丹野みどりのよりどりっ!

竹皮なし・蒸さないちまき「おあげちまき」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

5月のテーマは「季節を味わう!技あり料理」。
今回は、「おあげちまき」です。

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竹皮の代わりに

端午の節句です。
こどもの日に「ちまき」を手作り、というのも乙ですね。

「ちまき」と言えば、笹の葉で包まれたお菓子のちまきと、竹の皮で包まれたご飯のちまき、両方ありますよね。
今回教わるのは、ご飯の方のちまきです。

ところが、竹の皮で包む。これはかなりハードルが高い。

「まず、竹皮をどこで手に入れれば良いかわかんないです」

丹野みどりのごもっともな意見。

「だから、もう、お揚げ」

竹皮ではなく、油揚げで包む、という関先生。

「ちょっと色似てるかなって感じ」
「色は若干茶色ですね」

色は認める丹野みどり。どこのスーパーにでも売っているような揚げが竹皮の代わりになる?

しかも、

「蒸すとか、一切なし」

どういうことでしょうか、関先生。

早速作り方です。
まずは四角い油揚げ。8枚入りのを用意します。
もち米を洗い、30分ほど水に浸けたら、その後30分しっかり水気を切ります。

この間に、干しシイタケと干し海老を戻しておきます。
干しシイタケ2枚に対し、水2カップ。
干し海老30gに対し、水1カップ。
この合計3カップの戻し汁は後ほど使うのでしっかりとっておいてください。

あとは、焼き豚、タケノコ、ニンジン。そんなものを5mm角に切りましょう。
30分経ちまして、もち米の水が切れて、干しシイタケと干し海老がしっかり戻ったら、揚げに切れ込みを入れていきます。
スポッと切るより、横にして穴をあける感じが、上手に切るコツです。
油揚げを袋状にしましょう。

フライパンにごま油を熱して、お米と具材を2分ほど炒めます。

「炒めることによって、ちまきのあの感じが出てくる」

“あの感じ”とは、どんな感じですか、関先生!

計算づくの油抜き

もち米と具材を炒めたところに、お酒をシャラーとかけて、サッサッサッと混ぜたら火を止めます。

そしたらこれらをお揚げの中に詰めましょう。

8等分して詰め込んだら、くちゅくちゅくちゅと爪楊枝で縫っていきます。縛る必要もありません。

「爪楊枝でブスッブスッブスッといくわけですね!」

ずいぶん荒々しくなりましたが、その通りです、丹野さん。

油揚げに材料を詰めて巾着状にしたら、それらを並べて置きます。

「そこで、油抜きをするわけ」
「あ!」

確かに、すっかり忘れていましたが、油揚げを使ってお料理をする時は、油抜きが要りますよね。
でも、具材も詰め終わっちゃった後で、油抜きなんてしても良いの?関先生。

「(先に)しちゃうと詰めにくいの。ぐちゃぐちゃしちゃって」

やわらかく、くたくたになったお揚げは、穴が開きやすくなりますよね。
いなり寿司を作る時など、非常に苦労するわけです。
しかし、乾いた状態の油揚げは、パリッとしているので、とても詰めやすい。

「なるほど!これ、すごいポイント!」
目から鱗が落ちる丹野みどりです。

ザッザッと2回くらい熱湯を回しかければOK。
お味も染み込むし、油っぽくなりません。

そのお揚げを、フライパンに並べます。
今までもち米と具材を炒めていたフライパンは、もう空っぽですよね。
洗い物は積極的に減らす方向で!

そこに、先ほどとっておいた3カップの戻し汁と、干しシイタケ、干し海老、それから淡口醤油を大さじ2、お酒を大さじ2、お砂糖を大さじ2杯加えます。

「同量の、に、に、に、って感じ」

そしたらグツグツグツと煮立たせて、蓋をして20分。

「この間に、ちょっとやさしい気持ちがあれば、1回ひっくり返すね。やさしい気持ちがあれば!」
「余裕があれば、ね」
「そうそうそう」

時と場合と心の余裕で、調理法は選んでください。

かぶりついて

10分経って、余裕があればひっくり返します。

「あ、お米が膨らんでるわ、お揚げの中で、って思うじゃないですか」

ちょっとお汁が多いわね、という時には、蓋を取って水分を飛ばしましょう。

「先生、ちまきなんて聞いたら、どうしようかしらと思いましたけど」

聞いて驚き、炒めて煮込むだけ。「竹の皮」なんて入手難度の高い材料も必要ありません。

丹野みどりの目の前に出された「お揚げちまき」。
大人の拳骨サイズに膨らんでいます。
上は爪楊枝で止めてあるので、中身のお米が飛び出ることもなく、煮詰めて作ることができます。

どう食べればよいか思案する丹野みどりに、爪楊枝は取って、パクッと!とアドバイスする関先生。

「んー!お稲荷さんとは違いますね!」

中身がもち米であること。ごま油で炒めたコクが出ていること。
油揚げのお稲荷より、米が硬い感じを保ったままであることも特徴です。

淡口醤油を使っているので、自然できれいな色合いに仕上がります。
コテッとせずに、サラッとした感じに仕上がるのも、淡口醤油を使った利点ですね。

「またこの干しシイタケと干し海老が良い仕事をしていますね」
「やはり干したものは良いですね」

プチプチとした味と食感はもちろん、旨味がぎゅっと詰まっています。

「いま、私、おにぎりを頬張るように、パクッといただきましたけど、これがおいしくいただく食べ方ですね」
「もちろんでございます」

端午の節句にも、ぜひみなさんで“かぶりついて”みてください。

材料とレシピ

【 材料 】
・油揚げ 8枚
・モチ米 1カップ
・干しシイタケ 2枚
・干し海老 30g
・焼き豚 100g
・タケノコ(水煮)1/8本(50g)
・ニンジン 1/5本(30g)
・胡麻油 大さじ1
・酒 大さじ1

A・もどし汁(干しシイタケ・干し海老)3カップ
 ・淡口醤油 大さじ2
 ・酒 大さじ2
 ・砂糖 大さじ2

【 作り方 】
  1. もち米は水をかえて3~4回洗い、30分水に浸してから、30分水切りする。
  2. 干しシイタケ2枚に対し2カップの水、干しエビ30gに対し1カップの水に30分浸けて戻す。
  3. 焼き豚、タケノコ、ニンジン、戻したシイタケを5mm角に切る。干し海老はザクザクと粗く切る。
  4. 四角い油揚げ8枚は穴をあけるように切込みを入れて袋状にする。
  5. フライパンにごま油を熱し、お米と具材を2分ほど炒める。酒を振りかけたらさっと混ぜて火を止める。
  6. 炒めた米と焼き豚、タケノコ、ニンジンを油揚げに詰め、爪楊枝で巾着状に縫うようにして止める。上から熱湯を2回ほどまわし掛け、10分ほど置いて油抜きをする。
  7. 空になったフライパンに揚げを並べ、戻し汁3カップ、戻した干しエビと干ししいたけ、淡口醤油大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ2を加えて煮立たせて蓋をし、20分煮込む。余裕があれば途中でひっくり返す。汁が多い場合は、蓋を外して煮て水分を飛ばす。火をとめて10分蒸らして完成!!
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年05月03日16時33分~抜粋

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