歌手の稲垣潤一さんが、11/3の『丹野みどりのよりどりっ!』にゲスト出演しました。
1982年『雨のリグレット』でデビューしてから35周年となった稲垣さん。現在64歳とは思えない、ずっと変わらない素敵な歌声で魅了し続けています。
6年5ヶ月ぶりのオリジナルアルバム『HARVEST』では、謎多き大御所演歌歌手・水谷千重子とのデュエット
デビュー35周年の稲垣潤一、音楽界のワクワクさんになる!?
デビューのきっかけは?
まず、歌手になるきっかけは何だったのでしょう。
「僕はビートルズ世代で、その影響で中学の時にバンドを組んで、高校卒業後は“ハコバン”というセミプロ活動を9年ぐらいしていました。その後28歳でメジャーデビューしたんです」
かなりの遅咲きですね。30歳で芸能界デビューしたタモリに次ぐ、遠回りです。
ちなみに“ハコバン”というのは、ライブハウスやダンスホールなどのお店の、専属バンドのこと。音楽業界用語でライブ会場のことを「箱」と言うのです。
このセミプロ時代については、稲垣さんの著書『ハコバン70's』(講談社刊)に綴られているそうです。
「そのハコバンをやっていたお店に、東京のテレビ局の関係者が来店してくれて。その人にデモテープを渡したのがきっかけだったんです」と稲垣さん。
ドラムを叩きながら歌う珍しいスタイルは、当時から既にやっていたといいます。
秋元康氏の遊び心
80年代までは職業作詞家・作曲家がたくさんいましたが、その後だんだん減っていきます。歌手自身も曲を作るシンガーソングライターが増えたからです。
等身大でリアルな歌詞が受け入れられる時代に変わっていく中、あえてフィクション的な想像力の上で作られた曲を、稲垣さんは歌い続けてきたのでした。
今でこそ自作の曲もあるものの、ほとんどは他者からの提供による楽曲を歌う稲垣さんは、まさしく歌だけで表現する、“歌い手の専門家”と言うべき存在でしょう。
そんな稲垣さんのニューアルバム『HARVEST』には、新人から大御所までの作詞家・作曲家が参加しています。
その中には、お笑い芸人・友近に限りなくそっくりの、謎多き大御所演歌歌手・水谷千重子とのデュエット曲『どうせ始まらない』も収録されています。これを作詞したのはあの秋元康氏。
1982年発売の『ドラマティック・レイン』は、稲垣さん、秋元氏共に初のヒット作となりました。
その後『1ダースの言い訳』『クリスマスキャロルの頃には』なども作詞しており、2人のつながりは深いのです。
今回もノリノリで書いてくれたそうで、サビの歌詞に「ドラマティック」というフレーズを入れるほど。
この他にも、NMB48の山本彩とのデュエット曲も収録されていて、実は稲垣さん、「デュエットソングが53組61曲」という日本記録を更新中なんだとか。
稲垣さんは『男と女』という、女性アーティストとのデュエットによるカバーアルバムを5作リリースしているため、この記録につながっているんだそう。
ただ、世界記録は100組以上とのデュエットした人がいるということで、稲垣さんは「ギネスはハードルが高いですけど、そこを目指して頑張っていきたい」と話していました。
オラ、ワクワクすっぞ!
アルバムタイトルの『HARVEST』とは、収穫の意味。ジャケット写真では、オーバーオールを着た稲垣さんが刈り取った稲を抱えています。シティ・ポップのイメージを覆すような写真です。
「賛否両論頂いておりますが(笑)、今までの私・稲垣潤一のイメージを変えたい、良い意味で期待を裏切りたいという気持ちがありまして。『たわわに実った楽曲を収穫した』というアルバムになってるんです」
歌詞カードには「稲」と書かれたTシャツ姿の稲垣さんも掲載されていて、この稲Tシャツは35周年グッズとしてライブ会場で販売されているとのことです。これを着た画像は「いいね!」をもらえそうな、ある意味インスタ映えしそうな感じがしなくもないとも言えなくもないですね。
最後に、「今後の目標は?」という問いに稲垣さんはこう答えてくれました。
「あるアルバムに絞ってセットリストを作ったコンセプトライブを、昨年から始めています。今年は6枚目のアルバムまで達成しましたし、来年もやります。
ハコバン時代の曲をやるハコバンライブもやってますし、今自分のやりたいことをいいペースでやれてる時期なんで、来年もワクワクすることをやりたいですね。『ワクワクすることをやる』、これがモットーです」
一般社会では定年間近の年齢ですが、そんなことを微塵にも感じさせない稲垣さん。これからもワクワクさせてくれることを確信する、丹野でした。
(岡戸孝宏)
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