丹野みどりのよりどりっ!

救命活動で罪に問われることがあるの?

番組宛てに「とあるネット記事を見つけた」という方から、以下のようなメッセージが届きました。

男女のカップルが交通事故を起こしました。男性は軽傷でしたが、女性はかなりの重傷でした。
現場に遭遇した男性がAEDを使おうと付属のハサミで女性の衣服を切ろうとした時、事故を起こした軽傷の男性が、助けに入った男性を羽交い絞めにして「痴漢だ!やめろ!」と叫んだそうです。
助けに入った男性は、事故を起こした男性を振りほどき、無事AEDを使用し、女性は持ち直したそうです。

もし対処が遅くなって女性に万が一の事があっても男性は女性の裸を守ったと主張するのでしょうか?
命と裸、どちらが大切なのでしょうか?

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刑事上、民事上の責任


6/13のテーマは「救命活動で罪に問われることはあるの?」。
上記の質問に対し、丹野みどりが名古屋市消防局救急救命研修所の東さんにお話を伺いました。

救命活動で女性を裸にすることや、心臓マッサージの際に肋骨を折ってしまうなど、命を救うはずなのに、相手に訴えられる、罪になる事はあるのでしょうか?

「一般的には、善意により最低限の注意を払って応急手当を行った場合には、刑事上、民事上の責任を問われることはない、と考えられています。応急手当を行う場合は、ひとりだけで何とかするのではなく、そばにいる多くの人たちが協力して対応することが重要です。
例えば、ある人は119番をする、別の人はAEDを取りに行く。また、AED装着のため服を脱がせる場合に、協力者で周りを囲んでプライバシーの配慮をするなどの対応をしていただければ問題は生じないと思います」

とっさの善意によって応急手当をする場合は、罪に問われることはないので、安心して助けに入ればよいのですね。

倒れた人に反応がなかったら


事故にはいつ、どこで遭遇するかわからないもの。万が一のとき、周囲に人がいないなど、他の人たちの協力を仰げるかはわかりません。その時はどうすればよいでしょうか?

「倒れている人の反応が無いことを確認したら、まず119番通報をしてください」

まずは救急に通報することが大事なのですね。

「AEDの設置場所がすぐ近くにあることがわかっている場合や119番通報した際に、オペレーターから伝えられた設置場所がすぐ近くにある時は取りに行き、すぐにAEDを使ってください。そして呼吸をしていなければ、直ちに心肺蘇生法(心臓マッサージ)を行って、救急隊が到着するまで続けてください」

このAED、設置場所は増えていますが、どこに設置してあるか、通い慣れている場所でも覚えていないことも多いと思います。
初めて行く場所では、AEDを探すことも難しいですよね。

東さんによると、119番をしたときに近くにAEDがあればオペレーターが案内してくださるそうです。
また、協力者を集めるときに、施設の方にお願いすれば、施設のどこにAEDを設置しているか把握している場合が多いので、AEDを取りに行きやすいそうです。

いずれにせよ、緊急事態、たくさんの人に協力を求めることが重要です。

また、近くにAEDがない場合は、探すのに時間をかけるより、救命隊が到着するまで心臓マッサージを続けることの方が大事だそうです。

AEDの使い方を学ぶには


救命活動にとって必要なAED。最近は街中でも見かける事が多くなりました。
しかし、実際に使えるかと言われると不安ですよね。自動車の運転免許を取得する時に講習を受けているはずですが、いざというときに、大切な人の命を守れるようになりたいですよね。

「名古屋市内での市民の方によるAEDの使用件数は、年々増加傾向にありますが、まだまだ使い方を知らない方はいらっしゃると思います。AEDは起動すると自動音声が流れて、初めての方でもその音声に従って電気ショックを行うことが可能です。しかし、AEDは強い電流を流す器械であるため、使い方によっては自分や協力者が感電する危険もあります。
名古屋市消防局では、昭和消防署4階にあります応急手当研修センターと各消防署で定期的に心肺蘇生法とAEDの使い方を学ぶ救命講習を開催しています。また、私たちがお訪ねして開催する救命講習もあり、最短で45分で学べるコースから3時間でしっかり学ぶコースなどがあります。今年度から、小さいお子様を連れて受講できる、親子救命講習もあります」

講習を受けた経験のある丹野みどりも「心臓マッサージの方法やAEDの使い方、講習を受けるだけでぜんぜん違いますよね」と同意します。
参加しやすい講習会がたくさんあるので、ぜひ救命講習を受けて、正しい心肺蘇生法とAEDの使い方を学びたいですね。短時間でもしっかりマスターできるそうですよ。

講習会についての詳細は、名古屋市ホームページの救命講習の案内や、応急手当研修センター(052-853-0099)に問い合わせてください。

救命活動のポイント


倒れて反応がない人を見たら、次のふたつを行ってください。

・すぐに大きな声で「誰か助けてください。誰か来てください」などと多くの協力者を集める
・119番をする人、AEDを持ってくる人、周りを囲んでプライバシーを確保する人と分担をする

現場に遭遇したみんなで、救急隊が到着するまで応急手当を行いましょう。
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年06月13日16時35分~抜粋

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