木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。
12月のテーマは「人が集まる!おもてなし料理」。
今回は、「ホワイトシチュー」です。
「はーい!先生。私、カレーの日やシチューの日、大好きなんです」
シチューと聞いて、丹野みどりが声を上げます。
しかし、カレーやシチュー"が"ではなく、カレーやシチュー"の日が"好き?
「なぜかというと、ルーが全部やってくれるから」
笑いながら、そうですよね、と話は分かってくださる関先生ですが、
「私のホワイトシチューはね、私にしてはちょっと手が込んでるんですよ…冬のご馳走だと思っているので」
「むしろ、手抜きじゃないメニュー!」
自分が思い描くシチューとは間逆のシチューに驚く丹野みどり。
「だいたいね、お肉があって、タマネギがあって、ニンジン、ジャガイモがあればできちゃうっていうのが、ホワイトシチューとか、カレーでしょ。でも、今日は違うんですよ」
なんと、牡蠣にエビも入った、まさにご馳走。
いいエキスが出て、おいしいシチューになるのだそうです。
早速作り方です。
まず、お肉は鶏肉。豚肉でも良いのですが、鶏肉が良いでしょう。
一口大に切りますが、そのままは使いません。
「1回ね、熱湯を通して、灰汁止めをするのね」
えー!と驚く丹野みどり。
お肉をお鍋で炒める、というのはよく聞きますが、熱湯に通す?
実は炒めると、シチューが油っぽくなってしまうから。
この方法だと余分な油を落としつつ、旨味を閉じ込めることができます。
表面を白っぽくしたら、これを洗ってもよいですし、そのまま使っても構いません。
お肉の準備ができたら、海鮮の準備です。
白ワイン1/4カップとお水を少し多めの1/2カップを合わせたものの中に、下処理をした牡蠣とエビを入れて、蒸し煮にします。
水気の分量を聞いた丹野みどりは首を傾げます。
丹野「それだけの量は、鍋底に入れちゃったら、結構少ないですよね」
関先生「でもね、蓋をしてやれば、牡蠣からも水分が出るから」
蒸し煮にする、といっても、ぷーっとやって、牡蠣がふっくらすれば、それでよし。
やりすぎないことが大事です。
「最初から全部放り込んじゃって、最後まで煮ると牡蠣もエビもちっちゃーくなっちゃう」
「どこに行った?っていうね、大きさに」
そうならないための、蒸し煮です。
そして、蒸し煮でできた蒸し汁。当然、牡蠣とエビの旨味がたっぷり入っているので、有効に使って、レストランの味に仕上げましょう。
ちなみに、お好きな方は、ワインだけで蒸し煮にしても良いですよ。
肉、海鮮ときたら、野菜。
「私ね、ぜひカブを使っていただきたいと思うんですよ」
皮を剥いて、くし型に切りにしたら、下茹でします。
一緒に、みどりが鮮やかなブロッコリーも小房に分けて下茹でしましょう。
ジャガイモは、乱切りにして水にさらします。
それからキノコ類。
マッシュルームも良いですが、気軽に買えるシメジを用意します。
小房に分けて、少量のバターで炒めます。
関先生にしては、ちょっと手間がかかるホワイトシチュー。
ですが、このようにパーツパーツが準備できれば、ここからは結構早く作れます。
まずはお鍋にスープを入れます。
水が3カップにスープの素が2個くらいです。
そこに、お肉、ジャガイモ、カブを入れて煮はじめます。
鶏肉は湯通ししましたし、カブも下茹でしたので、火が通っていないのはジャガイモだけですね。
ぐっつぐっつさせて全部に火を通し始めたら、隣のコンロにフライパンを用意します。
そこに、バターを入れて、タマネギのみじん切りを炒めて、小麦粉を入れて、すなわちルーみたいなものを作ります。
これが、みなさん買ってきて、ポチン、ポチンとするものですね。
そしたら、隣でぐつぐつ煮ているスープでルーを伸ばします。
タマネギ入りのソースみたいなものができてきたら、ミキサーにかけて、お鍋にある残りのスープとドッキングさせます。
そしたら、牛乳を加えて、蒸し煮にした牡蠣とエビを蒸し汁ごと戻し、バターで炒めたシメジも入れます。
お好みで、コクをつけるために生クリームを加えて、塩胡椒で味を調えます。
パーツの準備ができたら、あとはすぐにできるとはいえ、ミキサーの登場に少し渋い顔をする丹野みどり。
