丹野みどりのよりどりっ!

エビと衣に味を付けたら革命的おいしさだった「海老のヅケ天とかき揚げ」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

3月のテーマは「みんなでワイワイ!パーティー料理」。
今回は、「海老のヅケ天とかき揚げ」です。

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みんな大好きご馳走食材


今日のメニューを聞かれた関先生。

「海老、ですかね」
「もう先生、海老は!」

丹野みどりが喰いつくのも当然でしょう。
日本人は海老が大好き。特に名古屋の人は、もう、

「エビふりゃーだから」
「エビふりゃーがないといかん」

丹野みどりと関先生が口を揃えて言います。

しかし、ただの海老を揚げるわけではございません。

「今日はね、ヅケ天といって、海老に下味をつけてから揚げるんです」
「聞いたことないですよ」

即答する丹野みどり。
海老を揚げるのに、エビフライでも、えび天でもない。
ヅケにしてから、天ぷらにする。

「でも、これはね、大勢集まるときなんかとっても重宝な揚げ物なんですよ」

知って得する初耳料理。
関先生、お願いします。

まず、海老はちょっと奮発して、気持ち大きめのものを買ってきます。
海老の処理としては、塩水で洗ってから殻を剥いて背綿を取ります。
海老を真っ直ぐ揚げたいときは、お腹の方に切り込みを入れて、ぷちっぷちっと押さえます。
でも、海老の背中は曲がってもいいですよね。
そういう方は、この工程を省いてしまいましょう。
お互い腰が曲がるまで、なんて縁起物でもありますから。

味付き海老、味付き衣、味付き油


さあ、いよいよこの海老たちをヅケにしていきます。
淡口醤油大さじ1杯、お酒大さじ3杯の中に10分くらい漬け込んでください。

たったこれだけ。

漬かった海老は、すーっと振って漬け汁から取り出してしまいます。

さて、残った漬け汁。
捨ててしまってはもったいない。

この漬け汁を使って、さらにおいしい「衣」を作ります。

まずは、漬け汁に水を50cc足して、薄めます。
そこに市販の天ぷら粉を50g。
さらに、パリッと揚げるために、片栗粉を大さじ半分加えます。
よーく混ぜて、固いなぁと思ったら、多少水で調整してください。

先生いつも天ぷらの衣は水とお粉だけですけれども、海老を漬けた漬け汁を衣の水の中に入れるというところが、非常にポイントですね」

海老にも味が付いているし、衣にも味が付いている。
しかも、味付けに使ったのは淡口醤油なので、真っ黒にならずに、良い色に揚がっています。

海老に下味がつき、衣も準備できたので、あとは揚げるだけ。
海老にはさきに生の粉を振っておきます。
それから衣をドボドボッと付けて、油の中でサッと揚げます。
揚げ油の温度は170~175℃。
天ぷらの衣を落として、パチパチパチッとはじくくらいで良いですね。

せっかくのヅケ天を揚げる揚げ油。
ここにももう一工夫して、よりいっそうおいしい天ぷらにしませんか。

普通の揚げ油、天ぷら油の中に、ごま油をほんの少し足します。

風味が付いてすごくおいしい揚げ物になるうえに、油切れも良くなります。

「よく、高級な天ぷら屋さんは、行くとごま油の匂いがしますけど」

丹野みどりが言うように、高級料理店と同じことを家庭でも再現してしまおうということでしょうか。
そこで気になるのは、入れるごま油の量。

「あのね、これはね、やっぱしね、もったいないって気持ちも出てくるので」

さすが主婦の見方、関先生。各家庭のお財布事情も良くわかっています。
本当は50:50が良いとか、7:3が良いとか言いますが、揚げ油にお玉1杯分のごま油で大丈夫。すごく良い風味が出ます。

揚げるときのコツとしては、欲張らずに2,3本ずつ揚げましょう。
これは揚げ物の鉄則ですね。

余った衣でもう一品


先生が事前に揚げてきてくださった天ぷらが、丹野の目の前に並びます。

「見た目は立派な天ぷらです。衣の色も、いつもどおりの白い色ですよ」

言われても、ヅケにした天ぷらで、衣にも醤油味が付いているなんてわかりません。

サクッとよい音を立てて口にほおばる丹野みどり。

「天つゆを付けたり、お塩で食べたりしますけど、今日は何もつけなくて良い」

そして

「冷めてもおいしい」

ちょっとした一工夫。
ヅケにして天ぷらにする。
その衣も、つけダレを活かす。
しっかりと味が付いているので、天ぷらなのに、何もつけずに食べられる。
味がしっかりしているから、揚げたてでなくとも、なんともいえない揚げ物のおいしさが口の中いっぱいに広がります。

「あと、お上品なかき揚げがあるんですけど」

海老のヅケ天の横に目を遣る丹野みどり。

「衣はうまくいかないじゃないですか。ちょっと残るのね」

先生でもうまくいかないことがあるんだ、と驚きますが、天ぷらの衣の量は、なかなか計算して作れるものではありませんからね。

そんな残ってしまった天ぷら衣。
家にあるタマネギとかを、刻んで入れて混ぜちゃって、かき揚げにしてください。

サクッとこれまたよい音を立てていただく丹野みどり。
衣に味が付いているから、特に味付けしなくてもそのまま食べられる味です。
しかも普通のかき揚げとは全然違います。
衣の硬さも感じないし、衣自身がおいしいから、食べていても油っぽさがありません。
揚げ油にごま油を混ぜている効果か、ほんのり良い香りがしてきます。

家で揚げ物、しかも天ぷらというのは、なかなかハードルが高いと思いました。
しかし、この冷めてもおいしいヅケ天なら、まとめてあげてしまってからでもおいしくいただけます。
冷めてもおいしいので、お弁当に入れるのも良いですね。
余った刺身も同じようにヅケにして揚げて食べてもおいしそう。

「先生、ビールを持ってきてください」

おつまみにも良い味。
お花見のお弁当にも、みんなが集まる夕食にも、いかがでしょうか?

材料とレシピ


【 材料 】
・海老 8尾

・淡口醤油 大さじ1
・酒 大さじ3

・水 50㏄
・市販の天ぷら粉50g
・片栗粉 大さじ1/2
・新玉ねぎ 1個
・アミ海老 大さじ2
・薄力粉 大さじ1/2
揚げ油
・天ぷら油(又はサラダ油)
・胡麻油

【 作り方 】
①海老は塩水で洗い、殻をむき背綿をとる。真っ直ぐ揚げたい時は腹の方に切りこみをいれ、押さえるように伸ばしておく。
②海老の水気をふき取り、淡口醤油大さじ1、酒大さじ3のタレの中に10分ほど漬けこむ。
③海老を漬け終わった汁に、水50㏄を足して薄め、天ぷら粉50g、片栗粉大さじ1/2を加えてよく混ぜる。衣が固い場合は水で調整する。
④ヅケにした海老に生の粉をつけてから、衣をたっぷりまぶす。170~175℃の油で揚げる。温度の目安は天ぷら粉を落としてパチパチとはじくくらい。ごま油をおたま1杯ほど揚げ油に加えると風味が良くなる。揚げ油に海老を欲張って入れず2、3本ずつ揚げる。
⑤衣が残るのでかき揚げをつくる。新玉ねぎをうすく切り、アミ海老をまぜ粉を全体にうすくまぶし残った衣をまぜかき揚げにする。

(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年03月29日16時36分~抜粋

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