丹野みどりのよりどりっ!

秋にぴったり!夏の名残は要りません「長いもそうめん」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

10月のテーマは「新米をおいしくいただくおかずたち」。
今回は「長いもそうめん」です。

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「そうめん」は要らない!

「ちょっと涼しくなってきましたから、『そうめん』と言うと、おっ、となるかもしれませんけど」
「完全に『おっ』ですよ」

丹野みどりの言うとおり、秋も中盤に、そうめん?と耳を疑いたくなります。

しかし、先生に今回紹介していただくのは、そうめんはそうめんでも「長いも」そうめん。

「そうめんって1.3mm未満の太さでしょ。そのように長いもを切るんです」

つまり、麺の「そうめん」を使うわけではなく、「長いも」を使った料理ということですね。

「先生、ちょっと待って。私、長いもって拍子切りくらい。それでもツルンツルンとぬめって滑って危ないですよ!」

長いも独特の粘り気は、調理面ではちょっと厄介者。

「でも、それを頑張って頑張って包丁で切ると、本当に本当においしい長いものそうめんができるんです」

この料理のメインは、長いもを切ること。
逆に、長いもさえ切れてしまえば、あとはとっても簡単です。
だって、そうめんつゆを作ってかけるだけ、ですから。

それではさっそく、長いもの買い物から。
選ぶのは、真ん中のあたりでカットしてあるもの。
長さは7~8cmのものがちょうどよいでしょう。

皮を剥いたら縦長に、薄ーく薄ーく薄ーく。重ねて、細ーく細ーく細ーく切ってください。

たった、それだけ。です。

仕上げは包丁!だけど

それだけ、とはいえ、長いもを切った経験のある方なら誰でも思うでしょう。

そんな簡単なことではない。

だってめちゃめちゃぬるぬるして、つるっと滑りますから。
ゆっくり、ゆっくり、慎重に切ったとして、うまく切れるかどうか。

「お助け、があるんです」

先に言ってくださいよ!関先生!
なんて言いたくなる気持ちを抑えまして。その秘密道具とは?

「スライサーで、スーッとまず、平たくね。削ったのを重ねて、最後だけは包丁で切ってほしいの」

ワンステップはお助けを借りて、最後の細切りだけ包丁。
ただし、全部スライサー任せにすると、味や食感が違ってしまいます。
仕上げの包丁が、おいしさを握る鍵になります。

さて、切った長いもは、そのままお椀に盛り付けましょう。
長いもは生で食べる物ですからね。
あとは、そうめんつゆを作るだけです。

まずは、みりんをお鍋に入れます。
「みなさん、煮切りみりん、という言葉はだいぶお耳に慣れたと思いますが」
グツグツグツっとやって、アルコール分を飛ばしましょう。

そうしたら、淡口醤油を大さじ4、水を1と1/2カップ、削り節を15g入れて、ちょっとお砂糖を小さじ1杯ほど足します。
1回ふわーっとやったら火を止めて、冷めたら漉します。

「これからちょっと季節が寒くなってくるから、にゅうめんみたいに熱くてもいいんですが」

あんまり熱いと、長いもそうめんのシャキシャキとした歯応えが無くなってしまいます。

「私的には冷ましたほうがいいですが、熱いのをすぐ食べるのであれば、それも良しかなと思います」

冷ます、といっても、冷蔵庫でキンキンに冷やすのではなく、常温くらいで十分な喉越しとおいしさでしたよ。
あ、丹野さんの試食の前に。フライングでしたね。

トロトロ!ツルツル!シャキシャキ!

さあ、そうめんといえば、薬味ですね。
たっぷりかけて味わってください。

「ネギとか、私ミョウガが大好き。あとは、ワサビ派ね。海苔とか胡麻とかをかけて、つるつるつるーと食べる」

関先生の好みに従っても良し、各ご家庭のそうめんの味付けに従っても良し。
お椀に盛った長いもに、つゆを張って、お好みの薬味を乗せていただきましょう。

「ぱっと見、おそうめんなのかな?と思いますね」

器の中のおつゆに沈む、真っ白な細い線。薬味も浮いて、見た目は完全なるそうめんです。
ところが、箸を入れると全然違う。

「とろーん、つるーんと、おくらのような粘りが出ています」

めんつゆ自体もとろっとろ。
一口啜ると、ズルッズルルッと小気味のいい音。
そして、後から続く、シャキシャキシャキシャキ。

「んー!おいしい!」
「私、大好きなメニューなんです」

関先生お気に入りのレシピ。
丹野みどりは「なにこれ⁉︎」を連発します。

実は内心、ただ長いもを切っただけでしょ、なんて今日のメニューを聞いたときには思っていました。

「なにこれ、めちゃおいしいじゃないですか!」

上等なそうめんの感じ。
量増しに、本物のそうめんを入れても良いそうですが。

「あー、いらない」

言い切る丹野みどりに、思わず笑顔になる関先生。

「これをいただきますと、がんばって切らなきゃいけないなと思いますね」

そして、この長いもそうめんを引き立てるのは、おつゆです。

「今回、出汁としては、削り節だけ、ですよね」

念押しして確認する丹野みどりに、大きくうなずく関先生。
削り節の一種類だけで味深く仕上がるのは、淡口醤油がなせる業。
淡口醤油が出汁の味を引き立ててわかりやすくするからですね。

薬味が交じり合い、長いものとろみが出たそうめんつゆは、そのまま捨てるのはもったいないくらいおいしい。
じつは、お湯で割って、蕎麦湯のような要領で飲んでみたのですが、美味しさがギュッと詰まってこれまたおいしいのなんの。

そんなつゆもおいしいのですが
「今回は、長いもに力を入れてみてください。いつも頂くそうめんとはまったく違うおいしさですから」

包丁捌きには十分お気をつけていただいて、ぜひ関先生絶賛の味、お試しください。

材料とレシピ

【材料】4人分

・長いも 7㎝長さ(300g)

そうめんつゆ
・みりん 大さじ5
・淡口醤油 大さじ4
・水 1 ・1/2カップ
・削り節 15g
・砂糖 小さじ1

薬味
・薬味ネギ 小口切り
・みょうが 細切り
・糸のり
・すり胡麻
・練わさび
・七味唐辛子
 など…

【作り方】

①そうめんつゆを作る。みりんを弱火で煮立て、アルコール分を飛ばし煮切りみりんを作る。そこに淡口醤油大さじ4と水1と1/2、削り節15g、砂糖小さじ1を入れ一煮立ちさせ火を止める。冷めたら漉して、冷やしておく。
②長いもは、カットして売られている真ん中あたりの部分で長さ7~8㎝のものを選ぶ。そうめん(1.3㎜未満の太さ)のように細く包丁で切る。
③切り終えた長いもは、器に4等分して盛り付ける。好みの薬味、ネギ、みょうが、わさび、刻み海苔、胡麻などを乗せて、そうめんつゆをかけて出来上がり。
(ディレクター榊原)
 
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年10月04日16時37分~抜粋

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