「そしたら、タマネギをもうザクザクと切っちゃって、バターで炒めて、お粉振り込んで、こっちの鍋でぐつぐつやってるスープでのばして、こっちボーンと放り込んでも大丈夫です」
最後に言おうと思っていたの、と関先生らしさは健在です。
さて、これだけ手間隙かかったホワイトシチュー。
やはり味に違いは現れるのでしょうか。
まずは目を引くたくさんの具。しかも、そのひとつひとつの大きさが大きい。
「大きい大きさ」とのたまう丹野に関先生は笑いが隠せません。
スープを一匙すくった丹野みどりは、そのサラッとした感覚に驚きます。
口に運ぶと、腑に落ちた様子の丹野みどり。
「これは、ルーを溶かしてトロントロンにする、いわゆるシチューというよりかは、ホワイトソースの具だくさんスープという感じ」
シチューにカブを入れたことがなかった丹野みどりは、そのとろける食感のカブにさらに感動します。
牡蠣もぎゅっと縮こまることなく、ふわふわ、ぷりぷり。
しかも、牡蠣の苦味がホワイトソースに良く合います。
正直、面倒くさい工程だな、と思っていた丹野みどり。
先生においしく作っていただいたものを堪能して終わりにしよう、なんて考えていたのかもしれませんが、
「これはちょっと、時間のある週末に作ってみたいと思います」
丹野みどりが考えを改めるホワイトシチュー。ぜひ一度お試しを。
いつものホワイトシチューに戻れなくなるかもしれませんよ。
【 材料 】
・鶏もも肉 1/2枚(150g)
・牡蠣 8粒
・海老 8本
A
・白ワイン 1/4カップ
・水 1/2カップ
・カブ 1個
・ブロッコリー 1/2株
・シメジ 1パック
・ジャガイモ 1個
B
・水 3カップ
・ブイヨン(スープの素)2個
・バター 20g
・タマネギ(みじん切り) 100g
・薄力粉 30g
・牛乳 1カップ
・生クリーム 1/3カップ
・塩・胡椒
【 作り方 】
①鶏肉はひと口大に切り、熱湯の中を通しぬるま湯で洗う。
②牡蠣と海老はそれぞれ塩水で洗い、それぞれ下処理をする。
③白ワインと水を煮立て、牡蠣と海老を入れ蒸し煮にする。
④カブはくし型に切り、ブロッコリーは小房に分け茹でる。シメジは小房に分け少量のバターで炒める。ジャガイモは乱切りにして面取りし、水にさらす。
⑤鍋に水3カップとスープの素を2個入れて、肉・ジャガイモ・カブを入れて煮る。
⑥煮立ったところで、フライパンにタマネギのみじん切りを入れ、焦がさないようにバターで炒める。透きとおってきたら小麦粉を入れ1~2分炒め、隣で煮ているスープで伸ばし、ソースを作る。できればミキサーにかけてから鍋に入れスープとドッキングさせる。
⑦牛乳を加え、シメジと牡蠣・海老を蒸し汁ごと入れ、コクをつけるための生クリーム、塩・胡椒で味を調える。
(榊原)
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。
12月のテーマは「人が集まる!おもてなし料理」。
今回は、「ホワイトシチュー」です。
丹野みどりと正反対のシチュー
「はーい!先生。私、カレーの日やシチューの日、大好きなんです」
シチューと聞いて、丹野みどりが声を上げます。
しかし、カレーやシチュー"が"ではなく、カレーやシチュー"の日が"好き?
「なぜかというと、ルーが全部やってくれるから」
笑いながら、そうですよね、と話は分かってくださる関先生ですが、
「私のホワイトシチューはね、私にしてはちょっと手が込んでるんですよ…冬のご馳走だと思っているので」
「むしろ、手抜きじゃないメニュー!」
自分が思い描くシチューとは間逆のシチューに驚く丹野みどり。
「だいたいね、お肉があって、タマネギがあって、ニンジン、ジャガイモがあればできちゃうっていうのが、ホワイトシチューとか、カレーでしょ。でも、今日は違うんですよ」
なんと、牡蠣にエビも入った、まさにご馳走。
いいエキスが出て、おいしいシチューになるのだそうです。
早速作り方です。
まず、お肉は鶏肉。豚肉でも良いのですが、鶏肉が良いでしょう。
一口大に切りますが、そのままは使いません。
「1回ね、熱湯を通して、灰汁止めをするのね」
えー!と驚く丹野みどり。
お肉をお鍋で炒める、というのはよく聞きますが、熱湯に通す?
