丹野みどりのよりどりっ!

「紅白」よりもさらにめでたく!「七福なます」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

12月のテーマは「人が集まる!おもてなし料理!」。
今回は、「七福なます」です。

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なますのこだわりは、ゴマ酢


「やはりお正月じゃないですか。福来れ、福来れで、七福なますにしませんか?」
「え!なにそれ!」

丹野みどりが驚くのも無理はありません。
なます、と言えば、甘酢漬けですね。
おせち料理でよく入っているのは、ニンジンと大根の紅白なますですが、七福とは?

「7種類くらいの食材を使って作るとおいしいですよ」

三色丼のようなノリで、七色=七福ということですね。
しかして、その7種類とは?

「もちろん、大根、ニンジン。あと、戻した椎茸とか、油揚げとか、しらたきを少し入れます。あと数の子とか、ぎんなんとか、柚子の皮とか、ショウガ」

…数えると、9種類ほどある気がしますが、良しとしましょう。
お正月にぴったりな豪華ななます。作り方は?

まず、大根とニンジンは、皮を剥いてちょっと太めの千切りにします。
塩で揉んでも良し、塩水に浸けても良し。しんなりしてきたら、よく絞ります。
そのときに少し味見をします。しょっぱいなと思えば、ゆすいで絞りましょう。
この塩加減は皆さんにお任せします。

干し椎茸は、戻して薄切りにします。
しらたきは、一度熱湯に通してからざっくざっくと切ります。
お揚げも、一度油抜きしてから細く切っておきます。

さて、戻した椎茸の、戻し汁。
ここで捨ててはいけません。
この戻し汁に、薄口醤油、砂糖、塩を加えて味付けをします。
ここに、椎茸、油揚げ、しらたきの3種類を入れて、鍋で汁気がなくなるまで炒りつけるようにして、下味をつけます。

数の子は、買ってきたら塩気を抜いて、適当にほぐします。
ぎんなんは、茹でたものを用意します。

柚子は、黄色い部分だけを細く切ります。
ショウガも皮を剥いて細く切ります。

これで7種(?)の食材の準備が整ったので、甘酢の部分、ゴマ酢を作ります。

ゴマは、一生懸命、一生懸命すって、ゴマの油が出てくるまですります。

「えー!」

ゴマ油はボトルに入って売っているあれですよね。
手ですってもゴマ油は抽出できるのか。と驚くのはそこではなく、そんなにたくさんするの~!?

「これがね、一番なの。あ、いいやと妥協しちゃうとね、味が違ってくるの」

「先生、あの…世の中には、すりゴマってのも売ってますけれども」

「すりゴマはダメ!」

即答する関先生。
ダメ!?と丹野の声がこだまします。
しかし先生は譲りません。「すりゴマをすったらおいしくない」

せめて炒りゴマを買ってきて、ちょっと自分でフライパンで炒ります。
それから一生懸命一生懸命すると、じわーっと油が出てきます。
そしたらそこに、砂糖や塩や酢を加えて、ドローっとしたゴマ酢を作ります。

分量としては、ゴマはいろいろな計り方がありますが、40gほど。
塩は小さじ1/4。
お砂糖は大さじ1杯半。これは名古屋の人向きの、少し甘めの味付けです。
お酢は大さじ2杯で、そこに大根だなんだと、食材を全部入れて、混ぜたのが「七福なます」です。

簡単!おせちをお重に詰めるルール


さっそくいただく丹野みどり。

「私、あの、なますって甘酢漬けですから、酢の物のポジションなんですね。これは、ゴマ酢和えですけど、酢というのは前面に出てこずに、ゴマやいろんなお野菜の風味が出てきます」

一口食べれば、関先生がゴマにこだわっていた理由がよくわかります。
今は便利な世の中で、甘酢とか、すりゴマとか、いろんなものが売っています。
もちろん、そのようなものを手軽に使うのも良いのですが、何か1品外してもいいから、ゴマ酢だけには愛情を込めるように、と言っていたのは、このおいしさが待っているからだったのですね。

