丹野みどりのよりどりっ!

乾電池がプラス極だけ出っ張っている理由

番組宛てにおたよりが寄せられました。
その内容は「乾電池にはプラス極とマイナス極があるが、なぜプラス極だけ出っ張っているのか」というもの。

そこで、5/23の「これってキニナル」は「乾電池のプラス極が出っ張っているのはなぜ?」というテーマを取り上げました。
お話を伺ったのは、電池工業会の新井田さん、聞き手は丹野みどりです。
電池工業会は、電池や電池器具に関する調査や研究、リサイクルの推進や製品安全の推進を行っています。

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なぜプラス極だけ出っ張っているか?

なぜ乾電池のプラス極だけ出っ張っているのか?早速、丹野が伺いました。
 
新井田さん「電気を取り出しやすい構造にしているため、また、プラス極とマイナス極を間違わないように区別しやすくするため、などの理由からです」
 
丹野「たとえば、出っ張りがなくても乾電池として機能するのでしょうか?」
 
新井田さん「はい、規格外ですが可能です。また、マイナス極が出っ張るという構造でも可能といえば、可能です。ただ、乾電池は工業製品のひとつなので、サイズ、性能、耐久性など多くのことが規格によって決まっています。なので、独自規格の乾電池をわざわざ作るだけの意味は無いように思いますし、逆に装填したらショートするリスクもあります」
 
できない話ではないけれども、やる必要はないということですね。

乾電池の大きさとパワーの関係

乾電池ですが大きさにもいろいろ種類がありますよね。今どんな種類の乾電池が世の中に出回っているのでしょうか?
 
新井田さん「大きいものだと単1、小さいものだと単5までありますね。単1は懐中電灯やプッシュ式ガスコンロの電池などに使われ、単5は、超小型のワイヤレスマイク、ペンライトなどの小さい機器に使われています」
 
丹野「単3、単4までは私使ったことあるけど、単5は知りませんでした」
 
新井田さん「単5はあまり売れていないというか、用途がないんですよね。アルカリ乾電池の場合、市場のシェアでいうと、単3が60%、単4が25%を占め、この2種類で、85%になります。また、9Vという四角の乾電池もあります。9V型はもともとトランジスタラジオ用に設計されたものです。現在ほとんど使われてなく、国内ではもう作っていません」
 
丹野「いろんな大きさがある乾電池ですが、大きさによってパワーも違うのでしょうか?」
 
新井田さん「同じ乾電池であれば、大きさが異なっても電圧は同じですが、容量と電流は大きさによって異なり、乾電池の大きさが大きければ大きいほど容量も電流も大きくなります。容量についてですが、単3電池にアダプターを付けて、単1電池の代わりに使う場合、単3電池は容量が小さいので、使用時間はかなり短くなります」
 
乾電池にもいろいろな種類がありますが、やはりよく見かけるのは単3や単4ですよね。
最近四角い乾電池を最近見かけないなと思ったら、もう国内では作られていなかったんですね。

乾電池の保管方法

最後に乾電池の保管方法に関して伺いました。
 
丹野「電池を入れっぱなしにした状態で懐中電灯を久々に点けてみると、『あれ?点かない!』なんてことがあるんですが、使っていなくても電池って消耗していくんですかね?」
 
新井田さん「はい、使っていない場合でも電池はごくわずかですが消耗していきます。それを"自己放電"と言います。]
自己放電の起こり方やその程度は、電池の種類により異なりますが、自己放電の程度は温度の影響を強く受け、温度が高ければ高いほど、自己放電率も高くなります。
だから昔は使わない乾電池は、冷蔵庫などで保存することを推奨している本もありましたが、今は自己放電率が減少したこと、冷蔵庫から取り出す時に、水滴などがつくとサビの原因になることなどから、現在は推奨していません」
 
冷蔵庫に入れる必要はありませんが、直射日光や高温な場所を避けて保管するのがよいみたいですね。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年05月22日16時36分~抜粋

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