実は炒めると、シチューが油っぽくなってしまうから。
この方法だと余分な油を落としつつ、旨味を閉じ込めることができます。
表面を白っぽくしたら、これを洗ってもよいですし、そのまま使っても構いません。
お肉の準備ができたら、海鮮の準備です。
白ワイン1/4カップとお水を少し多めの1/2カップを合わせたものの中に、下処理をした牡蠣とエビを入れて、蒸し煮にします。
水気の分量を聞いた丹野みどりは首を傾げます。
丹野「それだけの量は、鍋底に入れちゃったら、結構少ないですよね」
関先生「でもね、蓋をしてやれば、牡蠣からも水分が出るから」
蒸し煮にする、といっても、ぷーっとやって、牡蠣がふっくらすれば、それでよし。
やりすぎないことが大事です。
「最初から全部放り込んじゃって、最後まで煮ると牡蠣もエビもちっちゃーくなっちゃう」
「どこに行った?っていうね、大きさに」
そうならないための、蒸し煮です。
そして、蒸し煮でできた蒸し汁。当然、牡蠣とエビの旨味がたっぷり入っているので、有効に使って、レストランの味に仕上げましょう。
ちなみに、お好きな方は、ワインだけで蒸し煮にしても良いですよ。
丹野みどりの考えを変えるシチュー
肉、海鮮ときたら、野菜。
「私ね、ぜひカブを使っていただきたいと思うんですよ」
皮を剥いて、くし型に切りにしたら、下茹でします。
一緒に、みどりが鮮やかなブロッコリーも小房に分けて下茹でしましょう。
ジャガイモは、乱切りにして水にさらします。
それからキノコ類。
マッシュルームも良いですが、気軽に買えるシメジを用意します。
小房に分けて、少量のバターで炒めます。
関先生にしては、ちょっと手間がかかるホワイトシチュー。
ですが、このようにパーツパーツが準備できれば、ここからは結構早く作れます。
まずはお鍋にスープを入れます。
水が3カップにスープの素が2個くらいです。
そこに、お肉、ジャガイモ、カブを入れて煮はじめます。
鶏肉は湯通ししましたし、カブも下茹でしたので、火が通っていないのはジャガイモだけですね。
ぐっつぐっつさせて全部に火を通し始めたら、隣のコンロにフライパンを用意します。
そこに、バターを入れて、タマネギのみじん切りを炒めて、小麦粉を入れて、すなわちルーみたいなものを作ります。
これが、みなさん買ってきて、ポチン、ポチンとするものですね。
そしたら、隣でぐつぐつ煮ているスープでルーを伸ばします。
タマネギ入りのソースみたいなものができてきたら、ミキサーにかけて、お鍋にある残りのスープとドッキングさせます。
そしたら、牛乳を加えて、蒸し煮にした牡蠣とエビを蒸し汁ごと戻し、バターで炒めたシメジも入れます。
お好みで、コクをつけるために生クリームを加えて、塩胡椒で味を調えます。
パーツの準備ができたら、あとはすぐにできるとはいえ、ミキサーの登場に少し渋い顔をする丹野みどり。
「そしたら、タマネギをもうザクザクと切っちゃって、バターで炒めて、お粉振り込んで、こっちの鍋でぐつぐつやってるスープでのばして、こっちボーンと放り込んでも大丈夫です」
最後に言おうと思っていたの、と関先生らしさは健在です。
さて、これだけ手間隙かかったホワイトシチュー。
やはり味に違いは現れるのでしょうか。
まずは目を引くたくさんの具。しかも、そのひとつひとつの大きさが大きい。
「大きい大きさ」とのたまう丹野に関先生は笑いが隠せません。
スープを一匙すくった丹野みどりは、そのサラッとした感覚に驚きます。
口に運ぶと、腑に落ちた様子の丹野みどり。
「これは、ルーを溶かしてトロントロンにする、いわゆるシチューというよりかは、ホワイトソースの具だくさんスープという感じ」
シチューにカブを入れたことがなかった丹野みどりは、そのとろける食感のカブにさらに感動します。
牡蠣もぎゅっと縮こまることなく、ふわふわ、ぷりぷり。
しかも、牡蠣の苦味がホワイトソースに良く合います。
正直、面倒くさい工程だな、と思っていた丹野みどり。
先生においしく作っていただいたものを堪能して終わりにしよう、なんて考えていたのかもしれませんが、
「これはちょっと、時間のある週末に作ってみたいと思います」
丹野みどりが考えを改めるホワイトシチュー。ぜひ一度お試しを。
いつものホワイトシチューに戻れなくなるかもしれませんよ。
材料とレシピ
【 材料 】
・鶏もも肉 1/2枚(150g)
・牡蠣 8粒
・海老 8本
A
・白ワイン 1/4カップ
・水 1/2カップ
・カブ 1個
・ブロッコリー 1/2株
・シメジ 1パック
・ジャガイモ 1個
B
・水 3カップ
・ブイヨン(スープの素)2個
・バター 20g
・タマネギ(みじん切り) 100g
・薄力粉 30g
・牛乳 1カップ
・生クリーム 1/3カップ
・塩・胡椒
【 作り方 】
①鶏肉はひと口大に切り、熱湯の中を通しぬるま湯で洗う。
②牡蠣と海老はそれぞれ塩水で洗い、それぞれ下処理をする。
③白ワインと水を煮立て、牡蠣と海老を入れ蒸し煮にする。
④カブはくし型に切り、ブロッコリーは小房に分け茹でる。シメジは小房に分け少量のバターで炒める。ジャガイモは乱切りにして面取りし、水にさらす。
⑤鍋に水3カップとスープの素を2個入れて、肉・ジャガイモ・カブを入れて煮る。
⑥煮立ったところで、フライパンにタマネギのみじん切りを入れ、焦がさないようにバターで炒める。透きとおってきたら小麦粉を入れ1~2分炒め、隣で煮ているスープで伸ばし、ソースを作る。できればミキサーにかけてから鍋に入れスープとドッキングさせる。
⑦牛乳を加え、シメジと牡蠣・海老を蒸し汁ごと入れ、コクをつけるための生クリーム、塩・胡椒で味を調える。
(榊原)