6月もいよいよ後半。熱中症で病院に運ばれる人が急増する季節となりました。
熱中症から身を守るために必要なのは、熱中症の危険性を正しく知ることです。
CBC論説室のメンバーが最近のニュースを解説する「NEWSよりどりっ!」。6/15は後藤克幸解説委員が「知っているようで意外と知らない熱中症の知識」について、クイズ形式で解説をしました。
パーソナリティの丹野みどりは、何問正解できたのでしょうか?
熱中症が多いのはまさかのあの場所
それでは早速第1問。
「熱中症で救急搬送されるケースで一番多いのは、どんな場所でしょうか?」
1.公園などの屋外 2.学校 3.住宅の中
「これねぇ、家の中も多そうだけれど。やっぱり暑いから外が1位かなぁ……1番!」と丹野。
「ブー!」残念、不正解です。
消防庁の最新データによると、救急搬送された熱中症の患者が発生した場所で最も多いのは「住宅の中」で、全体の28%を占めます。
次いで多いのが16%で公園などの屋外。そして、学校が15%と続きます。
後藤解説委員は「住宅の中で多いのは、やはりお年寄り。住宅の中でも熱中症が起きるんだという注意が必要」と語り、家の中でも油断をしてはいけないと促します。
ということで答えは3番でした。
お年寄りこそクーラーを使うべき
続いて第2問。
「熱中症で救急搬送をされる人で一番多いのは?」
1.未成年のこども 2.働き盛りの人 3.お年寄り
「これはねぇ、絶対的に3番のお年寄りだと思います。感じにくいんだと思うんですよね」
「ピンポンピンポーン!」丹野、今度は見事正解です。
同じく消防庁のデータでは、救急搬送された患者で最も多いのが44%で65歳以上の高齢者。
それに次ぐのは、外で仕事をする機会の多い働き盛りの人で32%。3番目がこどもと未成年者の少年で25%です。
お年寄りの特徴として、年を重ねるごとに汗をかいて熱を発散させるという能力が衰えがちということがあります。
すなわち、汗をかかない→熱が蒸発しにくい→身体に熱がこもる、という悪循環に陥ってしまうのです。
お年寄りは外に出歩くことも少なく、クーラーが嫌いで室内で暑さをじっと我慢している方が多い。
さらに水分もあまりとらないことから汗が出てこず、身体に熱がこもってしまい、熱中症になるリスクが高くなってしまうというわけです。
注意すべきは気温か湿度か
ラストの第3問は○×クイズです。
「熱中症のリスクが高まるのは、気温の高さで決まる。イエスかノーか」
「もちろん気温が高いのもあるんですけど、汗をかくっていう意味では湿度じゃないでしょうか?」
「ピンポンピンポーン!」
丹野、ラスト問題もきっちり正解して、有終の美を飾りました。今回の「熱中症クイズ」は2勝1敗の成績で終了です。
さて、熱中症のリスクに大きく関わっているのは、実は「湿度」です。
湿度が高いと、せっかく体が汗をかいても蒸発しにくくなります。
汗は、蒸発する時に体から気化熱を奪って身体を冷やすので、乾かない状態では熱がこもってしまうのです。
お年寄りが熱中症にかかりやすいのもこういった要因があります。
データによると、同じ気温の日でも湿度の高い日の方が、救急搬送される熱中症の症例が圧倒的に多くなっています。
湿度には注意が必要です。
見逃してはいけない熱中症のサイン
手足がしびれ始める、または筋肉がつる・こむら返りになる。
こういった症状の現れは、軽度の熱中症が始まっているというサインです。
この段階で早めに水分を取り、そして汗をしっかり出すということが大切です。
しかし、汗が出すぎてしまうと今度は塩分が足りなくなってしまうので、適度に塩分を補給する必要もあります。
吐き気がする、頭痛がする、まっすぐ歩けない、呼びかけへの返事がおかしいなど意識レベルに問題がある。
これらの症状が出た場合はかなり重症です。
服を緩めて身体を冷やしながら、一刻も早く救急車を呼んでください。
日ごとに暑くなり、湿度も高くなるこれからの季節。
家の中は大丈夫、汗をかいていないから大丈夫、自分だけは大丈夫と思わずに、正しい知識をしっかりと身に着けて熱中症を予防してくださいね。
(minto)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年06月15日16時19分~抜粋