現在人気・実力ともにNo.1のジャズ・ボーカリストと言われるケイコ・リーさんが、9/22の『丹野みどりのよりどりっ!』に出演しました。
パーソナリティーの丹野みどりとは初対面。
音楽界で築き上げた実績と、オトナの女性としてのセクシーさがあふれるそのオーラに、かしこまってしまう丹野。
しかし、ケイコ・リーさんは実は、地元・愛知県半田市出身なのです。そのため、丹野も親近感を持つことができ、楽しくお話が進んでいくのでした。
ケイコ・リー&玉置浩二&EXILE&三代目JSBの豪華すぎるカラオケ
時を超越した名曲たち
9/6にニューアルバム『Timeless 20th Century Japanese Popular Songs Collection』をリリースしたばかりのケイコ・リーさん。
このタイトルを丹野はアナウンサーのプライドをかけて読み上げます。
「タイムレス・トゥエンティース・センチュリー・ジャパニーズ・ポピュラー・ソングス・コレクション」
それを受けて「まあ、『タイムレス』だけでいいんですけどね。噛みそうですよね。私も読めないです」とケイコ・リーさん。
内心、非常に緊張しながらフルでタイトルを読んだ丹野は「アハッ、ウソッ!そんなことって!(笑)」と吹き出してしまいました。
そうやってその場の雰囲気を和ませるのは、ケイコ・リーさんの人柄がなせる技でしょうね。
ちなみにケイコ・リーさんは簡単に『タイムレス 20世紀の名曲』と呼んでいるそうです。
さて、そのアルバムの内容ですが、「ワインレッドの心」「ルビーの指環」「ラブ・ストーリーは突然に」「いい日旅立ち」「桃色吐息」など、20世紀の素晴らしい名曲の数々を、ボーナストラックを含めて全14曲が収録されています。
これらがケイコ・リーさんの世界観に溶け込み、素敵な味わいに生まれ変わっています。
その選曲基準は、ケイコ・リーさんが少女から大人になっていく生活の中で、いつも流れていた曲をピックアップしたのだとか。
そして、タイトルを見ただけで曲が頭の中で流れてくるような作品を中心に選んだのだそう。
10数曲に絞り込むのは相当大変だったそうですよ。
「曲を聴いただけでその頃の自分もよみがえるような、時間を超えた色あせない音楽。これをタイムリーに聴いていた大人はもちろん、これから少女、大人になっていくこどもたちにも聴いてほしい」と語るケイコ・リーさん。
時間も世代も超越する作品。それが“タイムレス”というタイトルに込められているのでした。
マニアックなレコーディング
こういった名曲をケイコ・リーさん流にレコーディングする際、何かこだわりや工夫などはあったのでしょうか?
それを答えてくれました。
「とにかく原曲を崩さず、なるべく原曲の美しさをその通りに伝えたいと思いました。これは、ジャズや洋楽を歌う時でも一緒なんですけど。あとは、日本語をちゃんと伝えたかったんですよね」
普段はほぼ英語で歌うことの多いケイコ・リーさんが、日本語で歌うからには、きちんと表現したいという。
その思いから、歌い方やフレージング(音の区切り方)をいろいろ考えたといいます。
洋楽の発声方法では邦楽に不向きだとか、改めて気付くこともあったのだそうです。
「例えば、日本語と英語バージョン両方収録してる『卒業写真』。英語だと、ウィスパーボイスで喉をバッと開いて歌っても、結構合うんです。でも日本語だと、言葉のひとつひとつをハッキリ言わないと通じないみたいな」
…と話しながら、実際に歌い比べてみるケイコ・リーさん。目の前の特等席で生歌を聴いた丹野は、鳥肌が立ってしまうのでした。
他にも、曲によってビブラートの深さや、かけるところを変える工夫もしていたそうです。
あとは、マイクに近付いてウィスパーボイスで歌うとか、マイクから離れて声を張って歌うとか。
スタジオによってマイクが違うので、「この曲ならここのマイクが合いますね」「コーラスを入れるんだったらこっちのマイクがいい」など、エンジニアも試してくれたのだそう。
細かい話になって「マニアック?」と気にするケイコ・リーさんですが、「いやいや、職人技ですよ」と感服する丹野でした。
ちょっとしたフェス状態
インタビュー後半では、これまで数多くのミュージシャンと共演しているケイコ・リーさんに、印象深いミュージシャンの話を伺いました。
今回のアルバムに入っている「ワインレッドの心」を作曲し、原曲を歌っていた玉置浩二さん。その玉置さんとは、2012年のアルバム『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ2』で共演したのですが、そのキッカケが面白かったんだそうです。
「まず、EXILEのATSUSHI(アツシ)くんとレコーディングをしたんですよ。それで、打ち上げを兼ねてスタッフと何人かで食事に行ったんです。そこでアツシくんと話していたら『ケイコさん、僕、玉置さん大好きなんですよねー』と言ってきて。
私も玉置さんには何回かお会いしてるよって話したら、『玉置さんに電話していいっすか?』って言うんです」
早速アツシさんが電話してみると、普段はあまり電話に出ないという玉置さんが、たまたまこの時は出ちゃったとか。
そこでアツシさんが「ケイコさんとレコーディングして、今一緒にいるんですよ」と説明したら、玉置さんが「何でお前がケイコさんと一緒にいるんだよ。俺、行くから待ってろ」と言ったのだそうです。
「それで、奥様の青田典子さんと一緒に来てくれて。で、何か盛り上がってしまって、食事の後に『カラオケに行こう!』ってなって」とケイコ・リーさん。
それを聞いて丹野は「その“ライブ”のチケットいくら!?そのカラオケ店の人もビックリですよね、そんなメンツが現れたら」と、興奮します。
確かに、カラオケ料金以外にお金を払ってでも行きたいですよね。
更に、ケイコ・リーさんの口から追加アーティストが発表されます。
「玉置さんと、アツシくんと、私と、あとスタッフがカラオケに行ったら、何かかっこいい子が入ってきて。アツシくんに『おい、お前、頑張れよ』みたいなこと言われてて。誰だろうと思ったら、三代目J Soul Brothersの今市隆二さん」
人とのつながりが詰まったアルバム
もはやパワースポットと言ってもいいカラオケルームですが、そこでケイコ・リーさんが「玉置さんもアルバムに参加してくださいよー」と軽く言ったら、なんと玉置さんも「いいよ」ってあっさり承諾してくれたのです。
慌てたのがマネージャーやレコード会社の人たち。バタバタした挙句、3、4日後がちょうど2人のスケジュールが空いていて、共演が急遽決まったんだそうです。なんてフランクな玉置さん。
それから5年経った今では「玉ちゃん」と呼んでいるケイコ・リーさん。
今回のニューアルバムで『ワインレッドの心』をレコーディングする前に、玉置&青木夫婦に「今から録るんで、出来上がったら聴いてくださいね」とメールしたら、向こうから「ケイコさん、ワインレッドとか歌うんだー。楽しみにしてます」とフランクな返事が来たとか。
こんなエピソードも含めて、アルバム『タイムレス~』を聴いてみるのもいいですね。
(岡戸孝宏)
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