『丹野みどりの よりどりっ!』、話題となっている商品やサービスに焦点をあて、そこから今を読み取る「モノコレ」。
11月22日は「涙が出ないタマネギ」を取り上げました。
タマネギはとっても美味しいですが、調理するとき涙が出るから苦手という人も多いと思います。ところがなんと、切っても涙が出ないタマネギが商品化されたそうです。
丹野がハウス食品グループ本社広報・IR部の前澤壮太郎さんに話を伺いました。
涙がでないタマネギ
切っても涙が出ないタマネギをハウス食品が開発しました。名前は「スマイルボール」。
いったいどういう仕組みなのでしょうか?
「実はタマネギの中には、もともと涙が出る成分はないんです。タマネギを切ったとき、タンパク質と酵素が混じると涙の出る成分、辛味の成分が発生します」と前澤さん。
品種改良で、この酵素が非常に少ないものを作りあげたそうです。
そのまま食べれられる
丹野は「オニオンスライスだと水にさらして、それでも辛いかなという時がありますが、その必要はないでしょうか」と半信半疑。
「水さらしをしなくても、辛味をほぼ感じませんから、そのまま食べることができます。
また、水にさらすと栄養価が水に溶けだすことがありますが、その必要がないので、タマネギの栄養をそのまま食べることができます」
「スマイルボール」、手間もかからず、涙も出ず、辛くなく、栄養価も減らないといいことばかりです。
実食と丹野の食レポ
切った「スマイルボール」の現物が丹野の目前にあります。
「見た目は普通のタマネギですよね。大きさは少し小ぶりで、野球ボールくらいかな。
切ってますが、この時点で涙は全然出ません」。
そして、試食すると、「シャキシャキ」という歯切れのいい音。
「うーん、まったく辛くない!」と丹野の感激のひと言。
タマネギは甘いものだった!
前澤さんは「タマネギは、もともとりんごと同じくらい甘さがある野菜です。ただ通常のタマネギをかじると辛味にかくれて甘味が感じられません。『スマイルボール』は辛味がないのでタマネギ本来の甘味を感じることができます」。
それを受けて丹野は「ほんとに甘くて、どこにも辛味がないです。音もシャキシャキと、歯ざわりも最高。これは切ってそのまま食べられます」
生のタマネギは辛いので、特にこどもは嫌いなことが多いですが、これなら大丈夫そうです。
「イグノーベル賞」の研究の産物
なぜカレーのハウス食品がタマネギを作ったかというと、元々はレトルトカレーの具としてタマネギの研究をしていたそうです。
その研究の結果、涙に通じる酵素、これが辛味にも関わっていることがわかりました。
論文が2002年にイギリスの科学雑誌『ネイチャー』に掲載され、2013年にはユーモアあふれる研究に贈られる「イグノーベル賞」を受賞しました。
せっかくだからと、ハウスはこの研究結果を生かしたタマネギの開発をはじめました。
品種改良によって酵素の量が非常に少ないものを探し出すのですが、これはとても大変だったようです。10年ほどかかり、約1万個のタマネギを調べてついに発見することができました。
開発者は、これを発見した時は、うれし「涙」が出たそうです。
究極のタマネギジュース!
丹野「おすすめの調理法はどんなもの?」
前澤「生でそのままがおいしいですが、ミキサーにかけて、はちみつを入れて、タマネギジュースとして飲むこともできます」
「スマイルボール」は約100トン出荷されていて、現在一部のスーパー、百貨店やインターネット通販で買うことができるそうです。
「いつかこれが当たり前になって、昔はタマネギを切ると涙が出たよね、という時代がくるかもしれません」と丹野は結びました。
タマネギジュース、ぜひ一度飲んでみたいですね。
(みず)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年11月22日17時13分~抜粋