このゴマすり。関先生のお料理教室では、先生の許可が下りないと作れないとか。
「みんな見せに来るんですよ、すり鉢を持って。はいOKって言ったら、じゃあいいですかって」

この「七福なます」は、いわばゴマ酢がメイン。
そこをサボってしまうと、お料理の柱がわからなくなってしまいます。
お正月料理ですから、これくらい愛情を注ぐべきかもしれませんね。

そして、お正月ですから、「する」は縁起が悪いので、「あたる」と言うそうです。
「するめ」を「あたりめ」と言う、あれですね。
炒りゴマを炒ってから、ゴリゴリゴリゴリとあたってください。

お正月料理なので、日持ちはある程度します。
ですが、大晦日に作り、三が日のうちに食べきるというのが良いのではないでしょうか、と関先生。
田作りなんかは、とても日持ちがしますから。

「ま、食べたら無くなるから、問題外ですけど」

すっかり先週の田作りがお気に入りの丹野みどりです。

さて、田作りも作って、なますも作ったら、お重に詰めたくなりますよね。
おせち料理ですから。
ところで、お重に詰めるとしたらどこに?

「お重があったら2番目のお重に詰めてください。田作りは、1番上のお重に」

やはりルールがあるようですが、どんな規則があるのでしょうか。
なんでも、4段重が普通で、春夏秋冬を一つのお重で表していたそうです。

1番上の一の重は、縁起の良い、春物的なものを詰めます。
ですから、田作りや数の子、昆布巻きなど、松竹梅系のものを入れます。

2番目が夏のイメージ。
なます系統のものや、菊花かぶなど、酸味系のものです。

3段重の場合、一番下のお重に、煮物や焼き物。色の濃い秋冬用のものを詰めます。

おせち料理の約束事は複雑で覚えにくいと思っていましたが、この説明はとてもよくわかります。
春夏秋冬をイメージするのは、覚えやすいですね。

そして、最近お重は9マスに仕切られたものが流行っています。
このように、日本料理は、奇数の品目ずつお料理を詰めるのが良いそうです。
3品はちょっと少ないので、5、7、9品目ほど、一段のお重に詰めていくと良いそうです。

物知りな関先生。
最後にそんな素敵なことまで教えてくださりありがとうございます。
これでみなさんも良い新年を迎えることができますね。
また来年もおいしいお料理でお会いしましょう。それでは、よいお年を!

材料とレシピ


【 材料 】
・大根 200g~250g
・人参 50g
・塩水
・干し椎茸 4枚
・油揚げ 1枚
・しらたき 30g
A 戻し汁 大さじ4
  砂糖 大さじ1
  薄口醤油 小さじ2
  塩 少々
・数の子 適宜
・銀杏 12個
・塩
・柚子、生姜
胡麻酢 胡麻 40g~
    塩 小さじ1/4
    砂糖 大さじ1 1/2
    酢 大さじ2

【 作り方 】
①大根、人参は皮を剥いて太めの千切り。塩揉みか、塩水につける。しんなりしたらよく絞る。
②干し椎茸は戻して薄切り。しらたきは一度熱湯に通して、水気を拭き4㎝位にざく切り。油揚げも一度油抜きしてから細く切る。
③椎茸の戻し汁に、薄口醤油・砂糖・塩を加え、椎茸・しらたき・油揚げを入れて汁気がなくなるまで鍋で煎りつけて下味をつける。
④数の子は塩気を抜いて、適当にほぐす。ぎんなんは茹でた物を用意。
⑤柚子は黄色い部分だけを細切りにする。生姜も皮を剥いて細切りにする。
⑥炒り胡麻40gをフライパンで軽く炒りすり鉢でごま油がでるまでする。そこに砂糖大さじ1半、塩小さじ1/4、酢大さじ2を入れて混ぜ、食材と和える。
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年12月28日16時35分~抜粋

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