丹野みどりのよりどりっ!

なぜ月によって30日だったり31日だったりするのか?

普段はリスナーから送られた日常にある素朴な疑問を解決する「これってキニナル」ですが、2/20は、パーソナリティの丹野みどり自身のキニナルでした。
丹野が「気になっていることがあるんですよ」と話を切り出します。

「なぜ1カ月が30日だったり31日だったりするのか?どうして1年は12カ月なのか?
すごく気になります。今年も2カ月目に入っていますが、こういう日付のことを考えると、気になって眠れない日々を送っております」

そこで今回はこのキニナルについて、国立民族学博物館名誉教授 兼 吹田市立博物館館長で一般社団法人日本カレンダー暦文化振興協会理事長の中牧弘允さんにお話を伺いました。聞き手はもちろん、丹野みどりです。
中牧さんは、宗教の研究、とくに日本人移民と宗教、日本の会社と宗教などを研究していて、また、宗教と関係が深いことから、カレンダーや暦についても、25年ほど収集や調査をしていらっしゃいます。

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1年が12カ月の理由


早速、本題の「なぜ1年が12カ月なのか」を丹野が伺いました。

「まず、暦には、太陽暦と太陰暦があります。太陰暦とは月の満ち欠けが平均29.5日で一巡することに基づく暦です。そのため、太陰暦では1カ月29日だったり、30日だったりしたわけです。一方、太陽暦とは地球が太陽の周りを平均365.25日で一周することに基づく暦です」

丹野「ちなみにこの現代の世界において、太陽暦を採用しているとか、太陰暦を採用しているとか、地域によって差があったりするものなんですか?」

「我々は太陽暦で生活していますけれども、イスラムの人たちは純粋な太陰暦で12カ月の生活を送っていますから、毎年11日ずつくらい繰り上がっていくわけですね。季節と関係なく、年が巡っていくという暮らしをしていますね。」

丹野「つまり、厳密に言うと、太陰暦で生活している人は、29.5日×12カ月で354日なんですね。でも太陽暦の場合は、1年365.25日で、先生が先程言われたように、11日ズレが出てきます。このズレはいいんですか?」

「このズレを調整するために作られたのが太陰太陽暦です。中国やインド、ユダヤ歴では、太陰太陽暦でして、これは約3年に1回閏月を入れます。」

つまり、太陰太陽暦で生活している国や地域は、1年が13カ月になる年があるということですね。

1カ月の日数が決まった理由


それでは、1カ月の日数が30日だったり、31日だったりするのはなぜでしょうか?

「現在日本で使われている暦は古代ローマの暦をもとにしているからです。古代ローマでは太陰太陽暦をもとにした暦で生活していましたが、カエサルという政治家が暦を変えようと、エジプトの太陽暦を導入しました。切り替える前の末期のローマ暦のひとつきの日数は1月から順に、29,28,31,29,31,29,31,29,29,31,29,29で、1年355日でした。つまり、切り替える前と後では、10日分のズレが生じてしまうので、この10日分が各月になるべく均等になるよう割り振られました」

丹野の「カエサルさんが『この月を30日にしよう』とか、『31日にしようとか』は思いつきですか?」との疑問に対する中牧さんの回答は…

「ランダムですね」

元を辿っていくと、今の暦は案外適当に決まったのですね。

ちなみに、2月だけは28日しかないのも、古代ローマの暦に倣っているからだそう。
古代ローマでは3月始まり、2月終わりの暦を使っていて、年末に日付を調整していました。そのため、古代ローマの暦で2月だけは日数が少なくなっていました。2月が28日しかないのは、現在もその流れを引き継いでいるからなんだそうです。

聞けば聞くほど暦の世界って不思議ですね。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年02月20日16時35分~抜粋

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