丹野みどりのよりどりっ!

お腹にもお財布にも優しいスープ「五目雲呑(ワンタン)」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

2月のテーマは「心も体もぽかぽか!スープ」。
今回は「五目雲呑」です。

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くもをのむ


「雲を呑んでください」

今日のメニューは?という丹野の問いかけに、とんちのような答えを言う関先生。

「雲って、あの空に浮かんでいる雲ですか?雲は飲めません、先生。」

さすがの丹野みどりもさっぱりわからない様子。

「雲を呑む、と書いてワンタンなんですよ」
「ほう、勉強になります」

まるで雲を呑むように、ほわんほわんとした食感だからでしょうか。
白くて丸い形も、なんとなく雲のようですよね。

さて、そんなワンタン。手作りするのは難しいと考えている人も多いでしょう。

「私、簡単だと思っているの」

早速、関先生の"簡単な"作り方を教えていただきましょう。

まず、四角いワンタンの皮を買ってきます。
挽肉はやはり豚が良いでしょう。
お酒とかお塩とか、ごま油、ネギのみじん切り、ショウガのみじん切りを入れてよーく練ります。
あとは包むだけですが、

「包み方がね、難しいとみなさん思っているの」
「どうやって包めば良いかわからないですもん、形的に」

見当が付かないという丹野みどりに関先生がレクチャー開始。

「こう、四角いところがあって、端っぽのほうにお肉を入れたら、ぐるぐるっと斜めに巻いていけばいい。で、半分まで巻いたら、ぺたっと半分に折ればそれだけでいいの。
わかった?いま」

擬音多めの滑らかな説明に丹野みどりの頭の中はクエスチョンマークでいっぱい。

正方形になっているワンタンの皮の、四つ角の内の一つの角の隅に、お肉をちょこっと乗せます。対角線に向かって斜めに巻いていきます。半分くらい巻いたら、残っている部分は三角形になるので、お肉も一緒に折り曲げるように、半分にぺたっと折って皮をひっつけます。

丁寧に言われても、丹野みどりはまだピンと来ていない様子。

「ちょっとよく考えてみて、最後までに」

見かねた関先生は明るく笑い飛ばします。

「いまだによくわからないけど、適当にぐちゃっとやればいいですね」
「とにかく、お肉が出なければ良いんですよ、ということで、いきましょう」

丹野みどりの雑なまとめ方にめげずに先を進める、甲斐甲斐しい関先生でした。

ワンタンを包んだら


無事にワンタンを包みましたよーとなったら、たっぷりのお湯を沸かして下茹でをします。
ワンタンが1回プーッと浮いてきたら、差し水をしてください。
落ち着いたあと、もう一辺浮いてきます。ふわーっとしてきたら、30秒くらい待って、掬い上げます。
そしたら、個々の器にもうワンタンを盛り付けてください。

「お父さん、7個。私、3個とか、そうやって分ければいい」

ハハーと笑う丹野みどり。関先生の家庭の様子が透けて見えてきます。

「あれですね、先生。水餃子を作る感覚でいいですね」

丹野みどりの気づきに拍手を送る関先生。

「餃子はタックを寄せるんだけど、ワンタンなんか包んじゃえばいいという感じでいってください」

さて、ワンタンを下茹でした茹で汁は、このあとのお料理で活かしたいので、捨てずに残しておきましょう。

ワンタン以外の具材も用意します。
今日はちょっと豪華にエビとか、戻した干ししいたけとか、たけのことか、ニンジンとか、もやしとか、チンゲン菜とか。
“五目”ワンタンですので、いろいろな種類の具材を用意してください。

切り方は薄切りがよいでしょう。
もやしは時間があれば根っこをとっておき、チンゲン菜はザクザク切っておきます。
白菜があれば白菜でもよし。
家にあるもの、冷蔵庫にあるものなど、野菜はお任せです。

フライパンやお鍋にごま油を入れたら、そうした具材を炒めます。

火が通ったかな、大して通すこともないのでさっさっさーっと炒めて、表面が艶っぽくなったところに、ワンタンを下茹でした茹で汁や干ししいたけの戻し汁を入れます。
合計で5カップくらいになれば良いわよーという感じです。

豪華な五目


見た目はスープに近づいてきました。お酒を入れて、味を見ます。
下茹でしたワンタンからにじみ出た味、そして炒めた野菜の味で結構いい感じの味に仕上がってきています。

そこに加えるのは、淡口醤油。五目の色目を大事にします。
ワンタンの汁の具合など、いろいろなものの影響で味が変わってくるので、味見しながら調整して入れます。

こんなもんかなー、こんなやさしい味かなー、あ、おいしくなったなー、と思ったら、先にワンタンを入れておいた個々の器にザッザッザッと具材ごとスープを注ぎます。
ワンタンの表面も温まっていい感じ。

