『丹野みどりの よりどりっ!』、「オトナのクリニック」は大人の健康・身体の不思議を取り上げます。
10/4のテーマは「秋のアレルギー」。
アレルギーといえば春の花粉症のイメージが強いですが、秋も意外とアレルギーが気になる季節です。
秋に多いアレルギー、その種類や対処方法を、名古屋市名東区のふじさわ耳鼻咽喉科院長 藤澤利行先生に伺いました。聞き手は、丹野みどりです。
秋のアレルギーにご用心!効果的な対策法や手術教えます。
ブタクサ、ヨモギ、ダニ…
──秋に多いアレルギーはどんなものがありますか。
9月くらいから徐々に飛び始めるブタクサ、ヨモギといった雑草類、アキノキリンソウは種類が多くて、9月、10月と飛び始めます。もともとそういったアレルギーをお持ちの方は症状が出やすいと思います。
──他の要因としては?
ダニのアレルギーの残りですね。夏にダニが増え、秋になりダニの死骸などがアレルギーの原因になります。
アレルギーには、もともと春というイメージが多いと思いますが、秋から冬にかけてもアレルギーをお持ちの方は症状が出やすいので注意が必要です。
血液検査で原因を知ろう!
──アレルギーの原因を知るには、血液検査がいいんでしょうか?
そうですね。アレルギーがあるかないかは耳鼻科ですと、鼻汁中の「好酸球」というアレルギーの細胞があるかないかを調べればわかります。
しかし、確実に何に対してアレルギーがあるかを調べるには、血液検査が有用です。
──「原因がわからなくてもアレルギーの薬を飲めばいい」と言う方もいますが、やはり採血して特定した方がいいですか?
体質ですので、ころころ変わるものではありません。人生で1回調べておけば、自分の体質がわかります。
何に対してアレルギーがあるかがわかると対処法につながります。いつぐらいに準備が必要かとか、薬を飲み始める時期がわかるので非常にいいことです。
対処法と薬の選択
──アレルギーの原因がわかった場合の対処法を具体的に教えてください。
花粉ですと、一般的に売られているマスクとかゴーグルとか、花粉から遠ざける予防策が重要です。
ほこり、ダニに対してある方は空気清浄機とか、アレルギー用のクリーナーを使われるとか、家庭でもやれることはあると思います。
──現在薬はどのような状況でしょうか。
ニーズに合わせてたくさんあります。薬局でも市販薬が買えますが、病院で出すお薬は多種多様です。
まったく眠気の来ないものもありますが、眠気が来ないものは軽いアレルギーの薬。眠気と効果のバランスになります。重症度に合わせた抗アレルギー剤を選択する必要があり、かつ薬にもいろいろ特性があります。患者様とお話して選択いていきます。
アレルギーで手術?
──手術という方法もあるそうですが?
お薬に抵抗があるとか、眠くなったり口が乾くのがイヤだという方は「手術的治療」というのもあります。手術といっても、鼻の粘膜を焼くというような簡単な処置になります。
花粉症の前の時期、1か月くらい前に、鼻の中を麻酔して鼻の粘膜をレーザーで焼いたり、トリコロール酢酸という身体に害のない化学物質で焼いたりします。
焼かれるとその年は薬を飲まずに済むなど、効く方にはすごく効きます。
──怖いと思いますが、痛くないですか。
麻酔をしますので、焼く時の痛みはまったくないです。麻酔の時ガーゼを入れたり綿棒を入れたりするので、そこだけ我慢していただければ、焼くのは5分くらいで終わります。焼いた後も、軽い痛み止めを飲むくらいです。
──保険は利きますか?
はい、利きます。ご負担いただくのは、レーザーだと少し高い時もありますが、トリコロール酢酸だと9,000円くらいです。
増える、舌下免疫療法
──他にも治療法はありますか。
数年前から非常にやる方が増えているのが、ダニとスギに限ってですが「舌下免疫療法」というのがあります。
ダニとかスギのエキスを口の中に毎日含んでいただくというような処置です。それを2~3年続けると、7、8割の方が、7、8年近く症状が改善して、薬が要らなかったりすることがあります。結構皆さんやられています。これも保険が利きます。
これからがつらいという方、一度病院で相談してみましょう。
(みず)
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