海の魚が塩辛くない理由

丹野みどりのよりどりっ! / カルチャー

魚釣りが趣味だというAさんは、いつも近くの海まで行って魚釣りを楽しんでいるそうです。先日も釣りをしていたときAさんですが、ふとこんな疑問が浮かびました。

「どうして塩辛い海水の中で生活している海の魚は塩辛くないの?」

ということで9月25日の『丹野みどりのよりどりっ!』では、「海の魚」についてのキニナルを調査しました。

今回の回答者

「海の魚はどうして塩辛くないの?」というキニナルについて、南知多ビーチランドの廣田大輔さんにお答えいただきました。

愛知県知多郡美浜町にある南知多ビーチランドは、イルカやアシカ・ペンギンなどの各種海の生き物を展示し、動物達とのふれあいをメインとした、見て触れられる水族館です。
施設内にはおもちゃで遊べるパビリオンや遊園地もあり、こどもから大人まで一日中楽しめます。

今回お答えいただいた廣田さんは、現在魚類の飼育管理をしておられ、過去にはイルカショーやラッコ、アザラシ等の飼育担当もされていました。

海水が塩辛い理由

まずは今回の質問に行く前に、そもそもどうして海水が塩辛いのか聞いてみました。

廣田さん「塩素とナトリウムが関係しています。海水には様々な成分が含まれていますが、大部分を占めるのが塩素とナトリウムです。
何十億年も前のお話になってしまいますが、原始地球に降り注いだ雨の中に塩の元となる成分=塩素が含まれており、岩石の中にも塩の元=ナトリウムがあり、降り注いだ雨によって溶け出して、海水ができたという説があります」

海水が塩辛いのは、何十億年も昔に起源があったわけですね。陸と海の割合は約3:7と言われていますので、地球上には大量の塩素とナトリウムがあることになります。

海の魚が塩辛くない理由

では、今回の本題「海の魚はどうして塩辛くないの?」について尋ねました。
 
廣田さん「身体に入った塩分を排出する機能があるからです。人間を含め、ほとんどの生き物の体内塩分濃度はおおよそ1%、この濃度でないと細胞がちゃんと活動することができません。

海の魚たちは、塩分濃度3.3%~3.5%の海水の中で生活しています。体内の塩分濃度より周りの海水のほうが濃いため、塩分を排出する機能がないと、塩をかけられたナメクジのように体内から水分が抜け、脱水症状を起こし死んでしまいます。

海の魚たちは体内の塩分濃度が濃くなりすぎないように、海水をじゃんじゃん飲んで塩分をエラから排出したり、尿として捨てたりして水分を得て体内の塩分濃度を適正に保っています」

高校の「生物」の授業で学んだ記憶があるような…。塩分を排出する仕組みがあるから、海で生活をしていても魚自体は塩辛くならないわけですね。

海の魚と川の魚とでの体の仕組みの違い

海の魚は体内の塩分濃度を調節することで、海水の中で生活できるようにしていることがわかりました。では、川の魚とは身体の仕組みが違うのでしょうか。この疑問についても尋ねました。

廣田さん「川の魚は海の魚と逆で体内の塩分が外に抜けてしまわないようにしなければなりません。そのため水はほとんど飲まず、身体に入ってくる水分は大量の尿として排出し、塩分を体にためこむ仕組みになっています」

丹野「中には海と川を行き来する魚もいますよね?」

廣田さん「鮎や鮭など海水と淡水を行き来する魚は、この塩分を調整する機能(浸透圧調節)を周りの塩分濃度により器用に切り替えることができるようになっています」

丹野「ということは、海の魚と川の魚を同じ環境で飼育するのは難しいのですか?」

廣田さん「海の魚も淡水の魚も体内の塩分濃度は、ほぼ同じです。この塩分濃度に近い塩なら海水魚・淡水魚を同じ水槽で飼育することが可能なようです。ただ、飼育可能ではありますが、本来の環境で飼育するのが良いと思います」

川の魚は海の魚とは逆で、塩分を溜め込まなきゃいけないと言うのは面白いですね。どんな生き物も生きていくために、身体の仕組みを適応させていることがよくわかります。

南知多ビーチランドの水槽の中の水

水族館にはたくさんの魚や生き物がいます。どのように水槽の中の水を管理しているのか聞いてみました。

廣田さん「南知多ビーチランドでは、知多半島の漁港から海水を運びこんで水槽で使っています。実際に海の生き物たちが生活している環境に、より近くなるようにしています。
ちなみに、深海魚を飼育しているような施設だと深海魚を飼育するために水に圧力をかけて、深海の水圧と似たような環境を作っているところもあります」

魚の身体の仕組みや水族館の水槽について学んでから、水族館に行くと違う見方ができるかもしれませんね。

南知多ビーチランドでは、イルカ・アシカショーや、イルカ・アシカ・アザラシに触れる「ふれあいカーニバル」を毎日開催しています。10月からは、普段は触ることができないペンギンに触って、エサもあげられる「ペンギンにタッチ」というイベントも行われます。
海の魚や生き物に会いに、是非足を運んでみてください。
(おきな)
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2018年09月25日16時38分~抜粋

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