丹野みどりのよりどりっ!

人生の最後まで美味しく味わいたい。味覚障害を防ぐ方法

8月1日『丹野みどりのよりどりっ!』、「大人のクリニック」では味覚について取り上げました。

話を伺ったのは名古屋市立大学病院高度医療教育研究センター耳鼻科教授の鈴木元彦先生です。
丹野みどりもしっかり耳を傾けていました。耳と言えば、実は味覚と密接な関係があるそうですよ。

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耳がヘンでも味覚障害

味覚障害が起きる背景として、舌そのものに味覚障害がある場合、鼻が詰まってしまって味覚を感じなくなる場合があります。
さらに耳に異常がある場合にも味覚障害になることがあるそうです。

「中耳炎で味覚障害が生じることがあります。味覚の神経に顔面神経ってのがありまして、これは顔を動かす神経です。目とか口を動かす神経なんですが、この神経は脳を出て耳の中を通って、顔の皮膚にいってるんですが途中で枝を出しています」

この枝が舌に行っていて、味覚に関係しているそうです。
そのため中耳炎が起きると、この味覚に関係した神経も一緒に障害されてしまって味覚障害が起きる可能性がある、ということです。

食べることは生きる楽しみ

「鼻が詰まってもいかん。耳が悪くなってもいかん。味覚障害は、いろんな要因で起きるんですね。いろいろお話を伺っていましたが、人間にとって味覚って大切なもんなんですね」

かみしめるように言う丹野。

「やはり人間にとって美味しいものを食べる楽しみというのは、非常に重要になります。いわゆる生きる楽しみということになります」

「実際、『最後に、美味しいものを一度食べて死にたい』という、がんで余命いくばくもない患者さんもいらっしゃいました」と鈴木先生。ちょっと切ない話です。

サプリで摂って大丈夫?

舌で味を感じる味蕾という器官は新陳代謝が盛んで亜鉛が必要だといいます。亜鉛不足だと思ったら、サプリメントで補えばいいんでしょうか?

「亜鉛のサプリメントというのは一つの有用な手段だとは思います。しかし、一つ気をつけないといけないのは、亜鉛の摂りすぎも別の病気を引き起こす可能性があるということです」

「ですから簡単に亜鉛のサプリメントを飲むわけではなく、本当に亜鉛が不足していて味覚障害があって、ということをはっきりした上で亜鉛のサプリメントを飲む必要があります」と言う鈴木先生に、「何ごとも、きちんとした医者の判断を受けてからということですね」と納得の丹野でした。

こどもにはいろんな味を

味覚障害にならないために、普段の生活ではどんなことに心がけたらいいでしょうか?

「普段から食事を一日三回きちんと摂る事。また食事のバランスを考えて取ること、一般的なお話になってしまいますが、こういったことが重要になってくると思います」

こどもの食育について言われてますけれども、こどもの味覚については、いかがですか?

「偏食なく、しっかりいろいろな食べ物をとることが味覚障害を防ぐことにもなりますし、偏食がないことが、将来の成長において良い方向に持っていくという意味で重要だと思います」

全ては噛むことから

早食いや大食いなど、いろんな人がいますが、食事の仕方で気を付けるべきことはありますか?

「噛まずに食べてしまう方がいますけども、ゆっくり噛むということは非常に重要です。ゆっくり噛むことによって唾液が増えて、味覚にもいいですし、顎の発達にもいいですし、そしていろいろな面で、良い方向に持っていけると思います」  

味覚障害以前の話として、食事はよく噛むことが基本。人生の最後まで美味しいものを食べられるようにしていたいものです。
(尾関)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年08月01日16時33分~抜粋

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