丹野みどりのよりどりっ!

図書館の資料で発見!かつて名古屋にも宝塚劇場があった

『丹野みどりのよりどりっ!』、12月金曜の「オトナのたしなみ講座」では、長いこと住んでいる人も意外と知らない名古屋の歴史について、今月は紹介しています。
12月22日放送のテーマは、「名古屋にかつて、宝塚歌劇団の劇場が存在していた!」。

宝塚は言わずと知れた関西の有名な歌劇団で、名古屋でも公演を行うことはありますが、常設の劇場ではありません。
いったいいつの頃にあって、いつ無くなってしまったのでしょうか。

名古屋市鶴舞中央図書館の司書で、郷土資料の調査・研究の支援を行う「名古屋なんでも調査団」の石垣恵さんに、パーソナリティーの丹野みどりが伺いました。

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劇場だけでない!一大娯楽施設


石垣さんは、名古屋にあったという宝塚劇場について、「一時期、名古屋にもあったということがわかっています。名古屋市図書館の資料で、『名古屋宝塚劇場新築工事概要』というものがあり、開場式が昭和10年11月2日と書かれているので、この当時にあったということがわかります」と説明しました。

建物の規模については、地下もある5階建てで、観客の定員は2,048人と書かれているため、大規模な劇場だったようです。

さらに劇場だけではなく、ダンスホールやスケートリンクも併設されていたそうで、丹野も「めちゃイマドキの施設じゃないですか!」と驚くほど、さながら一大娯楽施設といった趣きだったようです。

歌劇と映画の両方を上演


続いて丹野は、「この建物は、今の名古屋で言うとどの辺りにあったんですか?」と尋ねたところ、石垣さんは「資料を見ると、広小路通にあることが分かります。住所は新柳町1丁目になっていまして、今で言うと、広小路通沿いの納屋橋辺りにありました」と説明しました。

この劇場は「名古屋宝塚劇場」という名称ですが、宝塚歌劇の公演だけではなく、映画館としての使用もできるようになっていました。

後にだんだん用途が変わってきて、映画館がメインの「名宝会館」として、いろんな施設を持つ建物に変わっていったそうです。

さらに「名宝スカラ座」などの映画館が誕生し、昭和44年に大改築が行われ、映画館として広く知られるようになりましたが、平成15年に取り壊されたため、残念ながら広小路からは姿を消したということです。

パンフレットで当時が蘇る


丹野は「当時、宝塚歌劇でどんな演目が行われていたか、資料は残っているんでしょうか」と尋ねました。

石垣さんは「当時の新聞を見ると、名古屋新聞の昭和10年11月1日の朝刊に広告が一面で載っています。そこには『宝塚少女歌劇 星組公演』『大レビュー・花詩集』と書かれています」と答えました。

また、図書館では昭和26年・27年花組公演のパンフレットを所蔵しており、丹野がその実物を見たところ、「うわー、すごいカラーできれい!」と、60年以上前でも立派な印刷だったことにビックリ。

昭和27年のパンフレットには女優の八千草薫さんも載っています。

また、1ページ目には百貨店の広告で『ニューファッション、特選雑貨売り場2階』と書かれており、演目そのものもさることながら、当時の文化が分かるのも面白いところですね。

これだけ貴重な資料なので、一般の人は見られないと思いきや、石垣さんは「図書館に来ていただいて、見たいと希望されれば、書庫から出してきて見ることができますので、ぜひ図書館に来てください」と勧めました。

図書館には名古屋の歴史が垣間見える資料がまだまだたくさん眠っているようですので、いろいろ調べてみるのも面白そうですね。
(岡本)

画像は昭和26年9月1日に名宝劇場で開催された、CBCラジオ開局記念番組『謳うCBC』の模様。
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年12月22日16時38分~抜粋

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