丹野みどりのよりどりっ!

竜王戦、名人戦の違いって何?基本から学ぶ将棋の対局

3月23日放送『丹野みどりのよりどりっ!』の「オトナのたしなみ」コーナーでは、「将棋観戦のたしなみ」というテーマで将棋を取りあげました。

藤井壮太六段のめざましい活躍ぶりや、漫画『3月のライオン』(白泉社)が映画化されるなど、昨年から将棋ブームが続いていると言われていますが、実際に将棋の対局を観に行ったことがある方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。

日本将棋連盟東海普及連合会事務局長で、名古屋市中区にある栄将棋教室の代表中山則男先生に、丹野が対局の基本的なことについて伺いました。

中山先生は、幼少時代の藤井六段を指導していた方でもあります。

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大会に出場資格はあるの?


まず、将棋の対局でよく聞かれる「竜王戦」など、いろいろなタイトルがある理由について中山先生に聞いてみました。

皆さんが読まれる新聞には将棋欄や囲碁欄がありますが、これはCMのように企業などがお金を払って載せてもらうのではなく、新聞社が日本将棋連盟にお金を払って棋譜(将棋の駒を進めた内容)を載せています。

大会の一番大きなスポンサーが新聞社であり、例えば竜王戦は優勝賞金が4,320万円なのですが、これは読売新聞から出ています。

そこで丹野が「この段になるとこの大会に出られるというように、出られる大会が決まってるんですか?」と尋ねたところ、中山先生は「四段以上のプロ棋士になれば、どのタイトル戦にも出られるんですが、名人戦は別です」と答えました。

四段になるとC級2組というクラスに在籍しますが、そこで1年間10局戦い、成績の上位3人だけがC級1組という1つ上のクラスになります。そこからさらにB級、A級と進み、A級で一番成績の良い人がやっと名人戦の参加資格を得るということです。

藤井六段の場合でも今度からC級1組で、仮にこれから全勝したとしても、名人戦に出場できるまで最低4年かかるとのことで、名人戦はいかに別格かということが分かります。

対局場所はどうやって決まる?


次に丹野が気になったのは、「対局を行う場所が将棋会館だったり、料亭だったりとまちまちですが、場所はどうやって決めているのか?」ということです。

中山先生は、「まず普通の対局は将棋連盟でやるんですけど、タイトル戦になるといろいろ地方を回ります。例えば毎日新聞さんなどの全国新聞だと、販促も兼ねて大会が全国で行われます。
王位戦は中日新聞社さんと神戸新聞社さん、徳島新聞社さんの3社連合による大会なので、名古屋や神戸、徳島などで行われるというように、場所は新聞社さんが決めます」と答えました。

また以前、藤井六段が頼んだ店屋物が何かということで話題になりましたが、途中で食事をしたりおやつを食べたりするだけでなく、対局が夜中に及んだりする場合もあり、それだけ時間がかかるということですが、将棋ってどうしてそこまで時間がかかるのでしょうか。

中山先生は、「時間があればあるほど考えたいもので、将棋は結論が出ないゲームです。ただし、ずっとは考えられないので、相手が考える時に休んだりします」と答えました。

最後に丹野は「名人戦への道のりの厳しさなど、今回初めて聞くことが多く、驚くことだらけだった」と感想を述べました。
(岡本)
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2018年03月23日16時38分~抜粋

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