丹野みどりのよりどりっ!

まるで割烹!ふろふき大根の肉味噌がけ

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

1月のテーマは「冬の味覚!大根料理!」。
今回は、「ふろふき大根の肉味噌がけ」です。

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エグミを取る米


「ふろふき大根っていうとね、ふーふーふーって言ってね、食べるお大根の料理じゃないですか」
ふろふき大根という名前はもしやそこから?と思わせるお茶目な関先生。
ちょっと分厚くカットされた大根がおいしいのですが、中まで柔らかくならない、味が染み込まないと相場が決まっております。

「ちょっと私のね、マル秘テクニックが入っているんです」

関先生のテクニック!さっそくお願いします。

大根はやはり厚く切ります。3cmくらいの輪切りが良いでしょう。
皮も厚めに剥いたら、隠し包丁を入れます。
片面に十文字の切れ込みを入れましょう。

「そうするとね、普通だとここで米の研ぎ汁が登場して、コトコト下茹でをするんですが」

先週教わったばかりですね。大根の苦味やエグミを抜く方法です。
しかし、今回はこの鉄板の方法を封印。いったいどうするの?

大根が浸るくらいの量のお水に、出汁昆布をポンと入れたら、ダイレクトにお米を入れます。

「研ぎ汁じゃなくて、お米粒を入れるわけですね!」
「いいの、いいの。それでいいの」

流れ出た成分ではなく、米そのものを使ってしまうという発想に脱帽です。

そしたらそこに、淡口醤油を大さじ1杯ほどいれます。
うっすら下茹でする感じです。
沸騰するまでは蓋を外して、蓋をしたらコトコトコトコトコトコトと、40分から45分くらい煮ます。

普段の料理は30分以内に抑える丹野みどりは、あまりの長さに閉口します。
「やっぱりそれぐらいの時間をかけることが」
「これはかけてほしい」
関先生の強い口調。おいしいふろふき大根作りには欠かせない工程みたいですね。

とろみをつける米


大根を煮るときに入れたのは、大根が浸る4カップほどのお水でした。
この、水の状態から茹でる、というのも大切です。

「根菜系はね。沸騰した中に入れると、まわりだけが柔らかくなっちゃって、中までなかなかこないの」

水からゆっくりじっくり加熱をすることも、大根に味を染み込ませるポイントなのですね。

40分以上しっかり煮たら、あとはもう超特急で出来てしまいます。

まずは、鍋で煮ていた大根を器に移します。
鍋に残っているのは、ちょっぴり膨らんだ米粒が残った、お醤油ベースの大根の茹で汁。
出汁昆布は取り出しましょう。
そしたらこのお鍋の中に、鶏のむね挽肉を入れちゃって、わーと沸騰させて、わーと箸で捌いてやります。

「米とこう混ざっちゃって、どれが米でどれが肉かわかんなくなっちゃうわけ」
「まあ、色的にもそうですよね」

大きさも似たようなものですよね。米粒と鶏そぼろ。

鶏ミンチも入った大根の煮汁。
実は、米粒が入っていたので、大根スープと同様にとろみもばっちり付いています。
そのとろっと具合は、片栗粉を入れたときと同じような濃度。
砂糖、酒、淡口醤油を入れて味を調えたら、肉味噌の出来上がりです。

炒めることもないので、とってもヘルシー。
全部鍋の中に放り込んでしまうので、無駄になる部分もありません。
よい味加減に調整できたら、ごま油で風味付けをするとおいしくなります。

あとは、器によけておいた大根に、この肉味噌を上からかければ完成です。
大根の上に、ネギのみじん切りやショウガのみじん切りを乗せるとさらにおいしくなります。
ネギではなく、大根の葉っぱを湯がいてトントンと刻んだり、先ほど取り出した出汁昆布を細かく切ったりして乗せるのも良いでしょう。
練辛子なんかを添えても合いますね。

挽肉に合う米


丹野みどりの目の前に、鶏肉がぽろぽろっとかかったふろふき大根が置かれます。
まずは色目がとてもきれい。
淡口醤油を使っているので、食材の色そのままです。

「うわ!もうお箸でこの大根が、ふわって切れますよ」
分厚く切られた大根が、力をいれずに箸で切れることに感激する丹野みどり。

「一口目の感想を聞きたいわ、私」
ふふふ。と笑う関先生に、
「ものすごいハードル上がっているけど大丈夫かしら」

おっかなびっくりしながらも、いただきます、と口に運びます。
ちょっと大きめの大根を口いっぱいにほおばりながら、そのまま「おいしー!」と叫びます。

「先生、これ、すぐ作りたい」

えー、40分も大根煮るの、と若干引いていた丹野みどりの心を動かす味とやわらかさ。
それだけではありません。

「先生、まさかのお鍋が1個で済んでいる」
「そうよ」

料理を鍋1個で済ませたい派の丹野みどりには朗報。
40分そばについてコトコトさせる必要はありますが、お鍋にまかせっきりなので本当に手間要らず。

味はいわずもがな。肉味噌の餡が、良い塩梅の塩気です。
淡口醤油の旨味が、米と大根に良く合って、やさしい餡の味を生み出します。
水溶き片栗粉と同じ程度のトロミで、粉臭さがないので、味のやさしさが違います。

「もう、これ、割烹ででてくるみたい」

関先生に作って持ってきていただいた時は、もうすっかり冷めていましたが、それでも大根は柔らかくとろけるようにおいしい。
甘すぎず辛すぎないやさしいしょうゆ味の餡に、微妙に違う米粒の食感と鶏そぼろの食感が相まって絶妙です。
小料理屋の味、ぜひご家庭でいかがでしょうか?

材料とレシピ


【 材料 】
・大根(3㎝) 4切れ

・水 4カップ
・出汁昆布 5㎝(10g)
・米 1/4カップ
・淡口醤油 大さじ1
・とり挽き肉(胸)150g
B
・砂糖 大さじ1・1/2
・酒 大さじ2
・淡口醤油 大さじ4
・胡麻油
C
・ネギ(みじん切り)大さじ4
・ショウガ(みじん切り)大さじ1
・大根の葉
・からし

【 作り方 】
①大根は皮を厚めに剥き、3㎝ほどの厚めに輪切りにする。片面に十文字の切れ込みをいれ、鍋に並べる。
②鍋に大根が浸る4カップほどの水と、出汁昆布を入れて米粒を入れる。淡口醤油大さじ1を入れ、沸騰したら蓋をして40~45分ほど時間をかけてじっくり煮る。
③茹だった大根を器にとり、出汁昆布も取り出す。残った米と煮汁の中に鶏むねの挽き肉を入れる。箸で捌きながら米粒と一緒に沸騰させる。
④煮汁には米汁からのとろみが付いているので、砂糖・酒・淡口醤油で味付けする。
⑤味が調ったら、ごま油で風味付けをしてネギまたは大根の葉のみじん切り、ショウガのみじん切りやからし、先ほどの出汁昆布を切って添える。
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年01月18日16時36分~抜粋

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