丹野みどりのよりどりっ!

エレベーターの非常ボタンが繋がる先はどこ?

Aさんは、エレベーターの非常ボタンがどこに繋がるのか、いつも気になっていたそうです。
ショッピングセンターにあるエレベーターだと繋がるような気がするけど、オフィスビルや工場のエレベーターに乗っていると繋がらないような気がして…。

そんなAさんの疑問を解決すべく、今回は「エレベーター」についてのキニナルを調査しました。

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今回の回答者

「エレベーターの非常ボタンってどこに繋がっているの?」というキニナルについて、エス・イー・シーエレベーター株式会社 名古屋支社 支社長の若杉好人さんにお答えいただきました。

エス・イー・シーエレベーター株式会社は、全メーカー全機種のエレベーターメンテナンスを北海道から沖縄まで日本全国150拠点以上のネットワークで提供している会社で、独立系エレベーターメンテナンス会社では全国シェアナンバーワン。昨年には50周年を迎えた歴史のある会社です。

エレベーターの非常ボタンが繋がる先

早速本題である、「エレベーターの非常ボタンってどこに繋がっているの?」という疑問にお答えいただきました。
 
若杉さん「エレベーターかご内の操作盤には、受話器のマークをした『非常ボタン』がありますよね。このボタンを押した時に繋がる場所には、2パターンあります。

まずひとつに、管理人室や警備室、1階のエレベーター共有部等のインターホンへ繋がる場合です。
その通報を元にメンテナンス会社へ連絡して頂くことになります。このように、エレベーターにはインターホンや非常ベル等の外部連絡装置を設置することが法律で義務付けられています。

2つ目は、メンテナンス会社へ直接つながる場合です。管理人や警備の方が不在、しかも携帯電話の電波も繋がらない、このようなことがないように、一定時間『非常ボタン』を押し続けると、メンテナンス会社の緊急監視センターへ直接通話出来る機能をメンテナンス契約で推奨しております」

普段は押す機会があまりない非常ボタンですが、押すと管理者やメンテナンス会社に必ず届くようになっているわけですね。これなら、もしエレベーターで何かがあっても安心して押せます。

エレベーターの歴史

どんなエレベーターでも非常ボタンによって、外部と連絡が取れるようになっているわけですが、昔のエレベーターはどうなのでしょうか。
日本でのエレベーターの歴史とともにお話いただきました。

若杉さん「現存する最古のエレベーターのひとつは、京都にあります。
1924年製ですが現役として活躍しており、そのエレベーターにも現在インターホンが設置され、管理の方と繋がるようです。

ちなみに日本のエレベーターの歴史をたどると、日本で最初のエレベーターといわれるのは、茨城県水戸市にある休憩施設内の配膳用エレベーターで、1842年に設置されました。

人を乗せるエレベーターでいいますと、東京浅草にあったエレベーターが一番古く、1890年に建てられた12階建ての眺望施設にあったとされています。麻のロープを電動で巻き上げる方式で、当時の人気はもの珍しさもあって絶大なものでしたが、動作が不安定で故障も多く、数年後には撤去されたそうです」

今ではエレベーターが世の中に普及し、また高層の建物も増えているので、エレベーターなしでの生活は考えられなくなりました。エレベーターが日本に入ってきた当時は、さぞかし画期的だったことでしょう。

エレベーターにある鏡の役割

エレベーターに入ると中に、大きな鏡があるケースが多いと思います。身だしなみを整えている人も良く見かけますが、あの鏡の本来の役割について聞いてみました。

若杉さん「本来あの鏡は、身だしなみを整えるためのものではなく車椅子の方のためのものです。
車椅子をご利用される方は、エレベーターに乗り込む時は良いのですが、降りる時にエレベーターのかご内では回るスペースがほとんどありません。そこで、鏡を見ながら後方となる扉や人の状態を把握し、バックして下りることになります。
車椅子を始め、お身体の不自由な方が乗り合わせたら、是非手助けして頂きたいと思います」

実は車椅子の方のための鏡だったわけです。身だしなみを整えるために使うのはもちろん構いませんが、本来の役割も頭に入れておくと多くの人が快適にエレベーターを使えるようになりますね。

エレベーターに閉じ込められた時・災害が起きた時にはどう行動する?

特にここ何年、大きな地震が各地で起きています。
先日の大阪北部地震でも、エレベーターに閉じ込められた方がいました。非常時にどういう行動をとるべきなのか、聞いてみました。

若杉さん「もし閉じ込められた場合には、まず操作盤の『開』ボタンを押して扉が開くかどうか確かめたり、全ての行き先階のボタンを押してみてください。
それでも扉が開かない場合には非常事態ですので、非常ボタンを押して外部との連絡を取ってください。

地震時は、地震時管制運転装置が設置されている場合、最寄りの階で扉を開いて非常停止します。その際には速やかにエレベーターから出て避難して下さい。
また、余震やエレベーター機器の異常も考えられますので、管理者が安全を確認するまで、エレベーターにはお乗り頂かない様お願いします」

東日本大震災や阪神淡路大震災では、甚大な被害でエレベーターも多く停止する事態となりました。
今回お答えいただいた若杉さんが所属する、エス・イー・シーエレベーター株式会社はそんな災害時にも迅速な対応で素早い復旧を実現してきたそうです。

エレベーターをどんな時でも安全に管理してくれているからこそ、安心してエレベーターを使用できるということを忘れてはいけませんね。
(おきな)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年08月21日16時39分~抜粋

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