丹野みどりのよりどりっ!

進化してきた信号機

日常にある素朴な疑問・気になって仕方がない「アレってなんで?」といったリスナーから送られた『キニナル』を、番組チームが調査し、さらに詳しい方々に教えていただくコーナー「これってキニナル」。

今回は信号機に関するキニナルです。

「毎日、信号機を見るたびに『最近の信号機ってすごくスマートでスッキリ』って思います。でも昔からある信号機もまだまだありますよね。ライトの上に長い日よけがあったり、なかったり…。LEDだったり、そうでなかったり…。信号機の進化について調べてください!」

そこで1/16の「これってキニナル」は、「信号機の進化」について取り上げました。聞き手は丹野みどりです。

お話を伺ったのは株式会社京三製作所の風間さん。株式会社京三製作所は、神奈川県横浜市に本社がある電気機器メーカーで、2017年9月に創立100周年を迎えた会社です。鉄道の信号保安装置やホームドアなどの鉄道信号システム、交通信号などの交通管理システム、産業用電源装置などの電力変換システムの3事業を展開しているそうです。

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信号機の進化といえばLED


「信号機の進化といえば、最近はLEDの信号機が増えているんですよね?そもそもLEDの信号機っていつ頃から登場しているのでしょうか?」

風間さんに伺いました。

「日本で最初に設置されたのは1994年という記録が残っています。その後、本格的に設置・整備されたのは、車両用が2000年、歩行者用が2002年からです」

意外と前からLEDの信号機はあったのですね。そこでキニナルのはその数です。

「そのLEDの信号機はいまどれくらい増えてきているんでしょうか?」

「現在、車両用と歩行者用を合わせて、全体で約226万台の信号灯器があります。都道府県別でバラツキがありますが、そのうち約半分がLEDになりました」

「おぉ!すごい!もう半分もきているんですね。近い将来全てLEDになっていくんですかね?」

「全国にはこれから全てLEDになっていくと思います」

これからの信号機は全てLEDになっていくということで、昔ながらの信号機が見られなくなると思うとちょっと悲しい気持ちになった筆者でした。

LED信号機のメリット


LED信号機のメリットは何なのでしょうか?丹野が伺いました。

「LEDになったことで60ワットだった消費電力が10ワット以下になり、6分の1以下になりました。また、電球式は数ヶ月に1度、電球が切れる前に定期的に交換していました。それに対してLEDの信号機は、本格的に設置されてから17年が経過しましたが、現実は、まだ1度も交換されていません。このように省電力や長寿命になったことはメリットのひとつですが、中でも最大のメリットは『擬似点灯』が起こらなくなったという点です」

「擬似点灯??って何ですか?」

「太陽光が直接当たった時に、青黄赤の全てが光って見える現象を『擬似点灯』といいます。そもそもLEDの信号機というのは、ライトそのものが色を出します。一方で、旧式の信号機、これを電球式といいますが、電球式の場合は、電球の光が信号機内部の反射鏡に跳ね返って、その光が色つきレンズを通すことで、私たちは赤色とか青色などの色を認識しています。懐中電灯のような原理ですね。そのため旧式のものでは、太陽光が直接当たると、青黄赤の全てが光って見える『擬似点灯』がよく発生していました」

「西日の強い日差しとかね、角度によっては、えぇ!全部点いてる!?なんてこともありましたもんね」と丹野。

「ということは電球式の信号機は、長い日よけを取り付けることで、擬似点灯を防止していたわけですね」

「はい、それがLEDになって、色つきレンズや内部の反射鏡を使わなくなったことで、擬似点灯が起きなくなりました。またそれに伴って、日よけの長さも徐々に短くなってきて、最近ではフードがないタイプも増えてきました」

LEDライトになったことで、フードがないタイプの信号機が増えてきたとのこと。「LEDに敵なし」という感じですが、デメリットなどはあるのでしょうか?風間さんに伺いました。

「LEDライトは熱を発しないんです。そのため、吹雪くと雪が解けず、見えにくくなる場合があります。そのため信号機にカプセル式のカバーをつけたり、設置角度を斜めにしたりして対策しています」

「日よけは要らなくなったけど、雪よけが要るということですね」と丹野。

LEDの信号機にも意外な弱点があったんですね。

信号機の薄さも変化


「最近の信号機はかなり薄いものもありますよね。どのくらいの薄いんですか?」

「電球式の信号機の厚さが290mmだったのに対して、最新のLED信号機は88mmです。電球式では電球自身の大きさが135mmもあり、さらにソケットや反射鏡など大きな部品が必要でした。一方、LED式はこれらが不要で、LEDライトは薄いプリント基板に実装されています。このことが電球式からLED式になって薄くすることができた理由です」

LEDライトになって信号機に革命がもたらされたといっても過言ではないようですね。今後さらにLED信号機が普及していくようですから、注目したいものです。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年01月16日16時35分~抜粋

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