3月28日の『丹野みどりのよりどりっ！』「オトナのクリニック」は痛みについて。
今回は「痛みとペインクリニックに関する素朴な疑問」です。今回は痛みに関する質問を一問一答形式でご紹介します。
疑問に答えるのは、神経ブロックなど痛みの専門的な診療をおこなっている「きむらクリニック」医院長の木村智政先生です。
放っておいてもいいの？
Q1.我慢できる痛みなら放っておいても大丈夫ですか？
「痛みには、自然に治る痛みと治らない痛みがあります。痛みの原因、強さに応じて痛みの症状全体から総合的に判断して治療が必要か判断します。
例えば、一見、単純な腰の痛みでも内臓ガンの骨の転移で痛みが出ていることもあります。
なかなか治らないで、痛み以外にも発熱、全身倦怠感など、何らかの全身の合併症状を伴っている場合、これは痛みが危険信号を示していると判断されるので放置せずにご相談ください」
気象病、天気痛
Q2.雨の日や寒い日になると痛みが強くなるのはなぜですか？
「こういった現象、日常よく遭遇しますね。気象の変化に伴って症状が変化する病気、これを『気象病』と呼んでいます。その中でも痛みの変化を伴うものを『天気痛』と呼んでいます。
特に多いのが低気圧が近づいている場合。この時は耳にある内耳が過剰に反応して、自律神経のバランスが変化します。このため脳の変調が起きて、痛みに過敏になると考えられています。
人口の1割で見られますので、皆さんも経験されると思います」
ストレスと痛み
Q3.イライラすると痛みが強くなるような気がしますが？
「ストレスと痛みは密接に関連しますね。もともと痛みは心理的要素を含んでいるものです。
ストレスが続くと本来脳自体が持っている痛みを抑える神経系の働きが弱ってきます。このためにさらに痛みが悪化して、痛みの悪循環に陥ります」
痛み止めの市販薬はいつまで？
Q4.市販の痛み止め、どのくらい続けて飲んでもいいのでしょうか？
「いま一部の痛み止めの薬は、薬局で処方箋なしで誰でも購入できます。このため安易に市販の痛み止めを連用していますと、本来感じるはずの身体の痛みが発見できないために、重い病気を見逃すことがありますのでご注意ください。
また痛み止めの中に、副作用として胃潰瘍、あるいは腎障害を引き起こすものがありますので、これも気をつけてください。
市販薬の場合はせいぜい数日間の内服に限って、できれば長期の連用は避けた方がいいですね」
丹野「数日飲んでみて、治らなければ診てもらうということですね」
痛み止めが効かないとき
Q5.痛み止めが効かないことがあるのはどうしてですか？
「市販の痛み止めは神経由来の痛みには鎮痛効果がありません。市販の痛み止めの内服は、炎症を伴った急性の痛みに限ってください」
頭痛薬の連用はさける
Q6.頭痛がひどいですが、頭痛くらいでペインクリニックに行ってもいいですか？
「大人になってからの頭痛の多くは、首や肩の筋肉の過緊張による関連通と言われています。肩こり、首のこりから通常の頭痛が生じることは、私ども日常よく遭遇します。
ただ頭痛の中には脳疾患障害、こういった内科的な疾患が隠れていることがあるのでご注意ください。
頭痛薬を連用するとかえって神経が過敏になって頭痛が悪化する、いわゆる『薬物乱用頭痛』とよばれているものがあります。気をつけてください。できれば頭痛薬の使用は、ひと月に10日以内にしましょう」
肩こりはどうする？
Q7.肩こりに悩む方が多いです。どうしたらいいですか？
「実は肩こりでペインクリニックの外来受診される方は非常に多いです。
肩こりはもともと人間が二本足で歩きだしてから生じた病気と言われています。肩の筋肉は重い頭を常時支えています。このために首や肩の筋肉が緊張を強めて肩こりという状態になります。
まず規則的な運動、これが大事です。首や肩の筋肉の緊張をとって血行をよくすることが大事です。
循環を改善するビタミン剤、漢方薬がよく使われています。ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチが大変有効です。お風呂に入った後、血行がいい時にぜひやってみてください」
ペインクリニックに行く時
Q8.ペインクリニックに行く時に事前に用意するものはありますか？
「今飲んでいる薬があればぜひ教えてください。薬の内容によっては痛みの治療が変わることがあります。
それから健康診断の結果、あるいは他の病院で行った画像検査の結果、こういったものの手持ちがあれば持参してください。
紹介状についてはあれば参考になりますが、なくてもかまいません。気軽にご相談ください」
丹野は最後「頭痛、肩こり、こんなことでと思わずに、ぜひ診療をということですね」とまとめました。
（みず）
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