丹野みどりのよりどりっ!

意外と知らない沖縄そばの話

日常にある素朴な疑問・気になって仕方がない「アレってなんで?」といったリスナーから送られた『キニナル』を、番組チームが調査し、さらに詳しい方々に教えていただくコーナー「これってキニナル」。
12月19日はこんなおたよりを取り上げました。

「丹野さん、沖縄へリスナーさんたちと旅行されるんですね。羨ましいです。僕も高校を卒業したらドラゴンズのキャンプを一度は観にいきたいと思います。そこで気になるのは沖縄そばです。沖縄そばは、そば粉を使っているのでしょうか?なぜ沖縄そばと言われているのでしょうか?」

丹野も来年のリスナーツアーで訪れる沖縄。もしかしたら沖縄そばを食べるかもしれませんね。

そこで今回「沖縄そば」について取り上げました。お話を伺ったのは沖縄生麺協同組合の伊波さんです。沖縄生麺協同組合は昭和50年2月20日に設立され、沖縄そば・ラーメン・餃子の皮などの生麺を製造している会社や事業所が組織している組合です。

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沖縄そばの定義


沖縄そばは、沖縄を代表する食文化であり県民に最も親しまれている食品。
話を伺っていくと…、

「沖縄そばの定義には、『沖縄県内で製造されたもの』『原料に小麦粉を使っていること』など全部で12の定義があり、それら全て満たすものを"沖縄そば"といいます」

「えぇー!12も定義があるんですかー!厳しいんですね、知りませんでした」

沖縄そばとは?


沖縄そばはいつ頃から食べられているのでしょう?

「確かな記録はありませんが450年~500年前、中国から沖縄に麺類が伝えられたと考えられています。これに改良を加え、琉球王国の宮廷料理としての沖縄そばが確立しました。王族、貴族の食べ物であった沖縄そばは、明治中期になると、一般の方でも食べられるようになりましたが、やはり一部のお金持ちの食べ物でした。私たち庶民の口に入るようになったのは昭和初期頃と考えられます」

「割と最近なんですね」と丹野。
500年近い歴史を持ちながら、庶民が口にするようになって100年足らずなのです。

そば粉が使われていない理由


沖縄そばの最も大きな特徴、それは…

「蕎麦粉を使っておらず、小麦粉に仕込み水のかん水を使用することで生地が引き締まり、麺は黄色っぽく弾力と歯応えがあるのが特徴です」

「そば粉を使っていない!?」と驚く丹野。

「琉球王朝初期には、沖縄そばの原型が出来上がっていただろうとも言われており、文献によれば、明治初期から既に『そば』の呼称が使われていました。『沖縄そば』と呼ばれ始めたのは、沖縄がアメリカの統治下から本土に復帰してからになります。
しかし、『生めん類の表示に関する公正競争規約』の規定によると、『そば』の定義は『そば粉を3割以上含む物』とされていたため、昭和51年5月に公正取引委員会より表示違反と指摘され、名称変更の指示を受けました。
そのため一時は名称を『中華麺』としましたが、県民に親しまれてきた歴史ある呼称を存続しようと運動を展開し、行政と度重なる折衝の結果、昭和53年10月17日に、ようやく『本場沖縄そば』の名称が登録され、その名称で全国発送が可能になりました」

そばというからには、そば粉を3割以上含むものでないと表示できないけれども、沖縄のみなさんの熱い思いと行政と度重なる折衝のおかげで、沖縄"そば"といって表示していいわけですね。
全国で唯一、そば粉を使用しない「本場沖縄そば」が特殊名称として全国に承認された記念すべき日、それが昭和53年10月17日なのです。

ソーキそばって何?


「沖縄に行くと『ソーキそば』もよく聞く」という丹野。確かにソーキそばと沖縄そばにはどんな違いがあるのでしょうか?

「これはこれは具材の違いです。沖縄そばには三枚肉、つまりバラ肉が添えられていますが、ソーキそばのトッピングにはソーキ、つまり豚のあばら肉が添えられています」

「"てびち"っていうのもありますよね?」

「てびちそばはトッピングにてびち、つまり豚の豚足が添えられています」

もうすぐ年越しということで、最後に丹野からこんな質問。

「そばというと『年越しそば』と言われていますけど、沖縄では『沖縄そば』が年越しそばになるんでしょうか?」

「県民は年越しには、ほとんどの方が沖縄そばを食しています。また沖縄県外に住んでいる沖縄県出身の方からも、年越しには沖縄そばの注文が殺到します」

沖縄県民の想いが詰まったソウルフード、それが沖縄そばなのです。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年12月19日16時34分~抜粋

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