丹野みどりのよりどりっ!

「もしかして味覚障害?」と思ったら、何科に掛かればいいの?

7月25日放送の『丹野みどりのよりどりっ!』の「大人のクリニック」では味覚障害について取り上げました。
なんだか味がしない気がする、何を食べても味がわからない…そんな場合は味覚障害かもしれません。

こんな時、いったい何科かを受診すればいいの?どんな検査があるの?
味覚障害についての疑問を、名古屋市立大学病院高度医療教育研究センター耳鼻科教授の鈴木元彦先生に伺いました。
聞き手は丹野みどりです。

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鼻と舌はつながっている?

丹野「私は風邪が3週間くらい治らなくて、鼻詰まりがひどく、歯磨き粉の味さえわからない時がありました。その時は、夕ご飯を作っても味付けがわからないし、ご飯を食べてもまったくおいしくないし、なんて味気ないことだろうと思いました」

鈴木先生「私も風邪をひいて味がおいしくないと感じたことはありますし、みなさんもそういう経験がおありではないでしょうか。

なぜ風邪で味がしなくなるかというと、鼻が詰まり、匂いを感じなくなるからです。そうすると味覚がおかしくなることが昔からわかっています。
これは『風味障害』といって、医学の世界でも認められたものです」

丹野「鼻と舌がつながっていて、味を感じることができないということですね。
味を感じなくなることは放置していいことではないですね」

鈴木先生「放置すると塩分や糖分を余分にとって、高血圧とか糖尿病になったり、油を余分にとって高脂血症になったり、つまり生活習慣病に繋がります。やはり、味覚は非常に大切なことです」

耳鼻咽喉科を受診する

では、もし「味覚がおかしい」と思ったら何科を受診するのでしょうか?

鈴木先生「それは耳鼻咽喉科の受診となります」

丹野「今のお話があったように口と鼻がリンクしているからでしょうか」

鈴木先生「そうですね、匂いが悪くなると食べ物もおいしくないです。例えば、ワインは味覚プラス匂いを楽しむものと言われています。匂いが悪いと味がおいしくなくなる、と以前から言われています。この例を筆頭に、味覚は匂いと非常に関係しています。
味覚は非常にQOL(生活の質)に関係しています。自分の人生を豊かにするために非常に重要なものです」

どこを調べるの?

丹野「耳鼻科を受診して、どんな検査をするのでしょうか?」

鈴木先生「まず舌を診て、舌の状態を把握します。中耳炎から味覚障害が起きることもあるので、耳の中を観察します。
鼻が詰まることから味覚障害が起きることもあるので、鼻の状態を観察します。
そして亜鉛や貧血で起きることもあるので血液検査をします。

さらに行うのが味覚検査です。どのレベルまで味覚障害が起きているか調べるために味覚検査を行います」

味覚検査方法いろいろ

丹野「味覚障害がどこまで進んでいるかはどうやって調べますか?」

鈴木先生「ひとつは電気味覚検査があります。電極を舌の上に当てて電気を流します。そうすると金属のような、酸味のような味がするので、その味がわかる電位を調べます。電位が高ければ高いほど、味覚障害になります」

丹野「ちょっと怖い気がしますが、他に検査はありますか」

鈴木先生「電気味覚検査は広く行われている検査ですが、どうしても電流を流して調べる味覚ですから、本来の味覚とは違います。甘味、塩味、酸味、苦みを調べる検査もあります。
それはろ紙に甘味を一滴たらし、そのろ紙を舌の上にのせます。味がわかるかどうか、薄い濃度から濃い濃度まで行って、実際甘味が分かる閾値を調べるという検査になります」

丹野「味覚がおかしいかも、と思ったら、まず耳鼻科を受診するということですね」
(みず)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年07月25日16時33分~抜粋

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