丹野みどりのよりどりっ!

ご飯が進む!おかずで汁物の贅沢「さつま汁」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

2月のテーマは「心も体もぽかぽか!スープ」。
今回は「さつま汁」です。

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鹿児島県の郷土料理


「強そうなお汁でしょ」と関先生。

昔、薩摩藩の武士たちが、闘鶏で負けた薩摩鶏を使って作ったお汁だそうです。
麦味噌の白味噌を使って作りますが、全国区になっているようですので、名古屋の人にも好きになってもらえるようにと、関先生のアレンジレシピです。

まず、鶏肉はぶつ切りで骨付きのものを買いましょう。骨付き肉は、味が出ます。
それから、出汁用の昆布。
あとは、具材として、大根やニンジン、里芋。イモ類はサツマイモでも良いでしょう。
体が温まる根菜類がおススメです。
そして、干ししいたけを戻して使います。
材料としてはこれくらい。それほどたくさんの食材を用意する必要はありません。

それではさっそく作り方です。

鍋に分量のお水を入れます。
そこに、汚れを落とした昆布も入ります。
それから、鶏肉もドーンと放り込んでください。

鍋をまず強火にかけます。
沸騰直前に昆布は取り出しましょう。
これは、おいしい出汁を取るためのポイントです。
沸騰してきましたよ、となったら、灰汁を取ってください。
そのあと弱火にして、コトコトコトコト10分くらい煮て味を出します。

煮ている間に他の材料の下準備です。
まずは、干ししいたけ。早いうちに、ひたひたくらいのお水で戻しておきます。
しいたけの戻し汁は、使うとおいしさがグッと増すので、とっておきましょう。
しいたけは4つくらいに切っておきます。

大根とニンジンは皮つきのままでOK。

「皮付きで良いですか!」

一手間楽になって嬉しそうな丹野みどり。
大根は1cm幅のいちょう切り、ニンジンは半月に切りましょう。

「さすがに里芋は皮を剥いてくださいね」笑いながら釘を刺す関先生。
皮を剥いたら厚めに切ります。
1cmよりも厚いくらいでよいでしょう。輪切りにします。
その前に、塩を振ってくちゅくちゅくちゅっと揉むと、ぬめりが取れますよ。

干ししいたけの素朴な疑問


さて、昆布のだし汁で鶏肉を煮ること10分。
経ったわねーとなったらそこに、しいたけと戻し汁を入れましょう。
戻し汁の量は、たっぷり入れてしまって大丈夫。
干ししいたけがひたひたになる量ですから、おそらく1カップほど。
全部使っちゃってください。

「干ししいたけを戻す時に、何か下のほうに粉々みたいなものが沈殿しますよね」

丹野みどりが日頃の疑問をポツリと口にします。
あの辺は避けて、上澄みの戻し汁だけ使えば良いのでしょうか?

「そこまでね、気にしなくて良いと思う」

干ししいたけは、濡れ布巾で拭いて汚れを落としてから使うので大丈夫。
気にせずに1カップバサーッと入れてください。

大根、ニンジン、里芋などの具材も入れてしまって、ぐつぐつぐつぐつ煮ていきます。
里芋に火が通ったら、いよいよお味噌の登場です。

使う味噌は、白味噌。

この地方では、赤味噌が多いわけですが、ここは断然、白。
具材の色を出したいですし、もともと麦味噌で作る料理ですので、おいしさの点でも白味噌です。
煮汁を使ってしゃかしゃかしゃかっと溶き入れましょう。

味噌が入ったらぐらっぐらっは絶対ダメ。
ぐっつぐっつぐっつぐっつさせましょう。

味噌汁ではない!


だいぶ完成に近づいてきました。
しかし、これだけではただのお味噌汁の延長。

そこで、さつま汁になるために入れるのは、お醤油。

それならばやはり入れるのは、淡口醤油でしょう。
色もそのまま、素材の味を引き立たせることができます。

大根もおいしそう、ニンジンもおいしそう。
そんな具合に煮上がったら、これでできましたーという感じです。
味の微調整は、味噌ではなく淡口醤油で加減すると、おいしいさつま汁になります。

ネギと七味唐辛子の薬味が乗ったさつま汁が丹野みどりの目の前に出されます。
まずはお汁から。

「なるほど、先生、これは決してお味噌汁ではありません」

この季節、根菜と豚肉で豚汁をよく作る丹野みどり。
豚汁はお味噌汁の範疇ですが、これは決して、豚肉を鶏肉に代えた汁ではありません。

干ししいたけを戻したもの、あらゆる根菜、骨付きの鶏肉。
すべての旨味が出ていて、そこに白味噌と淡口醤油が良く合います。
スープだけでまずおいしい。
先生の言葉を聴きつつ、スープを飲む手がとまらない丹野みどり。

「これとおいしいご飯だけあれば、ほかにおかずはいらない」
栄養バランスがとても良いし、鶏肉から出る油も、元気が出る味を作り出しています。

鶏肉。
大根。
干ししいたけ。
ほお張るたびに、丹野みどりが「んんー!」と叫ぶ声が大きくなります。

「日本人のね、基本的な汁物だと思うの」
関先生が思いの丈を言葉に乗せます。
これ一つでご飯が何杯でも食べられてしまう。汁物であり、おかずであるぜいたく。

「ぜひみなさん、こういうお料理をどんどん作ってください」

材料とレシピ


【 材料 】
・鶏肉(骨付きぶつ切り肉)400g
・昆布(だし用) 10センチ
・水 4カップ
・干し椎茸 4枚(+もどし汁 1カップ)
・大根 1/6本(300g)
・人参 1/2(80g)
・里芋 2個(200g)
・白味噌 40g
・淡口醤油 大さじ2
薬味
・ネギ
・七味唐辛子

【 作り方 】
①鍋に分量の水を入れ、汚れをおとし切りこみをいれた昆布、骨付きの鶏のぶつ切り肉を入れる。鍋を強火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。一度沸騰させ、灰汁を取り、弱火にして10分ほど煮る。
②干し椎茸は濡れ布巾で拭いて汚れを落とし、1カップほどの水で戻し、4つに切っておく。椎茸を戻し汁ごと鍋に入れる。
③大根は1㎝幅のいちょう切り、人参は半月切りにする。(皮は剥かなくていい)里芋は皮を剥いて1㎝よりも厚めの輪切りにする。塩を振って揉むとぬめりが取れる。
④切った具材を鍋に入れて煮る。里芋に火が通ったら、白味噌を煮汁で溶きながら入れる。煮立たせないように注意する。淡口醤油を入れて、味の濃さを加減する。
⑤あれば、ネギや七味唐辛子などの薬味を乗せて完成
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年02月01日16時35分~抜粋

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