劇団四季・岡村美南が『ノートルダムの鐘』に飽きない理由

丹野みどりのよりどりっ! / エンタメ

6/8放送の『丹野みどりのよりどりっ!』に、劇団四季所属のミュージカル女優・岡村美南さんがゲスト出演しました。

岡村さんは、今年の9月22日(土)から名古屋四季劇場で上演されるミュージカル『ノートルダムの鐘』に出演予定です。

異色のディズニー作品

まずは演目『ノートルダムの鐘』のお話から。

ヴィクトル・ユゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』を元に、1996年にディズニーのアニメ映画として公開され、その後海外で舞台化されました。日本では、2016年に劇団四季公演として初めて上演となりました。
 
これまで劇団四季が手掛けてきたディズニー作品とは一味違っていて、よりシリアスでドラマティックで、音楽的にも重厚で濃厚な作品になっています」と説明する岡村さん。

物語の舞台は15世紀のパリ。見かけは醜いが心は優しい主人公・カジモドを軸に、岡村さん演じるエスメラルダにより3人の男性が翻弄されていく、愛の物語ということです。

従来のディズニー作品との違いを、岡村さんが具体的に話してくれました。

「大掛かりな大道具は使わず、あえてアナログで原始的に表現したりとか。音楽的に一番特徴があるのが、舞台上にクワイア(聖歌隊)が常に居るんですよね。一度も捌(は)けなくて。
そのクワイアさんが作る世界観だとか、パワーというものがとても今までに無くて、私も毎回毎回感動するんです」

9月の名古屋公演の前に現在、横浜で同作品が8月まで上演されている最中です。それでいて毎回演者ですら感動してしまうとは、想像もつきませんね。

更には、日本で新たに加わったオリジナルの演出があるといいます。クワイアは歌だけではなく、ガーゴイル(石像)になったり、民衆になったりと、芝居にも参加してやっていくんだとか。そうしてビジュアル的にも音楽的にも楽しいものになっているんだそう。

みんな違ってみんないい

先述の通り『ノートルダムの鐘』では、派手にセットが転換したりしません。というより、舞台転換そのものが一度も無いというのです。

例えば、最初は俳優がみんな会衆(教会に集まる人々)として登場します。
その後に、そのまま舞台上で衣装を着替え、カジモドなど各々の役柄になっていく様を、あえて見せるのです。斬新ですね。

演出面だけでなく、キャラクター的・ストーリー的にもディズニーとして異色なこの作品。「これは良い、これが悪い」というような、わかりやすい勧善懲悪の形には最初から最後までならないといいます。

例えば、フロローという最高裁判事が登場します。彼は、ヴィランズ(ディズニー作品の悪役)の役回りなのですが、彼は自分の中の正義を貫いて生きているだけで、一概に悪者とは言えないのです。

岡村さん「その悪役の人間性を繊細に描けているため、観終わった後もそれぞれお客様が持つ感想って違うと思いますし、その日のお客様の気持ちによって、また何回観に来ても感じるものが違うと思っていて。私も毎日演じていて新しい発見が尽きないですね」

どの登場人物に共感するかによっても違うでしょうし、答えは1つではないと思わせる作品なのでしょう。

舞台はナマモノ

さて、劇団四季と言えば“ロングラン”。『ノートルダムの鐘』も、東京、京都公演を終え、横浜、名古屋と続きます。
これだけ何度も上演していれば、出演者の皆さんももう慣れたものではないでしょうか。

岡村さん「それがまた俳優の危ない所でもあって。劇団四季の教訓の中で『慣れだれ崩れ=去れ』っていう、厳しくもありもっともだと思うものがあるんですけど。
同じ役を100回200回と繰り返していくと、慣れていくんですよね。そうすると、だれて崩れてくる部分もある。それを俳優自身が自覚できる時もあればできない時もあって」

その対策として、ある場所でロングラン公演が終わり、次の公演場所に移動する前に、気を引き締めるのだそうです。
今回で言えば、横浜公演が終わり名古屋公演が始まるまでの1ヵ月間弱。しっかり稽古してブラッシュアップするのはもちろんのこと。そこでもし新しくキャストが加わると芝居も変わってくるので、尚更稽古に励むことになります。

つまり、上演場所が変わる度に中身も進化していくわけです。まさに舞台はナマモノですね。

弱点はアイツ

そんな岡村さんが劇団四季を意識するようになったのは、富山県在住の中学2年生時代。劇団四季の公演が富山に来たので観に行ったら、その世界に心を奪われ、すぐさま将来の目標と決めたんだそう。

劇団員は毎年募集していて、「ボーカルコース」「ダンスコース」「演技コース」の3部門があり、自分の一番自信がある部門にエントリーします。

ミュージカルならどれも必要なはずですが、大丈夫。例えば芝居しかできなくても、入ってからレッスンを重ねて、歌い踊れるようになる。そんな人がたくさんいるんだとか。そういった人たちは研究生という立場で修練を積みます。
一方、即戦力として入るのは“シーズンメンバー”と呼ばれます。岡村さんはもちろんコチラです。

キャリアを積むと、メインの役の他にいくつか担当するようになります。ロングランとなると、誰かがケガや病気などで抜ける可能性も増えるため、代役ができるようにしておくのです。

そういう対応力は基礎がしっかりできてないと生まれません。なので、劇団四季の俳優は本番前でも30分決まったメニューをこなし、それ以外でも1時間ほど早めに来て個人練習をしているそうです。

こんな感じなので、完全オフというのはなかなか無いそうですが、休みができた時はアウトドアを満喫しに行くという岡村さん。

「私は『山派』ですね。海は、見るだけです。入るのは、ちょっとクラゲが怖くて(苦笑)」

ストイックで完璧そうな岡村さんでも、弱点があったようです。
(岡戸孝宏)
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2018年06月08日16時33分~抜粋

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