丹野みどりのよりどりっ!

ファスナーとジッパーの違いとは?

5/1の「これってキニナル」はファスナーとジッパー、果たしてどちらの言い方が正しいのか?そもそも全くの別物なのか?ファスナーとジッパーの違いについて取り上げました。

お話はYKK株式会社の洪さんに伺いました。
YKKは、1934年に東京・日本橋で創業し、今年で85年目を迎える会社で、ファスナーやスナップ・ボタンなどを扱うファスニング事業と、グループ会社が行っている窓・ドア等のAP(建材)事業が2本柱。現在は世界73ヵ国・地域に展開しています。
聞き手は、丹野のピンチヒッター・大橋麻美子が務めました。

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ファスナーとジッパーの違い

ファスナーとジッパーは何が違うのか?早速、大橋麻美子が伺いました。
 
洪さん「ファスナーもジッパーも、実は同じものです。ファスナーというのは、『つなぐ』という意味の英語『ファスン(fasten)』から来ている言葉で一般名詞です。ファスナーはもともとアメリカで発明されたのですが、ファスナーを開け閉めするときの『シューッ』という音は、英語では『zip』と表現されるところから、1921年にアメリカの会社が『ジッパー』という商品名で売り出したところ大ヒットとなり、アメリカでは『ジッパー』という呼び名が定着しました」
 
もともとは「ファスナー」という言葉が最初にあって、「ジッパー」はそのファスナーの開け閉めの音から生まれた言葉だったんですね。
洪さんによると、ファスナーは最初の頃は主にブーツや靴に使われていましたが、洋服にも使われるようになり、その後世界中に広まったということです。

もうひとつの言い方「チャック」

ファスナーとジッパーの話を聞いて、大橋はもうひとつ別の言い方も気になったようです。

大橋「私もよくファスナーを使うのですが、息子には『ちゃんとチャック閉めなさい!』と言います。このチャックという言葉には何か意味があるのでしょうか?」
 
洪さん「ファスナーが世界的に広まる中、1927年に広島県尾道の会社が巾着袋の開け閉め機能と似ているということで、『チャック印』という商標で、日本で初めてファスナーを販売しました。そのファスナーが丈夫で壊れにくかったので評判となり、日本ではチャックという呼び名が広まりました。意外かもしれませんが、実はチャックというのは外来語ではなく、日本語が元なんです」
 
チャックという言葉が、日本語がもとになっていたことには驚きです。ファスナー、ジッパー、チャック、言葉は違うけれども、全て同じものだったんですね。

ファスナーの持ち手の穴の秘密

あとファスナーといえば、持ち手のところに、1つ2つ穴が空いているものをよく見かけますよね。あれには何か意味があるのでしょうか?
洪さんに伺いました。
 
洪さん「ファスナーを操作するときに指で持って動かす部分を『引手(ひきて)』と言います。引手に穴が開いている理由は主に3つあります。
まず1つ目は、穴が開いているとつかみやすいからです。
2つ目は、穴が開いていることで引手の部分を軽量化できるからです。
そして3つ目は、この穴を利用して、紐などを通して装飾できるというメリットがあるからです。ただ、引手にはいろいろな形状のタイプがあり、穴が開いていないものもあります」
 
ファスナーに穴が空いているのにもちゃんと意味があったんですね。

ファスナーが噛んでしまったら

大橋「最後に、ファスナーが服の布とかを噛んでしまって『閉まらない~』と痛い思いをした人もいると思うのですが、何か対処方法などあれば教えてください」
 
洪さん「焦って無理やり引っ張ると、さらに噛んでしまうので、まずいったん落ち着きましょう。締めた方向の反対側に、ゆっくりスライダーを戻していただければ、ほとんどの場合は解消できます」
 
ファスナーが布などを噛んでしまった時、意外と慌ててしまいますよね。そういう意味でもまずは「落ち着く」ことが大事なんですね。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年05月01日16時32分~抜粋

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