丹野みどりのよりどりっ!

知らずになっていることもある「ウイルス性肝炎」

『丹野みどりの よりどりっ!』「オトナのクリニック」では、「お酒と肝臓」について取り上げています。
1月17日放送は「ウイルス性肝炎とお酒」についてです。お話を藤田保健衛生大学肝胆膵内科准教授 川部直人先生に伺いました。

日本人の40人に1人の割合でかかっているという「ウイルス性肝炎」とはどんなものでしょう。本人が罹っていることに気づいていない場合も多いそうです。聞き手は丹野みどりです。

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40人に1人がウイルス性肝炎


-まず、ウイルス性肝炎とはどういったものでしょう?

川部先生「ウイルス性肝炎は"国内最大級の感染症"と言われています。肝炎のウイルスに感染している人は、300万人~370万人にのぼるという統計もあり、これは日本人の約40人に1人の割合になります」

丹野は「多いですね」とびっくり。「自分が肝炎ウイルスに感染しているかどうか、気づいてない人もいるんですか」

川部先生「意外と多いです」

B型とC型は肝癌の原因にも


-ウイルス性肝炎は怖いですか?

川部先生「現在、ガンの死因で4番目に多いのは肝癌ですが、原因のおよそ7割がB型、C型の肝炎のウイルス性肝炎です」

-そもそも肝炎ウイルスはどうやって感染しますか?

川部先生「昔は水や食べ物からのウイルス性肝炎が多いと言われていたのですが、そういったのはA型肝炎、E型肝炎で、これらは慢性化しません。
慢性化して肝癌のもとになるのはB型とC型の肝炎です。
それらは血液や体液から感染します。B型肝炎は昔は"母子感染"といって、母親の産道を通る時こどもに感染していましたが、現在は母子感染の予防方法が確立しています。ですからほとんど母子感染は予防できます。
成人してからのB型感染は性行為感染が主ですが、他にも例えば、かみそりを共有したりで感染したりすることはあります」

自覚症状がなくても検査を


-B型肝炎にしろ、C型肝炎にしろ、どうやって感染したかわからないまま、ウイルスを持っている人が多いわけですか?

川部先生「はい、感染経路不明の人も多いです。ですから感染の機会の心当たりがなくても、肝炎ウイルスの検査を受けることが大事です」

-自分で自覚症状があるから受けるとはいかないですか?

川部先生「日本ではウイルス性肝炎にかかっている人の通院している人は3分の1くらいだと言われていて、残りのは3分の1は検査をしてなくて自覚症状もなくまったく気がついていない。残りは3分の1はウイルスに感染していることを知っているが放置している人、となります」

丹野「これは結構問題ですね」

川部先生「自覚症状がないのでどうしても放置しがちです。肝炎は徐々に進行していくので治療が必要な場合は多いです」

血液検査時にウイルス性肝炎の検査も


-検査は大がかりですか?

川部先生「基本的に血液検査で、簡単に可能です。多くの市町村や健康保険の組合で、一生に一度は無料で検査を受けられるという制度がありますので、ぜひとも受けていただきたいです」

丹野は「じゃ、血液検査の時に、ウイルス性肝炎の検査もしてくださいと言えばいいですね」と、ひと安心。

ウイルス性肝炎とお酒


-今回、お酒との関係を伺っています。では、このウイルス性肝炎の人がお酒を飲むとどうなりますか?

川部先生「それは本当に最悪です。肝硬変の進行が早まって、ひどくなると、黄疸やお腹に水がたまってきたり、吐血をしたりします。肝炎ウイルスのキャリアはそれだけでも肝癌の発症リスクが高いですが、飲酒をするとさらに高くなって、若い段階から肝癌ができやすいというデータがあります」

丹野「では、まず検査をして自分がそうかどうかを調べる、ウイルス性肝炎のキャリアとわかったら、お酒は飲んではいけない」

川部先生「基本的には専門医にかかって主治医のアドバイスをいただきたいですが、ウイルス性肝炎の患者さんには禁酒をおすすめしています」

治療法はある!


「まずは検査ですが、もしウイルス性肝炎にかかっているとわかっても治療法はあります。
B型ウイルス性肝炎になっていても薬が投与されウイルスを抑えることができます。今後、肝硬変や肝癌にならないように予防してずっと抑えていくことが可能です。
C型のウイルス性肝炎になっていたとしても、薬を飲んで完治することができるということです。
治療法があるということなので、恐れずに検査を受けていただきたいです。ぜひ皆さん、チェックしてください」

丹野みどりが強くまとめました。
(みず)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年01月17日16時38分~抜粋

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