丹野みどりのよりどりっ!

東京オリンピック、聖火が全都道府県を走る

2020年に開催される東京オリンピックの聖火リレーについて、都道府県別の日数配分の案が固まりました。

そこで4月4日の『丹野みどりのよりどりっ!』「ニュースよりどりっ」は、CBC論説室の石塚元章特別解説委員に、東京オリンピックでの日数配分について、また聖火リレーの歴史などを尋ねました。
聞き手は丹野みどりです。

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全都道府県に聖火が来る!

まず丹野が聖火リレーの日数についてまとめます。

丹野「聖火リレーがまわる日数を、開催地の東京都内は15日間、東日本大震災で大きな被害をうけた岩手、宮城、福島の各県と競技会場が設けられる埼玉、千葉など4つの県はそれぞれ3日間、それ以外の道府県はすべて2日となる方向です」
 
石塚「東京大会組織委員会の森喜朗会長が昨日、総理官邸で安倍総理に報告したようです。
 
実は、IOC(国際オリンピック委員会)では聖火リレーは100日以内にしてくださいと決めています。ところがこの日数を足していくと合計でおよそ114日となります。約2週間オーバーです。
大会組織委員会によると、日本全国回りたい、特に被災地についてはしっかり回りたいと、2年以上前から働きかけていて、IOCが容認してくれているようです」

コースは「一筆書き」で

―まだ詳しいコースは決まってないのですか。
 
石塚「都道府県単位での日数の案が固まっただけです。これも来週、聖火リレー調整会議で了承を得られて正式に決まる予定です」
 
―コースが決まるまで大変ですね。
 
石塚「東京オリンピックなどこれまでの日本の大会は、同時に複数のルートに分かれて聖火は回わっていたらしい。
ところがIOCのルールが変更になって、今では複数のルートはだめで、一筆書きのように途切れることなく回らないといけないとなっています。限られた日数で効率よく回るのは大変です」

聖火リレーのはじまりは…

―近代オリンピックでは聖火リレーは存在しなかったそうですね。
 
石塚「聖火台自体、1928年、9回目のアムステルダム大会の時に初めて建築家が『古代オリンピックには大会中、会場でずっと炎が燃えているのがあったらしい』と言って、取り入れたのが好評で、継承されることになりました。
 
聖火リレーを最初に始めたのは1936年、ナチスドイツです。ヒトラーが徹底的に政治利用したベルリンオリンピック大会です。その時初めて、ギリシャで採火式をやってドイツまで運んで来たら、というアイデアが出ました。ヨーロッパ文明の中心はかつてはギリシャだったかもしれないが今はドイツだと、世界に知らしめる政治的な大パフォーマンスでした」

聖火が消えないように

―聖火を運んでいる途中消えないようにというのは技術的に難しいですか。
 
石塚「難しいです。トーチの技術的な問題は聖火リレーの歴史的なメインテーマのひとつです。
もうひとつデザインも注目されます。各大会デザインにも力を入れますが、デザインを気にし過ぎて、重すぎて、走っているうちにどうしても頭が下がってくる時がありました(苦笑)。
 
トーチは雨の日も風の日も消えないようにしないといけません。従来は燃料はプロパンガスが多かった。水素やバイオ燃料といった次の世代のエネルギーを利用するのはどうか、という声も出てきています。
今回の組織委員会では、トーチを作る製造グループを公募しました。今年の夏には決定します。デザインから作るところまで一貫してできるところです。
 
聖火リレーはいろいろな課題もあったし、歴史的な背景もありました。技術の開発もルートの決定も、いろいろなことで新しい時代を印象付けられるといいと思います」
(みず)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年04月04日16時16分~抜粋

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