丹野みどりのよりどりっ!

読んでから見るともっと楽しい!星座の基礎知識

日常にある素朴な疑問・気になって仕方がない「アレってなんで?」といったリスナーから送られた『キニナル』を、番組チームが調査し、さらに詳しい方々に教えていただくコーナー「これってキニナル」。

8/1は、天体観測が趣味という方の素朴な疑問を取り上げました。

それは、「星座って誰がどうやって決めたの?」というキニナルです。
このキニナルについて、名古屋市科学館学芸員の小林修二さんにお話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

最初の星座はいつ作られたのか?


現在使われている星座の始まりは、今から5,000年ほど前、今のイラクのあたりで栄えたメソポタミア文明にまで遡ります。メソポタミア文明は人類最古の文明と言われており、それに影響を受けたエジプトのあたりでも後に文明が起こります。

そして当時から多くの人が、夜空を眺め、空に星座を作っていたと考えられています。

その後ギリシャ人が、メソポタミアやエジプトなどの影響も受け、星座を、神話や伝説と結びつけていきます。そして今から1,800年ほど前、ギリシャの天文学者プトレマイオスがまとめた48星座が、現在の星座の主流になったと言われています。

星座が作られた理由


当時の人はなぜ星座を作ったのでしょう?
古代の人は、太陽や月、夜空を複雑に行き交う惑星を神様と考えていました。

そして、太陽の通り道である黄道を30度ずつ12等分し、12の宮(黄道十二宮)という12の星座を配置します。そうすることにより、古代の人は、太陽や月、惑星の位置関係から神様のメッセージを読み取ろうとしました。

これが、星占いと12星座の起源で、星空の変化を自分の身の回りの変化と結びつけようとしたといいます。また、明るく目立つ星を中心に、いろんな星座が作られていきました。

そもそも12星座は黄道が12分割されて、そこに名前がついたというのが起源だったのですね。

一時は100を超えた星座の数


では現在の星座は、いったいどのように決められたのでしょう?

プトレマイオスがまとめた48星座は、長く15世紀まで使われ続けますが、大航海時代の始まりとともに、今まで北半球の人が見ることがなかった南半球の星空に新たな星座が作られ始めました。

また、48星座に含まれていない隙間に星座が作られたりと、いつの間にかその数は100を超えてしまいました。

確かに、何もしなければ星座ってどんどん増えていってしまいますよね。
「48でも多いのにどんどん増えてきますよね」と、パーソナリティの丹野みどりも突っ込みます。

星図によって星座やその境界が異なったり、いろいろな人が星座を作ったりと混乱が生じてきたため、世界の天文学者から構成されている国際天文学連合において、世界共通の88の星座の学名や境界が決められました。それが1928年のことです。

現在の星座はちゃんとした天文の学会で決められたものだったのですね。

星の楽しみ方は人それぞれ


それでは、また新たに星座を作ることはできるのでしょうか?

現在は世界共通の88星座が決められているので、難しいそうです。
ただし、星座の「絵」に関しては、決められていません。

個人のレベルで夜空に星座を描いたり新しく作ったりする分には、当然自由です。

「星の楽しみ方は人それぞれ、自分自身の星の見方も楽しんでほしいですね」と小林さんはおっしゃっていました。

この時期に見られる星座


この夏の時期には、どんな星座が見られるのでしょう?

例えば夜8時ころ、東の空高くを見ると、3つの明るい星で大きな三角ができます。
一番空高くに見えているのが、こと座のベガ、右下に見えているのが、わし座のアルタイル、左下に見えているのが、はくちょう座のデネブです。

また、南の空低く、地平線30度ほどの高さのところにある赤い星が、さそり座のアンタレスで、その左隣のさらに明るめの星が、土星です。街の中でも、明るい星はちゃんと見えています。

最後には小林さんから、「まずは、街の中で特徴的な星を見つけられるようになったら、それを目印に、空の暗いところでたくさんの星座を探してみてください」とアドバイスを頂きました。
(ふで)
丹野みどりのよりどりっ!
この記事をで聴く

2017年08月01日16時35分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報