丹野みどりのよりどりっ!

岸谷五朗と寺脇康文に聞く「地球ゴージャス」名前の由来とは?

2月16日放送『丹野みどりのよりどりっ!』では、俳優の岸谷五朗さんと寺脇康文さんがゲストに登場しました。

岸谷さんと寺脇さんが組む演劇ユニット「地球ゴージャス」は今年で結成24年目となり、15作品目の公演『ZEROTOPIA』が5~6月に愛知でも行われます。

前回は10万人を動員、今回は12万人の動員予定と、今や大規模な公演となっています。

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「地球ゴージャス」結成のきっかけ


まずは丹野が、あらためて「地球ゴージャス」を旗揚げした理由から伺いました。

三宅裕司さん主宰の劇団「スーパーエキセントリックシアター(SET)」で10年在籍していた中で、劇団の良さを知り尽くしたそうです。

そこで、演劇人として自分たちのテーマで芝居を作っていかなければならないと考えた時に、劇団の良さとは違うことをしようと思ったそうです。

自分たちで劇団を作ると、所属している劇団員で脚本を割ることになるので、自分たち以外は固定のメンバーを持たず、脚本に合ったキャストを世界中から呼んで良い環境を作ろうと考え、2人だけの演劇ユニットを作ることにしたそうです。

今回の『ZEROTOPIA』でも、総勢35名のキャストが出演されます。

そして「地球ゴージャス」という名前の由来ですが、これは初回公演が行われた1995年に発生した阪神・淡路大震災が関係しています。

大変な災害を目の当たりにし、「料理人や大工などは被災地で役に立つが、役者という職業としては何の力にもなれない、一番要らない仕事じゃないのか」と感じて落ち込んでいました。

しかし、あるドキュメンタリー番組で、内戦が起こっている国でケガをした子供や兵士たちが映画を観て笑っている姿を観て、「俳優業は唯一、人の心に栄養を与えることができるのではないか」と感じたそうです。

そこで、あえて広い視点に立って、「地球の人々を豊かにする、地球をゴージャスにしよう」と思ったところから付けた名前なのです。

岸谷さんも最初は変な名前だなと思っていたそうですが、最近は2人とも名前がちょっと心に染みて来たそうです。

作品に込めた思いとは


『ZEROTOPIA』の大まかなあらすじについて、脚本を書いた岸谷さんに伺いました。

「巨大な客船が沈没し、深い過去を持った登場人物たちが無人島に流れつくのですが、そこは地図にも載っていない色彩の無い島で、実はある陰謀によって計画的に沈没させられていた。
無人島に流れ着いた人々の生き方が交差する中で、何もないゼロの島、ゼロトピアがユートピア(理想郷)になるのか、ディストピア(絶望郷)となるのか……」というものです。

この話の発想の元になったものについて、岸谷さんは「毎回新作を打つ意味は、その年代に自分たちがどう生きているかというのが反映されること」で、「前作の上演が終了後、たぶん自分の頭の中にあるいろんなものがまとまっていると思うんですけど」と語り、その点で「2018年ならではの作品だと思います」と答えました。

丹野は作品に反映されるものについて、「例えば世界情勢であったり、日本国内のニュースであったり」とした上で、「ニュースを観ていて腹が立ったり、『なんでこうなんだ!』と思ったりすることが、(前作でも)散りばめられてますよね」と語りました。

ただし、岸谷さんは「(社会の現状に対する思いを)ぶつけるだけではなく、(地球ゴージャスの公演の)到達点はお客様が明日生きる元気を持って帰って欲しいというもの」とし、メッセージを伝えるだけではなく、エンターテイメント要素がふんだんに入っていると答えました。

寺脇さんは最初に脚本を見た時の感想について、「五朗ちゃんの今の世界の見方がすごく出ている作品で、テーマが正面からドカンと入ってきている。すごく重いテーマだったりもするんですが、今の自分たちの歳(から考えると)、逃げずに正面から行った方が良いと思った」と、答えました。

公演前なので具体的な内容は明かせないとのことですが、エンターテイメント性とメッセージ性が両立した作品に仕上がりそうです。
(岡本)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年02月16日16時32分~抜粋

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