丹野みどりのよりどりっ!

海の上にも国道があるって本当!?

日常にある素朴な疑問・気になって仕方がない「アレってなんで?」といったリスナーさんから送られた『キニナル』を番組チームが調査し、さらに詳しい方々に教えていただくコーナー「これってキニナル」。

本日取り上げたのはドライブが趣味だというリスナーさんからのキニナルです。

「ある日、道路地図を見ていたら、海を隔てているのに、同じ番号の国道があることに気づきました。橋は架かっていません。海の上にも国道が走っているということでしょうか?気になります」

そこで、1/30のキニナルは「海の上にも国道はあるのか」について、国土交通省の井上さんにお話を伺いました。
聞き手は丹野みどりです。

[この番組の画像一覧を見る]

そもそも国道とは?


本題に入る前に確認しておきたいこと、それは「そもそも国道とはどのように定義されているのか」ですね。井上さんに伺いました。

「『道路法』という法律では、国道は"全国的な幹線道路網を構成する道路"とあり、大きく"高速自動車国道"と"一般国道"の2種類があります。ただし、一般的には"高速自動車国道"は"高速道路"と言われて、"国道"というと"一般国道"のことを指す場合が多いです」

高速道路も国道に分類されるんですね。普段「高速」と略して呼んでいるせいか、筆者にはあまりその認識はありませんでした。

海の上の国道とは?


国道の意味がわかったところで早速本題に入ります。
海の上にも国道はあるのか?
井上さんによると、「ある」とのこと。一般的に、地図上で海の上を通過している国道は"海上国道"と言われているそうです。

「どうして海上国道なんてものがあるんですか?」

丹野が問いかけます。

「一般的に国道というのは、都道府県庁所在地などの主要な都市、重要な空港・港湾、高速道路の3点を連携して結ぶ道路が対象として選ばれ、出発地と目的地、いわゆる"起点"と"終点"が必ずあります。そのため、たとえ経過地に海があっても、そこが"起点"や"終点"でなければ、その度に、国道番号を変えたり、新しい番号を割り当てたりすることはせずに、海の上を通過する1本の国道としています」

そうした国道には海を渡るための何かしらの移動手段はあるんでしょうか?

「はい、橋やトンネルで海を渡る区間を除けば、海上区間が陸路と繋がる箇所には必ず港があり、その多くはフェリーなどで渡ることは可能です。ただし、陸上を走る道路のように標識もありませんので、一般には、海の上のどこが国道なのかは、わからないのが実態です」

「港があればフェリーで渡れますし、想像上に国道があるというわけですね」と丹野。

海の上に国道がある理由は、そもそも国道という道路の性質によるものだったわけですね。

実際の海上国道


海の上の国道について学んだところで、その数はどのくらいあるのでしょうか?
井上さんによると、海上国道は全国で約30路線あるとのことでした。

「東海地方では、例えば静岡県浜松市から和歌山県和歌山市を結ぶ国道42号が、海上国道に該当します。この国道42号は渥美半島の伊良湖岬から三重県の鳥羽港の区間が、伊勢湾フェリーで繋がる海上国道となっています」

国道42号、地図で見ると確かに海を隔てて繋がっていますよね。それでは日本で一番長い国道はどこにあるのでしょうか?

「全国で一番長い海上国道は、九州南端の鹿児島市と沖縄県の那覇市を繋ぐ、国道58号になります。この国道58号は、鹿児島県鹿児島市から種子島、奄美大島を経て、沖縄県沖縄市に至る、総延長約880kmの国道で、このうち約7割にあたる約600kmが海上になりますが、こちらも島と島の間にはフェリーが運航しています」

「地図で確かに国道の数字辿っていくと『あれ?途切れてるじゃん!』と思いきや、『こっちで続いているじゃん!』となったりしていたんですが、納得いたしました」と丹野。

みなさんも日本地図を広げて海上国道を探してみてはいかがでしょうか?
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
この記事をで聴く

2018年01月30日16時35分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報