丹野みどりのよりどりっ!

温泉の衛生管理ってどうなってるの?

温泉が大好きな番組リスナーAさんからおたよりが届きました。

「週末になると家族で日帰り入浴ができる施設に出掛けるAさん。そして湯船に浸かりながらまったりしている時、施設のスタッフの方が試験管のような器具でお湯を採取しているのをよく見かけるそうですが、あれは何を調べているのか?」という疑問です。

そこで今回の「これってキニナル」では、今日は温泉の衛生管理にまつわるキニナルを調査しました。
お話は日本健康開発財団の後藤さんに伺いました。日本健康開発財団は、温泉やヘルスツーリズムに関する研究機関です。

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答えは塩素の計測


早速、温泉の衛生管理について丹野が伺いました。

丹野「確かによく温泉でスタッフさんが試験管のような器具でお湯を採取しているのを見かけますが、あれは何を調査しているのですか?」

後藤さん「お湯に残っている塩素を測っているケースが多いと思います。循環式浴槽では、レジオネラ菌の繁殖などを防ぐのに多くの場合消毒薬、つまり塩素が入れられています。レジオネラ菌が繁殖すると、肺炎になる事例が多く、管理は厳しくなっています」

丹野「数年前、レジオネラ菌が繁殖してお年寄りの方が肺炎にかかったというニュースもありましたよね。循環型の浴槽では、衛生管理が大事ということですね」

後藤さん「汚れは人が持ち込むということなので、そのあたりが大事ですね。また清掃が行き届いていない場所では、温泉の泥などに付着している場合もあります。そのため、1日最低2回は塩素のチェックは行い、1ℓあたり、0.2~0.4mgの塩素が保たれるようにしています」

プールなどではよく塩素の計測をしているのを見かけますが、温泉も同様に塩素の計測が行われていたのですね。

それでは、数時間おきに塩素の計測をしなければならないとか、なにか法律等で定められているのでしょうか?後藤さんによると、「公衆浴場における衛生等管理要領等について」など、厚労省で衛生マニュアルが定められているということです。

塩素が足りない時


それでは、塩素が足りていない時、温泉のスタッフさんはどうするのでしょうか?

後藤さん「浴場の配管の中に、塩素を注入できる装置があることが多いので、控え室のような場所からから塩素を注入し、循環させます」

丹野「よく温泉地で、かけ流しの温泉ってあるじゃないですか?そちらのほうはどうなんですか?」

後藤さん「かけ流しの温泉の場合は、お湯がオーバーフローして湯船の外に常にあふれ出ているので、塩素を入れないケースがあります。お湯が大量に流れ出ているかけ流しの温泉の場合は、塩素を入れていない施設もあり、その分、塩素の消毒の臭いがしません。そういう施設の中にある、お湯の成分などが書かれた表示板には『塩素を入れていません』などの表示もされています」

お湯が潤沢に流れ出ている場合は、ばい菌が繁殖しにくいとう理由から、塩素が入っていない場合があるんですね。

塩素による消毒以外の衛生管理


ここまでは、塩素による消毒について伺ってきましたが、それ以外の衛生管理についてはどうなっているのでしょうか?

後藤さんによると、浴槽のお湯は毎日抜いてきれいにする施設が多いということです。
多くのお風呂は、循環経路に「ヘアキャッチャー」がつけられていて、これも毎日清掃することが義務付けられているそうです。また、かけ流しの温泉の場合は、人数制限をしたり、人が多くなってきたら、お湯を大量に入れることで、汚れなどを湯船の外に出しやすくしたりしているそうです。

皆さんも温泉に行かれた時は、スタッフさんの動きにちょっと注目してみてはいかがでしょうか?
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年03月27日16時38分~抜粋

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