『丹野みどりの よりどりっ!』、10月11日の「オトナのクリニック」で取り上げたのは「めまい」。
めまいというと、軽く思いがちですが、実は思い病気に関係していることもあります。
軽いめまい、命に関わる重大なめまい、どういう風に見分けていけばいいでしょうか。
名古屋市名東区にある「ふじさわ耳鼻咽喉科」院長 藤澤利行先生に伺いました。聞き手は、丹野みどりです。
危険な「めまい」と普通の「めまい」、判別の仕方はあるの?
危ないめまいかどうかの判別は?
―めまいの検査法はどんなものがあるのでしょうか?
まず"危ないめまい"か、"危なくないめまい"かが大事です。
危ないめまいは脳から来るものです。激しい頭痛を伴ったり、脳から来る神経症状があったりすれば、危ないめまいです。
そういうものがなければ、命に関わるようなめまいではありません。おそらく耳から来るもの、血圧から来るものなど、いろいろな病気が考えられます。
点滴でめまいは抑えられる
―危なくないとわかった時、どのような治療法があるのでしょうか。
まずはめまいを抑えます。基本的には点滴で抑えられます。
重症度によりますが、歩けない、吐いてしまう、生活がままならない時は、入院をお勧めすることもあります。最初は安静の治療が必要なので。
“メニエール病”とは?
―めまいと聞いて、思い浮かぶのはメニエール病です。これはどういうものですか?
耳鼻科だと、まずそれを最初に考えます。
メニエール病はストレスとか、疲れ、睡眠不足が原因で「内耳」と呼ばれる耳の奥の、カタツムリみたいなところのリンパ液の流れが悪くなり、むくんでしまって、めまいが起きる病気です。
めまいだけでなく、耳がボーンとしたり、耳鳴りがしたりとか、耳の症状も出ます。
―誰でもなり得るんですか?
ご自身の体質にもよりますし、ご家族内でメニエール病が遺伝している方もいらっしゃいます。
―ストレスが一因、というのはどんな病気もそうですね。
まずは病院へ行って、危ない病気かそうでないかを見極めることが必要ですね。
耳鼻咽喉科、脳神経外科、内科でそういう判断はできますので、まずは病院へ行ってください。
良性発作性頭位めまい症
―他に、代表的なめまいのある病気はありますか?
「良性発作性頭位めまい症」というのがあります。耳鼻科でめまいでお見えになった患者さんの中で5~6割の方がそうです。
症状はメニエール病と同じで、ぐるぐる回るようなめまいを自覚します。
ただメニエール病との大きな違いは、めまいは頭を動かした時だけで、数分間で収まります。必ず回転性のめまいで、安静時には起きません。
―メニエール病の場合は、横になっていてもぐるぐる回るのですね。
両者の違いは検査すればわかります。
そのしくみと治療法
―良性発作性頭位めまい症の場合、どうして動いている時だけめまいが起きるんですか?
三半規管の中にある「耳石」という、目に見えないくらいの石ですが、それが三半規管の元々根本にあるのが、三半規管の中を浮遊してしまい、頭を動かした時に耳石が動いてリンパの流れができて、めまいが出るという病気です。
3、4分経つとリンパの流れがなくなるので、めまいは治まります。
―どんな治療になりますか。
耳石を戻す運動があります。
三半規管の元の位置に戻す動きがありますから、それを外来で教えて治療します。
この病気はできるだけ普通の生活をして、どんどん動いた方がいい病気です。
メニエール病はその逆です。最初は安静が必要です。だから、その判別は大事です。
同じめまいでも、対処法がまるで異なるということは、なおさら、病院で診てもらわなければいけませんね。
ちょっと気になった方は、ぜひ診察へ行きましょう。
(みず)
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