W杯もアシスト スポーツ庁が目指す5年後のニッポン

丹野みどりのよりどりっ! / スポーツ

7月2日、平昌オリンピックで2連覇を果たした羽生結弦選手の国民栄誉賞授与式がありました。
また現在ロシアで開催中のサッカー・ワールドカップでは、惜しくもベスト8は逃したものの、日本代表が健闘しました。
これらのスポーツに対して、国はいまどんな取り組みをしているのでしょうか。

7月3日『丹野みどりのよりどりっ!』では、CBC論説室の横地昭仁解説委員が"日本のスポーツ政策"について解説しました。

きっかけはスポーツ基本法

「日本のスポーツの政策は今、大きな変化の中と言ってもいいと思います。きっかけは7年前の2011年、だから民主党政権の時代なんですが、自民党も含めて超党派でやったんですけど、スポーツ基本法という法律ができたんですよ」

それまでもスポーツ振興法という法律はありましたが、対象がアマチュアスポーツだけ。これをプロスポーツに広げたのがスポーツ基本法です。

「一番大事なのが法律の前に “スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利“とある文章です。これスポーツ権なんて言ったりするんですが、これが意外に大事だと思うんです」
 

国が動き出す

『スポーツ基本法』と言う法律ができ、政策で裏付けるため「スポーツ基本計画」が策定されました。
スポーツ基本計画は、スポーツを推進していく方向性を決める重要な指針です。

そういった中で国の5か年計画ができ、今まで文科省の一部局でやっていたスポーツを専門に扱うスポーツ庁ができました。

長官は、1988年ソウルオリンピック100メートル背泳ぎ金メダリスト、バサロスタートのご存知、鈴木大地さん。

具体的には、平昌オリンピックで、現地に日本選手のためのトレーナーがいたり、お医者さんがいたり、栄養士がいたり。それから、相手の国の戦術を分析するハイパフォーマンスサポートセンターができたりしました。

「今回のサッカーだって、専属料理人がいることがちょっとニュースになりましたよね。これも、実はスポーツ基本法ができて、それから基本計画、国の政策ができてからのことなんですよね。今回のサッカーの大活躍もこういうことがあってのことだと思います」

スポーツ界に変化

「国が出来ることは、施設面やお金だけじゃないの?という声も聞こえてくるかもしれませんけど、さっき言った権利ということは大事だと思うんです」

今まで選手の大活躍の影にあった「根性主義」の代償として、セクハラやパワハラといった問題が存在していました。
しかしスポーツ庁ができたことにより、そんなスポーツ界に変化がみられるようになりました。

例えば相撲で暴力事件が問題になった時、相撲協会の幹部が鈴木長官に謝罪に行きました。

「なんで行くかと言うと、プロスポーツも含めてスポーツの権利を守るのがスポーツ庁だからなんですよ。
ですから、アメフトの問題だとか、女子レスリングでも関係者が説明に行ったり、謝罪に行ったりした。つまり、みんながスポーツする権利を守るのが国、スポーツ庁だということが浸透してきたというところには来てると思うんです」

選手以外の人には意味あるの?

新しい5か年計画が去年から始まっています。その中で面白いのが、見ることも支えることも大事ということでサポーターにも目を向けていることです。

「一般の人も障害を持った人たちも、みんなが活力ある社会を作るためにはスポーツは非常に大事ですよという理念が、この基本計画の中に書かれています」

この理念を実現するために、例えば地方公共団体や学校とも連携を進めること、具体的な目標も書かれています。
例えばいま週1回スポーツをする国民が約4割。それを、この5年で65%まで高めるという数値目標も設定しています。

「スポーツを見ることによって、よし僕もやってみよう、みたいなことになれば、それは健康長寿社会にも繋がっていくことだと思います」

こどもたちへのアプローチ

「スポーツ基本計画」の中には、こどもたちの運動習慣を高めていこうということも書かれています。
こどもの頃にスポーツが苦手だったという横地解説委員が注目しているのは…

「16%いる"スポーツが嫌いな中学生"の数を半分にしようというところ。つまり嫌いな子に如何に、スポーツの楽しさを教えていくか。これは大事なことだと思うんです」

具体的にどうするかなど、しっかり進めて、スポーツの裾野を広げていくことが、結局はトップアスリートが生まれてくる大きなきっかけになります。

「2020年という大きな目標に向けて、計画倒れに終わらずに進めていって欲しいと思います。その一つの表れが、今回のワールドカップだったんじゃないかなという気もちょっとするんですよ」
(尾関)
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2018年07月03日16時15分~抜粋

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