環水平アーク
「昼下がりに見えたそうなので、おそらく環水平アークだと思います」
佐々木さんによれば、この「環水平アーク」は虹とは別物で、太陽と同じ方向に現れる光の現象だそうです。
この「環水平アーク」は、太陽を見上げた角度が58度の位置より高い所にある時に現れます。
6/20の名古屋では、午前10時頃から午後2時頃に発生しやすくなります。
事前に佐々木さんに伺ったお話では、環水平アークは「ファイヤーレインボー」とも呼ばれるとのこと。
虹との違いは、見える方向が太陽と同じであること以外にも、氷の粒によってできる点が異なるそうです。
太陽の光が、高いところにある雲の中に含まれる氷の粒を通過する時に、反射・屈折することで、虹のような七色の光の帯に見えるそうです。
つまり、太陽の高度が高い時か見られない現象なのです。日本では、3月から9月の昼前後にしか見られないとのことです。
ちなみに、もっとも綺麗に見られるのは、太陽を見上げた角度が68度くらいの時だそうです。
「おたよりには書かれていないので、わからないですよね」と、丹野みどり。
少ない情報から、現象を言い当ててしまう佐々木さん、お見事です。
そもそも、虹とは?
環水平アークが虹と異なる点は、太陽と同じ方向に見えること、そして、氷の粒を通過することで発生すること。
それでは、そもそも虹とは何でしょうか?
「虹は、太陽の光が雨などの空気中に浮かぶ水滴に跳ね返ったり、折れ曲がったりして、光が七色に見える現象です。太陽と反対方向、太陽を背にした時に見られます」
そこで最大の疑問は、無色透明に見える太陽の光が、どうして七色に変化するのか?ということ。
「実は、太陽の光は無色透明ではなく、いろんな色が合わさることによって無色に見えているだけなんです。光は、色によって曲がり方が異なるという性質があります。光が水滴を通ることによって折れ曲がり、色ごとに分離して綺麗な七色に分かれるということです」
ところで、虹の七色、みなさんはご存知でしょうか?
虹の塗り絵をするときを思い浮かべながら、丹野みどりも答えます。
「オレンジ、黄色、赤、青、ピンクとか、水色とか、白とか。緑?青っぽい色かな?」
途中で佐々木さんに、ピンクは無いかな、白も無いですね、と突っ込まれる丹野みどり。
あと2色は、どうしても出てこず、丹野みどりはギブアップ。
残り2色は、藍色と、紫色です。
「青っぽい色がそんなにあるのですか!」と丹野みどりはビックリ。
「実は、名古屋の街を歩く方50人に調査をおこなったことがあるんですが、赤と青の回答率は100%、橙、黄、緑、紫は80~90%と高かったんです。ただ藍色だけは、わずか8%の回答しか得られなかったんです。みなさん、愛が足りないのかな…」
藍色は藍染の藍ですね。紫の内側にありますよ。
珍しい虹、いろいろ
他にも変わった虹はたくさんあるそうです。
まずは「赤虹」。朝焼けや夕焼けの時間に虹ができると、赤みの強い虹になります。
そして「白虹」。これが発生するのはかなりのレアケースです。
霧の時に虹ができると、色がハッキリ分かれずに白く見えます。
虹に白色がないと知って、少しがっかりしていた丹野みどりは、興味津々です。
他にも、虹の回りに副虹、過剰虹、反射虹と呼ばれるたくさんの虹が見えることもあります。
それから太陽の光ではなく、月の光で虹ができる「ムーンボウ」というのもありますよ。
環水平アークのような、虹のように見えるけれど虹ではないものも数多くあるそうです。
上空の薄雲が虹色に光って見える「彩雲」。
太陽の回りを円を描くようにみえる「日暈」(ひがさ)。
太陽の横に明るい光が見える「幻日」(げんじつ)。
自分の影の周りに虹のような光の輪が現れる「ブロッケン現象」などがあります。
虹を見つけるコツ
「虹を見つけると、得した気分になりますよね」と丹野みどり。
「幸せな気分になりますよね」と佐々木さんも続けます。
虹を見つけるコツというのはあるのでしょうか?
「これから真夏にかけて、虹が最も見やすいのは、夕立のあとの東の空です」
これを覚えておけば、かなり高い確率で虹を発見できるそうですよ!
また、虹の名所と呼ばれる場所があるそうです。それは、滋賀県の琵琶湖。
琵琶湖は山に囲まれ、にわか雨が多く、見晴らしが良いために、絶好の虹スポットなのだそうです。
公益社団法人びわこビジターズビューロー(滋賀県大津市)では全国で初めて、虹予報を
ホームページに掲載しています。
虹指数が高い時、つまり、虹が見えやすい時にお出かけしてみてはいかがでしょうか?
これから梅雨本番。そんな雨の時期だからこそ、虹を探してハッピーになりませんか?
(ディレクター榊原)