丹野みどりのよりどりっ!

電話をする時に「もしもし」を使う理由

ドラマを見ることが大好きだというAさん。
先日もいつものようにドラマを見ていると、電話をしているシーンが出てきたそうです。

電話が切れた後に受話器に向かって何度も「もしもし?」と言っているのを見て、ふとこんな疑問が浮かびました。

「電話をする時に、なんで『もしもし』って言うの?」

普段無意識に使っていますが、どうして「もしもし」を使っているのかは、あまり考えたことはないですよね。
ということで、今回は「もしもし」についてのキニナルを調査しました。

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今回の回答者

「電話をするときに、なんで『もしもし』って言うの?」というキニナルについて、公益財団法人日本電信電話ユーザ協会の吉川さんにお答えいただきました。

公益財団法人日本電信電話ユーザ協会は、昭和51年に設立された、電話やFAXなどの電気通信の利用者団体です。電話応対コンクールやコンテストの開催、電話応対技能検定(通称"もしもし検定")の運営なども行っています。

電話で「もしもし」を使う理由

早速本題である「電話をする時に、なんで『もしもし』って言うの?」という疑問への答えです。
 
吉川さん「もしもしの語源・由来は、『申し(もうし)』を重ねて、短縮させた言葉です。電話が開通された当初は、高級官僚や一部の実業家などのお金持ちしか電話を持っていなかったため、"もしもし"ではなく"おいおい"と呼びかけていたそうです。電話の呼びかけに"もしもし"が使われるようになったのは、電話交換手が中継ぎをしていたため、つなぎ先の相手に失礼にならないように『申し上げます』=『申し、申し』と呼びかけていたことによります」
 
昔の人が、「おいおい」を使っていたのには驚きです。今の時代に「おいおい」を使ったら、相手に怒られてしまいそう。

ビジネスの場面で「もしもし」はよくない?

ビジネスの場面で電話を受ける際に、「もしもし」を使うのはよくないと実習などで教えられることがあります。本当にダメなのか聞いてみました。
 
吉川さん「必ずしも『もしもし』を使ってはいけないということはありませんが、
『もしもし』を電話の第一声の名乗りで使用することは、ビジネス電話としては
あまり奨励できません。お客様の気持ちになって考えてみるとわかりますが、電話をしてまず、お客様が知りたいのは、自分が電話したい相手にちゃんと繋がったかです。ですから、電話に出てすぐに言うべきことは『会社名』です。
『おはようございます。ユーザ協会です』
『おまたせいたしました。ユーザ協会でございます』
といったように、話すのがビジネスの場面では適しています」

丹野「ただ、『もしもし』を使っていい場面もありますよね?」
吉川さん「はい、あります。『もしもし』は呼びかけの言葉なので、電話をかけてきた相手がわからない状態で、電話が途中で聞こえなくなった場合なんかだと、『もしもし?聞こえてますか?』と呼びかけることは問題ありません」

 「もしもし」をビジネスシーンで必ずしも使ってはいけない、というわけではないのですね。「もしもし」が役立つシーンもあるわけです。

電話が苦手な人が増えている?電話をする上で気をつけるべきこと

総務省の調査によると、年々通話時間や通話回数が減っているとのこと。中には、電話だと相手の顔が見えず、電話でコミュニケーションをとるのが難しいという人もいるのだとか。
電話応対の専門家に、電話をする際のアドバイスをいただきました。

吉川さん「電話をする上で難しいことは、耳で聞くだけでなく、自分の頭の中で聞いた内容を整理しないといけないことだと思います。『この人は電話応対がうまいな』と思う人を観察していると、要所要所で、それまでに理解した内容を『つまり、こういうことですね』と言語化したり、相手にわからない点を知らせたりしています。自分がどこまで理解しているかを相手に知らせながら、整理しているわけですね。

よく電話は声だけが頼りなので、対面でのコミュニケーションよりも難しいと言われます。しかし逆に、声だけに集中すれば良いので、相手を理解することに集中できるという良さがあると思います。
対面の場合、怒っていても笑った表情や無表情で言われると、その真意を見極めるのはなかなか大変ですが、電話の場合だと相手の言葉やニュアンスに集中することで相手の心情が見えてくるので、『電話はそれほど難しいものではないよ』と苦手な人にはアドバイスしています」

相手が話す内容をうまく整理しながら、電話から聞こえる声だけで相手の心情を読み取っていく。実際にやるのは難しいですが、これができれば電話でのコミュニケーションも苦ではなくなるはず。少しずつ心がけてみるといいかもしれませんね。

ちなみに、今回お話を伺った吉川さんが所属する公益財団法人日本電信電話ユーザ協会が、「第57回電話応対コンクール」と「第22回企業電話応対コンテスト」を11月22日に名古屋国際会議場にて開催します。
電話応対コンクールは、今年が57回目で、毎年電話応対の日本一を決めています。入場無料とのことですので、電話スキルアップのためにぜひ一度足を運んでみてください。
(おきな)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年07月24日16時35分~抜粋

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