丹野みどりのよりどりっ!

観た人にも読んでほしい!映画『スタンド・バイ・ミー』の意外な話。

毎週金曜日に放送される「大人のたしなみ講座」、8/2の第38弾は「映画鑑賞の嗜みパート2」。

「夏の終わりに見たくなる映画」というお題で伺ったのは、数か月前のパート1に続いて、映画ライターの尾鍋栄里子さん。
今回の作品は『スタンド・バイ・ミー』です。

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原作は、あのスティーブン・キング


名画中の名画『スタンド・バイ・ミー』。1986年アメリカ公開で、日本公開は翌87年。
多くの人がフェイバリットに挙げる作品です。

アカデミー賞の脚色賞、ゴールデングローブ賞作品賞、監督賞にノミネートされました。
原作はスティーブン・キングです。

「ちょっと待ってください!『スタンド・バイ・ミー』の原作は、あのホラー作家のスティーブン・キング?」

丹野みどりがビックリ。

「おっと。また今回ビックリですねえ。そこからでした?」

尾鍋さんはそんな丹野にビックリ。

ちなみに、キングは『おっと』ならぬ『IT(イット)』という殺人ピエロの話も書いていて、映画化もされています。

当時は、丹野のように、ビックリした人も多いのではないでしょうか。

それまでスティーブン・キングの原作と言えば、イタリアンな色使い『キャリー』(76)、言わずと知れた『シャイニング』(80)、犬にかまれて痛そうな『クジョー』(83)、驚異のSFX『クリスティーン』(83)、まだ純粋だったドリュー・バリモア『炎の少女チャーリー』(84)など、ホラー作品ばかりでしたから。

『ショーシャンクの空に』や『グリーン・マイル』といった感動作も、スティーブン・キングの作品ですが、さすがにこれは丹野も知っていました。

映画の内容、覚えていますか?


原題は『The Body』、つまり死体という、ちょっと怖いタイトル。
映画化にあたり『スタンド・バイ・ミー』になりました。

「死体って、そんな怖い映画じゃなかったですよね?」と丹野。

ストーリーは、少年たちが死体を探しに行く、ひと夏の冒険物語です。

「あれ?以前『ゴースト』とか『セーラー服と機関銃』とか、いろんな映画を取り上げて教えていただきましたけれども、いま私の中で、その時と同じような現象が起きております。
例えば『セーラー服と機関銃』、バババババと機関銃を撃って、快感と言う、あのシーンしか覚えていません。『ゴースト』はろくろを回すシーンしか覚えていません。そして『スタンド・バイ・ミー』は、少年たちが線路を歩いているのしか覚えてないです」(丹野)

へへへへへへへー


「映画は、確かに線路をずっと歩いてます。ほぼ歩いてます」(尾鍋さん)

「それが死体を探す旅でした?」

丹野は、まだ思い出せません。

ではあらすじを簡単に。ある少年が行方不明になりました。
主人公たちは「その少年の死体を見た」という噂を聞きつけます。第一発見者になったらテレビに取り上げられて、みんな注目されるから。仲間4人で死体を探しに行くぞオー!みたいな、そんなストーリーです。

「へへへへへへへー。よだれが出ちゃった。初めて聞いた。そういう映画でしたか」

なぜか一瞬、自分がホラーモードに入ってしまう丹野みどり。

イケメンしか記憶にない


出演者も、後々有名になりました。
本作がきっかけで人気が爆発したのはリヴァー・フェニックス。

「あ~、その名前は覚えております。リバー・フェニックス、奇麗な顔で出とりましたね」(丹野)

「イケメンで、めちゃめちゃカッコよくて。当時、私も高校生ぐらいだったんですけど、丹野さんの『少年が線路を歩いてる』と同じぐらい、リヴァー・フェニックスが、カッコよかったことしか、当時は覚えてませんでした」(尾鍋さん)

「やっぱり、記憶ってピンポイントですよね…」(丹野)

リヴァー・フェニックスよ永遠に


リヴァー・フェニックスは、この映画で注目されて一躍スターになり、この後も『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』や、キアヌ・リーヴスと主演した『マイ・プライベート・アイダホ』など、数多くの作品に出演します。

しかし人気絶頂の23歳の時、薬物の過剰摂取で不慮の死を遂げます。
その最後の瞬間を看取ったのが、友人でロックバンド"レッド・ホット・チリ・ペッパーズ"
のベーシスト、フリーでした。
フリーは俳優として『マイ・プライベート・アイダホ』にも出演していました。

「リヴァー・フェニックスが亡くなってしまうということで、この作品に意味が出てしまったと言う部分が、残念なんですけれども、ありますね」と尾鍋さん。

ジャック・バウアーも出てました


『スタンド・バイ・ミー』には、後に人気テレビドラマシリーズ『24』のジャック・バウアー役としてで有名になる、キーファー・サザーランドが悪役で登場します。
主人公たちにイチャモンをつけてくる不良グループのリーダーで、結構ヤな奴の役です。

「当然、若い頃のキーファー・サザーランド?『24』みたいに『くそぉっ』とか言わないですよね?」(丹野)

「『くそぉっ』とは言わないですけど、やってることは『くそぉっ』みたいなことですけどね。結構いい感じで悪役を演じられてます」(尾鍋さん)

あまりに有名な作品でも、時を経て観返すと、意外な発見があるものです。

あのマイケルがボツにされた


実は、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」が主題歌に決まる前、マイケル・ジャクソンへオーダーされていたんです。

実際に書き下ろしの楽曲が作られたようですが、映画の時代設定が1959年。
結局ベン・E・キングの曲の方が合っているという理由で、製作陣はマイケルの楽曲をボツにしてしまいました。

ちなみにベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」は1961年リリース。
本作の公開後にリバイバルヒットをします。

数多くのアーティストたちにカバーされているこの曲、ジョン・レノンがアルバム『ロックン・ロール』でカバーしており、オリジナルとは異なる独特なギター・カッティングが聴きものです。

「結果的にベン・E・キングを使ったことが、この映画にすごく合っていて良かったなとは思うんですけれども、マイケル・ジャクソンの主題歌だったらどんな感じになったのか、聴いてみたい気もしますよね」(尾鍋さん)

「キーファー・サザーランド含めて、しっかり観返したいと思います」(丹野)

やはり気になるのは、マイケル・ジャクソンのお蔵入り曲。
制作陣が聴いたということは、どこかに音源が残っているかもしれません。
次は、幻の楽曲を探す映画ができるかな? 
(尾関)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年08月25日16時39分~抜粋

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