絵の具で「ビリジアン」が使われる理由

丹野みどりのよりどりっ! / カルチャー

5/8の『丹野みどりの よりどりっ!』では、絵の具を使ってよく絵を描くというAさんから寄せられた、「なぜ絵の具のセットには『みどり』ではなく『ビリジアン』が使われているのか」というおたよりを取り上げました。

今回はこの疑問について、ぺんてる株式会社の田島さんにお話を伺いました。
ぺんてる株式会社は、戦後間もない1946年に創業され、戦後の物資不足の日本で、当初から透明水彩えのぐを教育用に製造販売していたそうです。

そもそも絵の具とは?

まず、絵の具というのはそもそも何からできているのでしょうか?田島さんに伺いました。
 
「絵の具にも種類がありますが、いわゆる『水彩えのぐ』は主に色の素となる『顔料』と、アラビアガムなどの展色材でできています。
顔料は、昔は色を帯びた鉱物を主原料として使っていましたが、現在では安定して常に同じ色の絵の具を作るために、主に石油系の材料の化合物から作っています。一方で、アラビアガムはゴムの木の樹液で、水に溶けやすく、乾くと紙に定着する性質を持っています」
 
絵の具がねばねばしているのは、原料にアラビアガムなどの展色材というものが入っていたからだったんですね。

ビリジアンが使われる理由

絵の具の成分について教えてもらったところで、ここからは本題の「ビリジアン」について伺っていきます。まずはビリジアンの色について。
 
「もともとは19世紀にフランスで発見された顔料の色です。JIS=日本工業規格では『くすんだ青みの緑』と定められており、『緑』よりも青みがかっています」
 
絵の具セットの中には「緑」がなくて「ビリジアン」が採用されているものがある理由を尋ねました。
 
「絵の具は、混色することによって色を作れますが、セットには混色で作れない色を入れています。例えば、緑は⻩色とビリジアンで作ることができますが、ビリジアンは混色では作れません」

他にも混ぜて作ることができる色として、例えばピンク(白と赤)なども入らないようです。
一方でビリジアンの青みがかった緑は、どう混ぜても作れないために緑の代わりに入っている、ということなんですね。

絵の具の色はどうやって選ばれている?

最後に、ビリジアン以外の絵の具はどのように選ばれているのかを田島さんに伺いました。
 
「円盤状に色を均等に配置した『色相環』というものがあるんですが、色相環を均等に割った色を基本に、バランスよく色を選んで絵の具セットにしています。
基本セットはだいたい12色で、ぺんてるでは学校向けには24色のセットまで出しています。
理屈上、混色で色は作れますが、混色すると色は濁って見えるため、色数の多い絵の具セットの方が、豊かな表現が可能です」
 
皆さんも絵の具で「ビリジアン」を見かけた時は、今回のお話を思い出してみてくださいね。
(ふで)
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2018年05月08日16時37分~抜粋

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