丹野みどりのよりどりっ!

ボールペンのインクが残っているのに字が書けなくなる理由

2018年06月01日(金)

ライフ・ヘルスケア

日常にある素朴な疑問を番組チームが調査し、さらに詳しい方々に教えていただくコーナー「これってキニナル」。
5/29は、ボールペンにまつわるキニナルを取り上げました。

今回、Aさんから頂いたキニナルは…

「たまに、まだインクが残っているのに全くインクが出なくて、字が書けないことがあります。一見インクが残っているのに、字が書けなくなってしまうのはなぜなのでしょうか?」

今回の回答者

確かに、インクが残っているのに字が書けないことがありますよね。
 
そこで、5/29は「ボールペンのインクが残っているのに字が書けなくなるのはなぜ?」というキニナルを解決すべく、ゼブラ株式会社の鈴木さんにお話を伺いました。

ゼブラは、油性マーカーの「ハイマッキー」やジェルボールペン「サラサクリップ」など、筆記具の製造販売をしている会社で、筆記具ひとすじで昨年創業120年を迎えました。

そもそもボールペンとは?

本題に入る前に、そもそも一般的なボールペンはどんな構造で、なぜ字が書けるのでしょうか?鈴木さんに伺いました。
 
鈴木さん「一般的なボールペンのペン先には、実は小さなボールが入っています。紙に書く時は、そのボールが回転することで、ボールの表面にインクが付着し、そのインクを紙に転写することで書くことができます。
ちなみに、ボールペンを逆さまにしてもインクが落ちてこないのは、ストローの中に水を入れて、片側を指でフタをすると水が落ちてこないのと同じ原理で、ボールがフタの代わりになっているからです」
 
ボールペンのペン先をよくみてみると、本当に小さなボールがわずかに顔を出しているのがわかります。
 
丹野「それでは、ボールペンのインクにはどういう種類があるんですか?」
 
鈴木さん「インクには、油性・ジェル・エマルジョンインクがあります。油性は昔からあるインクで、しっかりとした書き味が特長です。ジェルは水性インクのひとつで、軽い書き味が特長で、発色も鮮やかなので、カラフルにお手紙やイラストを彩りたい時におすすめです。
エマルジョンは、ゼブラが世界で初めて開発した油性と水性を混合したインクです。なめらかな書き味が特長で、仕事のアイデアなどどんどん書きたい時におすすめです」
 
ボールペンにこだわりのある方は使い分けているのかもしれませんね。

インクが残っているのに書けない理由

ここから本題に入ります。
一見すると、まだ残っているように見えるのに、全然書けないのはなぜなのでしょうか?
 
鈴木さん「いくつか原因が考えられますが、ペン先からインクの中に空気が入ってしまい、書けなくなることがあります。例えば、ペン先が水平や上を向いた状態で筆記をする事で、ボールとインクの間に隙間ができ、その隙間から空気が入り込んでしまうことがあります」
 
丹野「書く時の角度によっては空気が入り込んでしまうわけですね」
 
鈴木さん「残念ながら、その空気は一回入ってしまうと、再び押し出すことはできず、そうなってしまうともう使うことはできません。筆記する際は、ペン先を下向きにし、紙の面に対し60°~90°の角度で書いていただくことが理想的です」
 
丹野「例えばあおむけになって、ペン先を上にした状態で書くと危ないわけですね。あと、インクにも消費期限のようなものがあるのでしょうか?」
 
鈴木さん「ボールペンのインクにも、使用できる目安の期間があります。製造後約3年が目安となり、ゼブラのボールペンの替芯には、製造年月がわかりやすいよう印刷されています」
 
皆さんもボールペンの替芯を交換される際は注意して見てはいかがでしょうか?
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年05月29日16時33分~抜粋
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