丹野みどりのよりどりっ!

リッター150円を突破!なぜガソリンはこんなに高くなった!?

経済産業省資源エネルギー庁が5月30日に発表した、レギュラーガソリンのリッター当たり全国平均小売価格は151円となり、3年5か月ぶりに150円を超える状況となっています。

ガソリンの値段が上がると、車を持っている人はもちろんのこと、輸送コストの上昇でさまざまな物の値段が上がることから、車を持っていない人でも生活への影響は大きいものです。
なぜ最近、特に価格が上がってきているでしょうか?

5月最後の『丹野みどりのよりどりっ!』では、このニュースについてCBC論説室の後藤克幸特別解説委員に丹野が聞きました。

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2年半前に底値を付けたのはなぜ?

まずは、ガソリン価格の推移についておさらいしました。

2014年12月は152円台を付けたのですが、その後は下がり続け、2016年1月には110円台を記録して底を打ちました。そして再び上がっていき、昨年11月に140円台を突破して、28日に151円を記録したということです。

2016年頃まで価格が下がり続けた理由の1つに、アメリカのオバマ政権が2015年に欧米とイランの核合意を行ったことにあると言われています。

イランの核開発に制限を設ける代わりに経済制裁を解除したことで、中東情勢も安定し、原油の供給も安定していたと言われています。

この頃、経済制裁を解かれたイランが、今後はさまざまな国へ原油をどんどん売って行こういうことで大量に生産した結果、原油の価格が安くなっているというニュースもありました。

原油が高くなったのはトランプ大統領のせい?

その後、原油の値段が上がり続けていますが、後藤委員はその理由が3つあると説明しました。

まず1つ目が、トランプ大統領の就任。

イラン核合意からの離脱やイランへの経済制裁復活を表明したり、エルサレムに首都を移転しようとするなど、中東情勢を不安定にさせたことで、今後も安定して原油が供給されるのか不透明になってしまったということです。

次に、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産出国が話し合った結果、値崩れを防ぐためか、2017年以降は原油の生産を減らす「減産」をしましょうとルールを決めたためです。

3番目の理由は、南米の産油国であるベネズエラが、経済危機と政情不安で輸出量が激減していることもあるようです。

石油が枯渇したというわけではなく、世界的に石油を生産する量が減ったので、価格が上がってきているというわけです。
では、今後の価格の見通しはどうなのでしょうか。安くなる可能性はあるのでしょうか。

後藤委員は、「世界の情勢が変わらないと、原油の価格が下がらないと言われている」としつつ、22日に開かれる予定のOPEC総会で、議題の1つに減産ルールの見直しが挙げられるのではないかという予想があると解説しました。

減産をこのまま続けると、世界でのシェアがどんどん下がっていくので、そろそろ生産量を増やすのではないかと、一部の経済アナリストは予想しているそうです。

一方で、一部の海外メディアは、OPECの代表筋からの話として、減産を見直しする可能性は低いと伝えており、今のところは不明です。

普段、海外のニュースはよく分からない、遠い話だと思いがちですが、身近な生活に直結することもあるようです。
(岡本)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年05月31日16時17分~抜粋

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