水煮缶というのはね、シャキシャキしておいしいんですよ」
皮が剥かれた状態で、缶に入ったくわい。
生食ではなく、加熱して使いましょう。
スライスして野菜炒めにすると、シャキシャキ食感がたまりません。
「でもやっぱし無いわ、とおっしゃれば、そこの部分をレンコンとかトウモロコシとか、そんなものに替えていただいて大丈夫」
レンコンのシャリッとした歯応えは、くわいと似ていますね。
イカから食感を変える一工夫として、何かプラスαしましょう。
粗みじんにして、ミンチにしたイカとよーく混ぜます。
団子と衣
つなぎに片栗粉を混ぜたら、お団子に丸めていきます。
ピンポン玉かゴルフボールくらいの大きさがいいでしょう。
ネバネバしてくるので、手に薄く水をつけると良いですよ。
「そのまま揚げると、パラパラっとするので、衣をつけるんです」
一口に衣といいますが、美味しい料理にするために、見た目にも一工夫いたしましょう。
せっかく白いイカで作っていますから、衣も白く仕上げたいものです。
ということで、卵を全卵ではなく、卵白のみで衣を作ります。
卵白をパパパッとほぐしたところに、片栗粉とお水をちょこっと混ぜます。
その衣にイカ団子をさっとくぐらせたら、油の中に落として、3,4分揚げるだけ。
これでイカ団子の完成です。
これだけでも勿論おいしいのですが、香味野菜で味付けしていきましょう。
今回は、ニンニクとショウガと赤唐辛子。
ピーマンとパプリカも細く切りましょう。
そして、野菜だけでなく、問題はタレ。
淡口醤油とお砂糖、みりんとお水。
イカのキレイさを保つために、色が薄い淡口醤油です。
「イカに何の味もついてないから、表面においしい味が絡まないといけない」
「そうですね。今回下味をつけていませんからね」
下味を付けるという一工程が減っているので、忙しい主婦丹野みどりには嬉しいポイントですが、味が薄くては残念ですよね。
「だから、そういう意味合いで、淡口醤油の持ってるよさがあるじゃないですか」
うすくち醤油には、昆布の旨み、甘酒の甘み、それらがぎっしり詰まっています。
そういうのを絡める意味合いで淡口醤油を使えば
「なんかイカも活かされてる感じ」
白っぽさも保ったままですね。
最後の一仕上げ
イカ団子が揚がっていれば、あとはとっても簡単です。
油大さじ半分を熱して、香味野菜を炒めます。
いい香りがしてきたら、タレを入れて、ジャージャージャージャーと30秒。
艶が出てきたら、揚げたイカを絡めます。
切っておいたパプリカとピーマンもササッと絡めて、出来上がりです。
「団子を作る時が大変かもしれないですけれども、本当にさっぱりとして、とてもおいしいイカ団子ができるんですよ」
作り方をざっくりまとめれば、揚げておいてマリネにする感じ。
イカ団子を揚げてさえおけば、食べる人の顔を見てから最後の仕上げをすれば良い。
熱々出来立てもおいしいですが、冷めてもおいしい。
「いま目の前にありますが、先生、カラフル」
色も形も食欲をそそります。
イカ団子のゴツゴツ感がたまりません。
赤と黄色のパプリカに緑のピーマン。
それらがタレと見事に絡まっています。
イカ団子と野菜を一緒にいただく丹野みどり。
「何から言おう、先生」
「みんなおいしいでしょ?表面のタレから順番に言って!」
おいしい、と息を漏らして、そのまま固まる丹野みどり。
筆舌尽くし難し、とはこのことでしょうか。
調和の取れたタレの味。
それが油で炒めた野菜と絡み、しっかりなじんでいる。
そして主役のイカ団子。
薄くついた衣が、天ぷらや唐揚のような、衣衣した感じではなく、ふにゃーっと覆った感じ。
それがよくタレを絡めていて、下味をつけていないイカ団子にしっかりと味が絡む。
味が絡んでいることはもちろん、食べ応えも食感も非常においしい。
「このイカ団子、中にイカだけじゃなく入れるべきです」
ちょっぴり手間はかかるかもしれない。
けれどもぜひとも作っていただきたい一品です。
材料とレシピ
【材料】4人分
・冷凍ロールイカ 400g
・くわい(水煮) 100g
・片栗粉 大さじ2~
衣
・卵白 1個分
・片栗粉 大さじ2~
・水 大さじ1
・揚げ油
・油 大さじ1/2
香味野菜
・ニンニク(みじん切り)大さじ1/2
・ショウガ(みじん切り)大さじ1/3
・赤唐辛子(小口切り)1/2本
・ピーマン 1個
・パプリカ(赤) 1/2個
・パプリカ(黄) 1/2個
タレ
・淡口醤油 大さじ1・1/2
・砂糖 大さじ1
・みりん 大さじ1
・水 大さじ1
【 作り方 】
①調理がしやすい冷凍ロールイカ400gを用意する。皮が気になる人は取る。包丁で粘りが出るまで細かく叩いてミンチにする。
②シャキシャキの食感を出すために、水煮のくわいを粗みじんにする。ミンチにしたイカとくわい、つなぎに片栗粉を入れよく混ぜあわせ、20個ぐらいの団子を作る。
③そのまま揚げると油の中でバラけるので衣をつける。衣は卵白に片栗粉と水を加えてよく混ぜる。170℃の油で3~4分かけて揚げる。
④ピーマン、パプリカは細長く切る。タレの材料を合わせておく。
⑤フライパンに油大さじ1/2を熱し、香味野菜のニンニクのみじん切り、ショウガのみじん切り、赤唐辛子を入れて香りを出す。香りがしてきたら、混ぜたタレを加えて30秒ほど煮詰める。つやが出てきたら、揚げておいたイカ団子、ピーマンとパプリカの細切りを加えてさっと炒めてできあがり!
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年10月11日16時32分~抜粋