丹野みどりのよりどりっ!

「お香」と「お線香」はどこが違うの?

日常にある素朴な疑問・気になって仕方がない「アレってなんで?」といったリスナーから送られた『キニナル』を、「よりどりチーム」が調査し、さらに詳しい方々に話を聞く「これってキニナル」。

6/27のキニナルは、「伊勢神宮へ行くと必ずお香を購入する」という方から寄せられた「お香とお線香はどこが違うの?」。
このキニナルについて、昭和12年創業のお香とお線香の専門店 香源名古屋本店の林店長に解決していただきました。

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「お香」は総称、「お線香」は種類


香りを楽しむ「お香」と、法事などの「お線香」はどこが違うのでしょうか?

「一般的に『お香』はお部屋で香りを楽しむもので、『お線香』はお仏壇など仏事で使うものというイメージをみなさん持たれていると思いますが、実は、お香の世界ではどちらも『お線香』の分類になっています」

「お香」とは総称で、その中にいくつか種類があり、そのひとつが「お線香」ということです。

「お香」に含まれる7種類


「お香」が総称ということは、お香にはお線香以外にも種類があるのでしょうか?

「お香には全部で7種類あります」

1つ目は、おなじみの「線香」。

2つ目は、常温でも香る「匂香(においこう)」。京都のお土産物などで見かける匂い袋などがこの匂香です。

3つ目は、「練香(ねりこう)」お茶の席などで使われるお香で、蜜で練ったお香原料を温めて香らせます。平安時代の貴族が着物に香りを薫きしめるのに使っていました。

4つ目は、お寺で使われ、原料を粉末のまま薫くお香の「抹香(まっこう)」。

5つ目は、法要などで使う「お焼香」。お焼香は、荒く刻んだお香の原料を、直接炭の上に落として使います。

6つ目は、お参りなどの前に手にすり込んでお清めに使う「塗香(ずこう)」。

7つ目は、香りを放つ木材「香木(こうぼく)」です。香木には、白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)・伽羅(きゃら)の3種類があり、年々産出量が減って希少価値が上がっています。他のお香の原料としても使われたり、香木そのものを薫いて香りを楽しんだりもします。

「お焼香もお香のひとつなのですね」と丹野みどり。お香には、聞いたことがあるものから、耳馴染みの薄いものまで、たくさんの種類があるのですね。こんなに種類が分かれているとは驚きです。

「お線香」の定義


部屋で香りを楽しむ「お香」も、仏事に使う「お線香」も、お香の総称では同じ「お線香」ですが、「お線香」とはどういったものでしょうか?

「簡単にお線香の作り方を説明すると、お香の原料を粉末にしたものに、つなぎ材となる木の皮の粉を混ぜます。そこに水を加えて練り、形を整えて乾燥させたものをお線香と呼びます」
つなぎ材の木の皮は、着火剤の役目も果たしているそうです。

「(お線香には)今はいろんな形がありますよね」と丹野みどり。

おなじみのスティックタイプをはじめ、三角形のコーンタイプ、蚊取り線香のような渦巻きタイプなど、いろいろな形があります。形は違っても、これらはすべて「お線香」です。

お線香は、直接火をつけて薫くお香のことだそうです。一番手軽に香りを楽しめるものが、お線香かもしれませんね。

お線香は一番新しいお香


愛用される方が多いお線香。いつごろから使われているのでしょうか?

「現在使われているお線香と同じ製法で造られるようになったのは江戸時代からで、7種類のお香の中ではいちばん新しいスタイルです。」

日本で最も古いお香のエピソードは聖徳太子の時代まで遡り、「兵庫県の淡路島に香木の沈香が流れ着いた」という記録が残っているそうです。
匂い袋や練香といったお香も、奈良時代から平安時代にかけてすでに使われていたので、それを考えると、江戸時代にできたお線香がどれほど新しいものかわかりますよね。

比較的歴史が浅いお線香、香りのバリエーションが豊かになったのはどのような経緯からでしょうか。

「江戸時代に発明された当時は香りにバリエーションが少なかったのですが、時代の変化とともに、お花の香りや香水の香りなど、さまざまな香りが作られるようになりました。」

香りも時代のニーズに合わせて変化しているのですね。それでは、今の流行はどのような香りでしょうか?

「ちょっと面白い香りで、コーヒーの香りやフルーツの香りのお線香も作られています。」

煙が少ないお線香なども今時のニーズに沿って開発されているようです。
自分の好きな香りを見つけて、お香を始めてみませんか?
(ディレクター榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年06月27日16時34分~抜粋

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