「先生、なんて豪華なおかずなんでしょう」

もはやスープの域を超えています。

「豪華かな?」
「だって、具がいっぱいだもん」
「ワンタンで使った挽肉、100gしか使っていないのよ」

具材ももやしが入りますし、おなかだけでなく財布にも非常にやさしいスープ。

「見た目が、ちょっともうお正月かな、という感じの」
「丹野さん向きに、ちょっとエビを奮発したからねー」

道理で豪華に見えるわけですね。「ありがとうございます」としか言えない丹野みどりです。

たかがスープ、されどスープ


それでは早速スープから。

「甘い!」

飲んだ瞬間叫ぶ丹野の「甘い」という言葉に、今度は関先生の頭の中が疑問符。
旨味、甘みが出ていて、まるでお出汁を飲んでいるみたいです。

「お醤油のスープ、ってイメージしていただくのと、まったく違います」

これはお酒が入っているので、酒の旨味ももちろんあります。ワンタンの茹で汁も良い仕事をしています。

さて、その包み方に苦戦していたワンタン。

「ワンタンは茹でると、几帳面にくるくる巻こうが、折ろうが、どうでもいい感じになってる」

出来上がったスープを見た丹野みどりは、にべもない言い方でばっさりとワンタンの包み方の説明を切ります。

「んー!ワンタンってこんなにおいしいの?」

それでも一口食べると味は裏切りません。

「私、水餃子みたいですね、と言いましたが、作り方はそんなイメージですけど、餃子を茹でた時の重いもっちり感ではなく、ワンタンの皮はもっと薄いですし、もっとトゥルンとしていて、他の具材・スープととても絡みますね」

そして、食べていてもう一つ発見をした丹野みどり。

「先生、ポイントだと思ったのは、あんまり欲張らずにお肉を入れないことですね」

お肉が入り過ぎると、ワンタンが重くなってしまい、雲のようなふわふわ感から遠ざかってしまいます。
今回のスープは、関先生の料理教室の方にも手伝っていただいて作ったそうですが、そのワンタンでさえも関先生から見れば、お肉を詰めすぎ。
料理素人は、なおさらお肉をたくさん包みがちです。ワンタン作りに関して言えば、ケチりすぎ、と思われるくらいがちょうどいい量を包めていることになりそうですね。

今月は4週間にわたってスープ料理を教えていただきました。
しかし、初回のさつま汁から、思い返せばどれも豪華な「おかず」でした。

「汁物にしちゃうと、すごく簡単に考えて、中に入るものにも大してこだわらない。その辺にあるものをちょっと刻んで入れておこうか、って感じ。だけどやはり汁物に力を入れると、特に寒い冬は体も温まって、栄養的にもいいんですよ」

2月のテーマのスープ料理にかける思い。関先生の言葉もスープのように、温かく心にじんわりと染み渡ります。

「さつま汁もそうだったんですけど、軽いご飯があればエンドレスに食べられます」

しっかり食べて、風邪に負けない身体を作りましょう。

材料とレシピ


【 材料 】
・ワンタンの皮 1袋
・豚ひき肉 100g
A・酒 大さじ1/2
・塩 少々
・胡麻油 大さじ1/2
B・ねぎ(みじん切り) 大さじ4
・生姜(みじん切り) 大さじ1/2
・海老 8尾
・干ししいたけ 4枚
・タケノコ(水煮) 50g
・人参 1/5本(30g)
・もやし 1袋
・チンゲン菜 1株
C・水(ゆで汁) 5カップ
・酒 大さじ3
・淡口醤油 大さじ4
・生姜 親指大

【 作り方 】
①豚ひき肉に、酒・塩・胡麻油を入れよく混ぜ合わせる。そこにねぎのみじん切りと生姜のみじん切りも入れよく練る。
②正方形のワンタンの角1つにたねを少し乗せ、対角線に向かって斜めにくるくる巻く。半分ほど巻いて三角に残ったら、さらに半分になるようにぺたんと折る。
③たっぷりの湯を沸かして、ワンタンを下茹でする。一度浮いてきたところで差し水をして落ち着かせ、再度浮いてきたところで30秒ほど待ち、すくい上げて器に盛る。
④ワンタン以外の具材は、家の冷蔵庫にあるものでいい。五目なので色々な種類を用意。
今回は海老や干ししいたけ、タケノコ、人参、もやし、チンゲン菜。海老は塩水で洗い皮を剥き背腸をとる。干ししいたけは戻し薄切りに。(もどし汁1カップ残す)
他の野菜も薄切りにし、もやしは時間あれば根をとり、チンゲン菜は3㎝の長さにざく切り。生姜は皮をむいて千切り。
④フライパン又は鍋にごま油を大さじ1入れ、具材をさっと炒める。表面が艶っぽくなったところで、ワンタンを下茹でした茹で汁、又は水としいたけの戻し汁合計5カップを入れる。酒と味を見ながら淡口醤油を入れて味を調える。胡麻油と生姜をいれ、ワンタンの器に注いで完成。
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年02月22日16時32分~抜粋

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